■感想など■

2011年10月31日

【ボクキミ】1

◆◆ プロローグ ◆◆



 ──『世界』のヴェールは剥がされた。


【この世界には通称『ウィッチ』と呼ばれるバランス調停者(単に『守護者』とも呼ばれる)が多数存在し、人知れず人々の平和と安寧を日々護っている。】

 そういう噂が、今まで全く無かったわけではない。

 だが、その事を口にするのはほとんどが感受性の豊かな思春期の少年少女や、感性の鋭い、いわゆる自分の世界に没頭しがちな芸術家肌の「クリエイター」と呼ばれる人種に多かったため、その“ある意味において真実を暴いていた言葉”は、よくある「セカイ系」の妄想として一蹴され、その“正しい認識”は常識という名の凡庸たるヴェールで再び塗り潰され、二度とその者の意識に上ることが無いのが常であった。
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2011年10月30日

[THEM]『Piece.02』「悔恨の女達へ」〜心を強くしなやかに〜

■■【1】■■


 ユフィが何も言わず、ティファの背後から彼女を抱きしめた。

 体が小刻みに震えている。
 いつもは強気で何者にも負けない忍者の子孫が、今は己の小ささ、弱さをまざまざと思い知って心細さに誰かにすがりたいと強く願っていた。
 震えは、体の奥から湧き上がるものだ。
 下腹の奥から脊髄を揺さぶり、それは首の後の産毛の一本一本さえも逆立たせる。
 ショートカットの、野鹿のようにしなやかな体躯の少女は、両腕の中のあたたかな温もりに、ただ全身を預けていた。
「ユフィ……?」
 おずおずとティファがユフィを肩越しに振り返る。
 が、ユフィはおでこをティファの艶やかな黒髪に押しつけたまま、ふるふると首を振って顔を見せる事を拒否した。ティファはそっと溜息をつき、それでも胴に回されたユフィの思いの他華奢な両腕に手の平を重ねる。そして、2回だけぽんぽんと叩くと、出来るだけ優しい声で話しかけた。
「ね、お茶……しようか?」
 それでもユフィは、ふるふると首を振る。
 今は何もいらない。
 ただこうしていたい。
 ティファはそれだけで、少女が受けた心の傷が思ったよりも深い事にようやく気付いたのだった。


 エアリスの背中には、引き攣れたような赤い線がくっきりと残っていた。
 魔法で自己治癒力が促進された傷痕(きずあと)は今はもうすっかり塞がれ、新たな肉が萌芽したその部分は、つやつやとした赤ん坊の皮膚のようなピンク色をしている。そのピンクの部分が、背中を見せている羞恥によって血流が活発になり、赤く見えいるのだった。
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2011年10月26日

[THEM]『Piece.01』「ナイショだよ?」〜あなただから〜

■■【2】■■

「もう……何するのよぅ……」
 起き上がろうとしたティファをエアリスの白くて細い腕が抑え込んだ。跳ね除けようとすれば簡単に跳ね除けられる弱い力なのに、ティファは簡単に抑え込まれて草原に仰向けに転がってしまった。

 万事休す。

 だった。
「ふふふ」
「なに? 悪ふざけしないで。急がないと」
「急がないと?」
「……バレット達が、待ってるから……」
「バレット達? クラウドが、デショ?」
「エアリス!」
「違う?」
「…………同じじゃない」
「同じじゃないよ?『バレット達』は複数形。だけど、ひとりだもん、『クラウド』は」
「何が言いたいの?」
「ふふ」
 エアリスはいぶかるティファをそのままにして、ごろん……と“でんぐりがえし”で自分も草原に寝転んだ。
 ティファの顔のすぐ横に、さかさまにエアリスの顔があった。
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2011年10月25日

[THEM]『Piece.01』「ナイショだよ?」〜あなただから〜

■■【1】■■


「ナイショだよ?」
 そう言って、彼女はちょっと悪戯っぽく微笑みながら世界の真実を教えてくれた。

 ……気がした。


 名も無い草原だった。
 空はどこまでも高く、青く、雲はその青を切り抜いたかのようにぽっかりと浮かんでいる。踝(くるぶし)までも無い背の低い草は、渡る風にゆるやかにその身を委ねて、草原を小波の遊ぶ大海のように見せていた。
 陽光はさんさんと降り注いでいる。
 だが湿度は低く、涼しい風は服の中まで偲び込んで、熱を持った体を優しく愛撫するようにしてなだめてくれる。
「きゃはぁっ!」
 突然駆け出した栗色の髪の女性が“ばたん……”と、駆け出した時と同じくらい唐突に倒れると、驚いたティファはもう少しで隣に座るレッドXIIIの鬣(たてがみ)をぎゅっと掴みそうになってしまった。
 彼女の“奇行”は今に始まったことではないが、それにはやはり時と場合を考えてほしいものだ……と、ティファは思う。
 モンスターをやっとの思いで撃退して、必死にその生息圏から距離を置いたばかりなのだ。
 闘いの間に何かとんでもない怪我でも負ってしまったんじゃないか?
 モンスターの毒が今になって彼女の体を蝕んでしまったんじゃないか?
 ティファやレッドXIIIがそんな風に考えてしまうかもしれない……と、どうして思わないんだろう?
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2011年10月21日

整理

 作品目録のFF7の項目を少し整理しました。
posted by 推力 at 12:29| Comment(0) | TrackBack(0) | ■つれづれ■

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