■感想など■

2011年06月25日

[LIPS]『Piece.04』「二人の睦」〜愛しあうということ〜

■■〜闇に閉ざした君を〜■■

■■【1】■■


「動いちゃダメだよ」
 俺はそう言って、彼女の目を黒い帯で覆った。

 目隠し。

 布は厚手で、光を遮断し視界を覆い隠す。
 布をあてる瞬間まで、彼女は不安そうに……けれどどこか期待を込めた甘い瞳で俺を上目使いで見上げていた。
 俺のかわいいひと。
 その髪は艶やかで、手入れの行き届いた黒髪は美しいキューティクルの反射により天使の輪を戴いているようにも見える。
 事実、彼女は俺の天使であり……恋人であり……愛人であり……母であり……姉であり……妹だった。
 全ての女性を体現してみせ、また、俺の全てをありのまま受け入れてくれる……。

 愛しい……ひと。

「あっ……」
 俺の右手の人差し指が柔らかい左頬に触れると、彼女は首を竦めてよろめいた。
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[LIPS]『Piece.04』「二人の睦」〜愛しあうということ〜

■■【4】■■

「ティが嫌なら、薬は使わないよ。けど、俺の精子が遺伝子的にティのそれと受精しにくいってのは、変わらないんだぜ? 薬を使っても使わなくっても、俺との子供が欲しいと思うなら、ある程度の覚悟はしなくちゃいけない…………それは、わかるよな?」
「……う……ん…………でも…………」
「ティはさ…………ティは…………『俺との子供が欲しい』のか? それとも『ただ子供が欲しい』のか?」
「……!!? ……どういう…………意味!?」
「……言葉の通りだよ」
「…………私が、誰のでも良いから、ただ子供が欲しいって……そう思ってるっていうの!?」
「………………ティ……」
「……私はっ!!……」
 彼女は身を起こすと、怒っているような……泣き出してしまいそうな……そんな、“痛い”瞳で彼を見た。息苦しさに喘ぎ、震える唇を開いて、空気を貪る。
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