■感想など■

2011年05月30日

[LIPS]『Piece.04』「二人の睦」〜愛しあうということ〜

■■[LIPS]『Piece.04』「二人の睦」〜愛しあうということ〜■■

■■〜スウィート・キッチン〜■■

■■【1】■■

 暗い闇の中に浮かび上がる窓の明かりがこんなにも温かいのは、そこに「自分の場所がある」からだと、彼は思う。
 “そこに「いていいのだ」という想いではなく、そこに「いる事が当たり前」である幸せ”
 それを胸に刻みつける幸福は、真なる孤独を一度でも味わった者でないと、到底理解出来るものではない。

 「当たり前」だというのは、実は、ひどく「贅沢な事」なのだと、もっと多くの人が気付けばいいのに……。

 泥のような疲れが、魂の深い所まで沈殿したような体を引きずりながら、彼はそう思った。……だが、すぐにその思いを振り払う。
 「幸せ」を「幸せだった」と感じる時……。
 その時を迎えた人は、既に不幸をも、同時に感じているはずだ。

 なぜなら、「本当の幸せ」は「不幸な時」にこそ感じるものだからだ。

 彼は、人々の生活から「不幸」を取り除くために、身を削るようにして働いている。彼だけではない。彼の上司も、友人も、部下も……彼の周りの者全てが……だ。
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