■感想など■

2011年01月31日

[THEM]『Piece.00』「楽宴」〜FRIENDS〜

■■【9】■■

「な、なによ〜」
 それでも虚勢を張って上目使いに二人を見上げるティファに、
「エアリス姐さん? このヒト、こんな事言ってますけど」
「ふふふー……そうねぇ……正直じゃない子には御仕置きが必要よねぇ〜……」
 エアリスがゆっくりとトレイを横に追いやる。
 ユフィがぺろりと可愛らしいピンクの舌で唇を嘗めた。
「え? え? なに?」
 ティファはそう言いながらもすでにクッションを抱えて、犬に睨まれた子猫のように、じりじりとお尻の方から戦略的撤退をしていた。
 形勢は圧倒的に不利だ。
 ここは勇気を持って戦略的撤退をすべきではないか!?
「ちょっ! またっ!? きゃっ! あっ! やっ!」
 ……しかし、全ては遅過ぎた。
 退路を絶たれ、2人がかりで飛びかかられてくすぐられ、ティファは逃げることも出来ずに息も絶え絶えになりながら床の上をバタバタと転がる。
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2011年01月30日

[THEM]『Piece.00』「楽宴」〜FRIENDS〜

■■【8】■■

「ウータイに住むユフィや、ミッドガルで育ったエアリスは、ひょっとしたらそう思うかもね。だって、虫を使った料理だってあるもの」
「ム……ムシ!? 昆虫!? マジ!?」
「やだ、そんなに驚かないでよ。虫だってあの村じゃあ大事なタンパク源だったんだから」
 タンパク源。
 そう言いきってしまうティファを、ユフィは何とも言えない表情で見た。
「……う〜アタシ、ティファ見る目が変わっちゃいそう……」
「何言ってるのよ。ウータイだって、あの、海の、うねうねぐにぐにしたもの食べるじゃない」
「え〜〜〜? そんなの食べ……………………タコ?」
「そう」
 エアリスは二人の会話を聞きながら、ユフィの生まれ故郷のウータイに寄った時、御馳走に出された料理の中にあった「海棲軟体動物」の事を言っているのだ、と気付いた。
 料理前の状態をわざわざユフィに見せてもらった時、そのあまりの醜悪さに「食べる前になんか見なければ良かった!」と心の底から後悔したものだ。
「だって美味しいじゃん。……………………あ」
「でしょ?」
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2011年01月29日

[PAIN]『Piece.00』『秘密』〜SECRET OF MY HEART〜

■■ 最終章 ■「解放」■■


 電磁ロッド。

 格闘において接近戦を得意とする青年にとって、最も使い慣れた武器である。

パリッ……

 その先端にかけて、紫電が走る。
 ティファが初めに拳底を叩き込んでから、わずか6秒余り。
 辺りに肉の焼ける嫌な匂いと、イオンのツンとした香りが満ち、勝敗は、あっけなくついた。
「レノ!」
 ルードが青年の名を呼ぶ。
「くっ……そりゃあ責めてんのか? それとも心配してくれてんのか?」
 レノは、からかうように相棒を見た。
 答えはわかっている。
 ルードは決してレノを心配などしない。心配する程、レノを見くびってはいないのだ。
「……………………」
「冗談だぞ、と」
 口調に、再びからかうような響きが戻っていた。
「どこにこんな力が残っていやがったんだ?」
 体の自由は、薬で奪っていた筈だ。その薬が切れていたとは考えにくい。
 しかしティファは蹴りを放ったのだ。
 彼女の股間にある性器は、度重なる不本意な性交による内出血と裂傷のため激痛が走り、おそらく常人ならば歩く事も出来ないはずだ。
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2011年01月28日

