■感想など■

2011年05月16日

[LIPS]『Piece.04』「二人の睦」〜愛しあうということ〜

■■〜Other Time〜■■

 吐息は甘く……そして熱かった。

 飛空挺ハイウインド。
 つい先程ウータイへと、仲間の最後の一人を送った空の覇者は、極低音がさざめき出す振動にその体躯を軋ませていた。メインエンジンを切り、補機だけで気流にその身を任せる様は、水面に浮かぶ木の葉のようにゆったりとしている。
 深夜……耳を打つのは、翼に裂かれて後方に流れる、風の悲鳴だけ。
 今、挺内で起きている者と言えば、眠い目を擦りながらも計器類相手に気を張る、メインデッキの当直者だけだろう。

「眠れないの?」
 そのすらりとした体躯が、視界の中にシルエットとなって現れた時、彼はただ一人、ぼんやりと地上の光を眺めていた。
「……ああ……お前も……か?」
「…………うん……」
 冴え冴えとした月明かりに照らされる表情は、甘く、そして柔らかい。
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