[THEM]『Piece.00』「楽宴」〜FRIENDS〜

■■【7】■■

「でもティファってすごいなぁ……何でも作れちゃうんだなぁ……」
 ユフィが水色のクッションを抱えて体をゆらゆらと揺らしながらそう言うと、ティファはカップを置いて両手の指を絡ませた。
「何でもってワケじゃないわよ。まだまだ作れないものの方が多いくらいだもの」
「そう言えるだけですごいってーの。アタシなんか食べるの専門だもん」
「……小さい頃の反動かもしれないなぁ……」
「反動? 何の?」
 エアリスが首を傾げてティファを見た。無垢な瞳で見つめられると、まるでちっちゃな女の子に質問されているようで、心の片隅が少しむず痒い。
「…………なんでもない……」
「なによ。そこまで言っといてやめちゃうわけ?」
「……だって……」
「だってなによ? 気もたせといていざとなったら逃げるのは良くないよ?」
 ユフィは、怒ってるんだか笑っているんだかわからない顔でティファを睨んだ。
 間違いない。
 彼女は完全に楽しんでいる。
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2011年01月27日

[THEM]『Piece.00』「楽宴」〜FRIENDS〜

■■【6】■■

 さすがにスケスケネグリジェのままでは恥ずかしくて、ティファは薄いショールを羽織る事だけは“許して”もらった。
 それでも胸の“先っちょ”が透けて見えてしまうというのは、同性の前だといってもものすごく恥ずかしい。風呂などで一緒に入っても特に意識する事無く平気になっていたが、こうして明るい部屋の中に身を置くとなると話は別だ。
 何より、すーすーとして心許(こころもと)無いことこの上ない。
「あ、アタシ砂糖3つね」
「3つも入れるの? 太っても知らないから」
「そんなこと言うんだったら、そもそも寝る前に焼き菓子なんて齧(かじ)れないって」
 エアリスの呆れたような言葉にそう切り返して、ユフィはティファの焼いた焼き菓子をポリポリと齧る。
 ティファは、まるで仲の良い姉妹みたいな二人のやり取りを横目に、最後に自分の分のお茶をカップに注いで、ふかふかのクッションを抱え込んだ。
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2011年01月26日

[THEM]『Piece.00』「楽宴」〜FRIENDS〜

■■【5】■■

「だいたい、無自覚過ぎるんだよ。ティファは」
「……別に……そういうわけじゃ……ないけど……」
 のろのろと起き上がって胸元を両手で隠しながらベッドに座ると、ティファは乱れた髪を右手でかきあげながらユフィに答えた。
「んん? なに? じゃあ自意識はあるんだ。『ワタシって綺麗!』って!!」
「ち、違う違う! だいたい、ユフィだってエアリスだって、私の胸が見たいだけでしょ? わかってるんだから!」
「およ? なんで?」
「……だって……ミッドガルのスラムにいた時に、館の姐さん達が」
「館?」
「姐さん?」
「ん…………その……娼婦館の、姐さん」
 ティファがぽしょぽしょとそう言うと、エアリスとユフィの笑顔がたちまちのうちに、なんとなくぎこちないものへと変わった。
 部屋の空気までごっそり入れ替わってしまったようだ。
「……あ〜………………」
「………………へえ……」
 曖昧(あいまい)な相槌(あいづち)は、2人の心の動揺を如実に表している。
 ティファは溜息を吐(つ)くと、ちょっと怖い顔を作って交互に二人の顔を睨みつけた。
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2011年01月25日

[LIPS]『Piece.00』「夜明け」〜決戦前夜〜

■■ 補足 ■「そして朝日の中で……」■■

 ゆっくりと……ゆっくりと……。
 クラウドは、意識がまどろみの中を、光に向かって浮き上がっていくのを感じる。
 ……と、同時に、さらさらとした感触が、くすぐるように腕の上を滑るのもまた、感じていた。
「ん……」
 ぼんやりと目を開け、天井を見つめる。
 まだ部屋は薄暗い。
 朝日は、まだ顔を出していないらしい。
 クラウドは、さらさらの原因を右腕に認めて、見下ろすようにして確認した。
 すぐ目の前にある、艶々の……黒髪。
 さらさらの原因。
 腕にふりかかり、クラウドの腕を独占している、可愛い征服者の眠りを護っている。
「……」
 腕の感覚が無かった。
 どうも、ずっとこうしていたらしい。
 あのまま……二人とも素裸のまま、シーツにくるまって彼女に腕枕をしていたのだ。

 ティファと………………した。

 その事実が、今更ながら、彼の心に蘇る。
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2011年01月24日

[THEM]『Piece.00』「楽宴」〜FRIENDS〜

■■【4】■■

「貴女、自分の立場がわかって? それなのに、ああもう……あんな無粋で野暮ったいパジャマなんて……! 貴女、今夜のこの集まりをなんだと思っていて!?」
 いつのまにかベッドの上に両足で踏ん張ってナイティのまま仁王立ちしている“くるくる巻き毛”のおねーさんを、ティファは呆然(ぼうぜん)と見上げた。
 上下に分かれたナイティからは、可愛いお臍が覗いている。
『……なにか悪いものでも食べたのだろうか?』
 本気でそう思った。
「…………エアリス……?」
「目の前にこんな……こんな……こんなナイスなバディがあるのに、それを大人しく見逃すなんて事が果たして出来ようか? いいやいられない!! カッコ反語カッコ閉じる!」
「…………ユ……ユフィ……???」
 芝居がかった口調で、ティファの実用一辺倒で飾り気の無いブラを握り締めながらぶるぶると震える少女の目は、とてつもなく本気の炎にメラメラと燃えていた。

 ……襲われるかと思った。

「ティファ、いい? よく聞いて」
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2011年01月23日

[PAIN]『Piece.00』『秘密』〜SECRET OF MY HEART〜

■■ Scene.12 ■「瞬発」■■

 ルードが「こうしなければならない」理由を、青年は理解した。
 理解してしまった。
 彼は、ティファをただ辱めるためだけに、「こんな事」をしている訳ではないのだろう。
 だが、それはひどく危険な行為ではないか。
 ともすれば、自分の命すら危険に晒すほどの……。
 青年はそれ故に、ルードの「想い」の強さを、今更ながらその胸に感じていた。
『死を賭して捧ぐ愛……ねぇ……』
 青年には、女に命を懸ける男の心がわからない。「わかりたくもない」というのが、正直なところだ。
 幼い頃、母親に捨てられ、売られて、少年時代を男色家の慰み者として育った自分にとって、女とは奪い、傷つけるモノではあっても、けして愛を捧げる対象では無いのだ。
 スラムでは珍しくない事だが、世界で唯一母を信じて生きてきた少年にとって、母親のその仕打ちは、少年の心に深い傷を残してしまった。
 今、彼にとって信じられるのは、共に死線を越える事の出来る相棒だけだ。
 身体を休める安息の場所など、自分には必要の無いものだと……彼は思っている。

「ひいいいいんっ!!」
 ひときわ高い啼き声が、青年の意識を現実へと引き戻した。
 デスクにうつ伏せに上半身を乗せ、たっぷりと豊かな豊乳をひしゃげさせ、後ろからルードに貫かれながら、素裸のティファが尻を振っている。
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2011年01月22日

[PAIN]『Piece.00』『秘密』〜SECRET OF MY HEART〜

■■ Scene.11 ■「性具」■■

「また行くのか?」
 神羅ジュノン支社。
 数ある特別室の中で、ただ一箇所、タークスルームとして使われる支社のゲストルームのみに存在する天然木材の扉。
 その重厚な質感の扉を開け、部屋から一歩を踏み出した途端、ルードは、入り口の左に立つ赤毛の青年の、少し皮肉めいた、いつもの声を聞いた。
「…………」
 答えず、無言で扉を閉める。
「もう2日になるぞ、と」
 青年を無視し、歩き始めたルードの背中に、再び声がかけられる。
「いい加減にしないと、ツォンさんにどやされるぞ、と」
 タークスリーダーの名に、ルードの眉が反応した。
 彼は、歩みを止め、ほんの一瞬逡巡したが、ようやく、諦めたように口を開いた。
「問題無い」
 そして、再び何も無かったかのように歩み始めた。
 赤毛の青年は、壁にもたれたままガリガリと頭を掻き、顔を顰める。彼の相棒は、本来ならば与えられた職務を放棄して、その上、神羅の社員を上部に無断で使うような男ではないのだ。
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2011年01月21日

[THEM]『Piece.00』「楽宴」〜FRIENDS〜

■■【3】■■

「ねえ、やだ……これ………………ねぇ……パジャマ返してよユフィ」
「だめ」
 おかしいほど情けない顔をして、ティファはホットパンツ姿のユフィを見上げた。ユフィはというと、にこにこしながら無慈悲にきっぱりと拒否をする。
「いいの? 怒るわよ!?」
 怖い顔してみせた。
「いいよ」

 ……ぜんぜん効かなかった。

「なんでこんなの着せるの!?」
「「目の保養」」
 実に嬉しそうに笑うエアリスとユフィ二人の、弾んだ声が見事に重なる。
 完全なるユニゾンだった。
「……女が女のスケスケネグリジェ姿なんて見てどうするの?」
「「楽しい」」
 また重なる。
 二人ともにこにこして悪意なんてこれっぽっちも無いって感じだったけれど、それが逆にクセモノなのだと、ティファには今までの経験でイヤと言うほどわかっていた。
「……なに考えてるのよぅ……」
 ティファは恥ずかしいやら情けないやらで、俯いて溜息を吐きながらぽちょぽちょと言った。
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2011年01月20日

[LIPS]『Piece.00』「夜明け」〜決戦前夜〜

■■ 最終章 ■「決意<クラウド>」■■

「私……私ね? ずっと『おとぎばなし』が嫌いだった」
 彼女は俺の唇から解放されると、深く息をついて俺の首にかじりついた。
 ごろごろと甘えて、身体を摺り寄せてくる。
 豊かな乳房が、ふにふにと俺の胸と腕に押し付けられる感触が嬉しい。
「…………どうして?」
 髪を撫でながらそう聞くと、とろけそうな笑みを浮かべてちゅっちゅっと、俺の胸にキスをする。
「『そしてお姫様は、いつまでもいつまでも、王子様と幸せに暮らしました……』それが嘘だってわかったから……」
「嘘?」
「そう……。そんな幸せな女の子なんて、今まで逢った事ないもの」
 俺の胸に頬をつけながら、ふう……と息をつく。
「……」
 長い黒髪を指に絡めて、彼女の次の言葉を待った。
「『幸せ』って何? 『いつまでもいつまでも』って、どのくらい?」
「……」
「誰に聞いたって、答えてくれなかった」
「……」
「ううん……答えられなかったのよ。だって、そんなの嘘だもの。誰も見た人なんていないんだもの」
 彼女の声が、急に硬質を帯びる。
 かりかり……と爪で俺の腕を引っ掻いて、すぐに嘗めた。
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2011年01月19日

[THEM]『Piece.00』「楽宴」〜FRIENDS〜

■■【2】■■

 ところで、男女混成で長旅をする彼等にとって、宿において浴室が部屋に無いというのは、意外に不便なものだ。
 幸い、今回の宿は共同浴室が男女で別れていた。
 そのため、こういう宿に泊まる時にはいつもするように、後から入る男性陣達のために急いで体を洗い、なるべく浴槽の湯を汚さないように気をつける必要も無かった。
 クラウドやバレットは、自分達の後に女性を入れるのは可哀想だ……と、彼等にしては珍しく気を利かせてくれているのだろうが、男性の前に入浴するのも、それはそれで非常に気を使うものなのだ……というところまでは、わかってはくれないらしい。
 それがまだ、シャワーであるならば事は簡単なのだが、田舎ともなると浴槽式の場合が多く、しかも、温水器も無いために溜め置きで沸かすタイプの方が多かった。
 そうなると、まず浴槽に入る前に十分体を洗い、汚れを落として、それからそろそろとゆっくり浴槽に身を沈める。
 もちろん、浴槽ではあまり体を動かさない。
 泳ぐ……なんてのはもってのほかだ。
 体がある程度温まったら、再びゆっくりとお湯から出て、じ〜〜〜〜〜……と浴槽を観察するのだ。
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2011年01月18日

[LIPS]『Piece.00』「夜明け」〜決戦前夜〜

■■ Scene.13 ■「決意<ティファ>」■■

 子供の頃は、彼がこんなにも自分の中で大きな存在になるなど、思いもしなかった。
 「ライフストリーム」の中で、彼と自分の過去と向き合った今は、あの頃の事が、不思議と鮮明に思い出す事が出来る。


 近所に住む、金髪の少年と初めて出会ったのは、雨の降る日、私の家の中に、汚れた小猫が迷い込んできた時だったと思う。
 しばらくして扉をノックした少年が、小猫の飼い主なのだと、なぜだか、すぐにわかった。
 散々探し回ったのだろう、自分自身、びしょ濡れになりながら、小猫を抱きしめた少年の瞳が懐かしい。
『お前が連れてったのか?』
 そう言って睨んだ彼を、思いっきり突き飛ばした事も……。


『初めての出会いは……サイアクだったなぁ……』
 うつらうつらと眠りかける彼を見上げながら、彼女は甘く微笑んだ。
『それから……そう』


 彼と遊ばなくなったのは、彼が、どこか冷めた目で私の事を見始めたころだろうか……。
 「ライフストリーム」で、彼の意識は言った。
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2011年01月17日

[THEM]『Piece.00』「楽宴」〜FRIENDS〜

■■【1】■■


 そこは、碧濃い山道に入る手前の、田舎ではあったけれどほんの少し大きな宿場街だった。

 日が落ちて活動を開始した梟の、ちょっと物悲しい啼き声が遠くかすかに……時にびっくりするくらい大きく響いている。夜気はしっとりと湿り気を帯び、ゆるゆると流れる夜風は、ひんやりと肌に冷たい。
 夜行性のモンスター達が侵入しないように、街の周囲には防壁が設けられてはいたが、主街道から外れた田舎の街に電磁防壁などあるわけもなく、あるのはただ、二重三重の有刺鉄線が高さ3メートルの鉄柵にぐるぐると巻き付けられたもの……というひどく頼りないものでしかなかった。
 鉄柵の向こう、街と森の間には背の低い作物が緑の葉を揺らす畑が広がり、それはそのままモンスターと人間の生活境界を示している。森の木々は、遠くの明かりを反射した薄明るい暗雲に照らして黒々と聳(そび)え立ち、まるで人間達に「ここから先はお前達の入っていい場所ではない」とでも告げているかのようだ。
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2011年01月16日

[PAIN]『Piece.00』『秘密』〜SECRET OF MY HEART〜

■■ Scene.10 ■「怨嗟」■■


 ティファは解放された。

 ルードから……「薬」から。
 だがそれは、おそらくつかの間の事でしかないのだろう。
 なぜなら彼女は、まだこの部屋から解放されてはいないのだ。


「…………………………」
 ティファは唇を噛み締め、がくがくと震える腕で体を支えてソファから身を起こした。
 そしてルードが出ていったドアを、殺気に満ちた目で見つめる。
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2011年01月15日

[PAIN]『Piece.00』『秘密』〜SECRET OF MY HEART〜

■■ Scene.09 ■「虜囚」■■

 部屋の一面を支配する、大振りな窓に寄せた重厚な木製のデスクの上で、白い肉体がうねっていた。
 匂い立つように、汗でてらてらと濡れ光る淫猥で美しい肌は、適度に日に焼け、健康的な色で、見るものの眼を打つ。

 ティファ=ロックハート

 かつて、ほんの少し前まで、そう呼ばれていた肉体の名だ。
 デスクの上で、ティファは白い腹を見せ、両脚をいっぱいに開いたまま、荒い息で体を震わせていた。
 既にその体に、衣服は無い。
 ただ、片方の靴下が名残惜しそうに、その身を纏わりつかせているだけだ。
 その代わりに、全身を汚らわしい……しかし、とてつもなく心地良い、甘美な気だるさが覆っていた。

はーーー……はーーー……はーーー…………

 深く、大きく息は吐き出される。
 その度に、ゆらゆらと豊かな乳房が揺れた。
 あれからどれほどの時が流れたのだろう……?
 テーブルの上で、ソファの上で、そしてデスクの上で、ティファは、口を犯され、上から……後ろから犯され、後ろの『蕾』さえも蹂躪された。
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2011年01月14日

◆◆エピローグ◆◆「そして、はじまる日々」◆◆

◆◆ エピローグ ◆◆「そして、はじまる日々」◆◆

 以上が、僕ことセイ……男だった頃の名前「新藤 清孝(きよたか)」が、去年の10月12日から体験したことの全て。

 そう。
 あれから――僕が去年の10月12日に『栄華』を訪れてから――既に半年が過ぎていた。
 僕は、年を越えて今……3月31日の今日、昔は「名古屋」とか言われていた第二首都「中京(ちゅうきょう)」の、西方20キロ地点に作られた学園都市『栄華(えいか)』の、通称【蒼の塔】正面玄関にいる。

 『栄華』は、およそ640にも及ぶ研究機関や企業と、およそ3万2千人の研究者、そして60種余りの地球外知的生命体(ヴィジター)の国家大使とその関係者が集まる、アース有数の学術・研究・惑星間技術交易都市だ。
 実質的に惑星「アース」・日本特別自治区(以下:特区)の「首都」となっている「中京」の中心部は、リング状に地球を取り囲む宇宙ステーションに上るための、軌道エレベーター・シャフトの基点となっていて、様々な人種または【ヴィジター】の特区活動拠点ともなっている。
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2011年01月13日

[LIPS]『Piece.00』「夜明け」〜決戦前夜〜

■■ Scene.12 ■「夢現」■■

 「夢」を見始めたのは、彼を愛したもう一人の女性……エアリスが、「狂気の男」にその命を絶たれたその日からだった気がする。

 彼女は、「その日」自慰をした。

 彼女を失った悲しみと、自分自身を見失う恐怖に打ちひしがれる彼を見ていながら、彼女は夜、自分のベッドで自分を慰めたのだ。

 エアリスの事は好きだった。
 ティファにとっても、彼女はかけがえの無い仲間であり、友だったから……。
 涙が止まらなかった。
 冷たくなってゆく頬に手を添えても、彼女は目を開けない。
 当たり前のその事実は、氷で出来たナイフのように、彼女の心の上を滑り、裂いていった。
 なのに、彼女は、体に灯った火を抑えられなかった。
 消せなかった。
 そんな事をしてはいけないと思いながら、両手は乳房と『花』をいじった。
 すぐ側に眠る、クラウドとバレットの寝息の中、ひっそりと啼いた。
 声を上げた。
 それより数日前、ゴールドソーサーのイベント会場で、彼から受けた右手の甲の口付けの記憶が、彼女の躊躇いを溶かしていた。
 火を付けたのは、彼なのだと、彼女は思い込んだ。
 思い込もうとしたのだ。
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2011年01月12日

◆◆第7章◆◆「『宮入り』について」◆◆

■■【2】■■

 下半身を時間をかけて清められた『育成体』の“つるん”とした白いお尻に、右斜め上からカメラ(?)がゆっくりとズームしていくと、徐々にレントゲンのようにその体が透けていって、立体的に子宮の状態がハッキリとわかるようになっていった。これはCGとかじゃなくて、実際に撮影と同時に行われるリアルタイム処理の、しかも人体に全く影響を与えない、【ヴィジター】のれっきとした物質透過結像技術のたまものなんだ。パッ見でも区別してわかるように、X線造影によるレントゲンと違って子宮だけ他の臓器よりずっと白っぽく、より立体的になっているのも、その技術の一つらしい。すごいよね!
 そんな中、『育成体』の子宮は風船みたいに“ぽこん”と膨らんで、膣の方へと下降してきていて、それに子宮口も膣道もずっと広がって見えた。
 これはオルガスムスの時に起こる『バルーン現象』とは別物で、あっちは通常のオルガスムスの際に膣の奥が広がって子宮が降りてくる現象。でも映像で起こっているのは、膣の奥が広がって子宮が降りてくるのは同じだけど、子宮自体も少し膨らんでいるってこと。たぶんこれはイクステア幼生体を迎え入れやすくする、自然な生理現象とは違う処置なんだろうと思う。
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