■感想など■

2011年10月25日

[THEM]『Piece.01』「ナイショだよ?」〜あなただから〜

■■【1】■■


「ナイショだよ?」
 そう言って、彼女はちょっと悪戯っぽく微笑みながら世界の真実を教えてくれた。

 ……気がした。


 名も無い草原だった。
 空はどこまでも高く、青く、雲はその青を切り抜いたかのようにぽっかりと浮かんでいる。踝(くるぶし)までも無い背の低い草は、渡る風にゆるやかにその身を委ねて、草原を小波の遊ぶ大海のように見せていた。
 陽光はさんさんと降り注いでいる。
 だが湿度は低く、涼しい風は服の中まで偲び込んで、熱を持った体を優しく愛撫するようにしてなだめてくれる。
「きゃはぁっ!」
 突然駆け出した栗色の髪の女性が“ばたん……”と、駆け出した時と同じくらい唐突に倒れると、驚いたティファはもう少しで隣に座るレッドXIIIの鬣(たてがみ)をぎゅっと掴みそうになってしまった。
 彼女の“奇行”は今に始まったことではないが、それにはやはり時と場合を考えてほしいものだ……と、ティファは思う。
 モンスターをやっとの思いで撃退して、必死にその生息圏から距離を置いたばかりなのだ。
 闘いの間に何かとんでもない怪我でも負ってしまったんじゃないか?
 モンスターの毒が今になって彼女の体を蝕んでしまったんじゃないか?
 ティファやレッドXIIIがそんな風に考えてしまうかもしれない……と、どうして思わないんだろう?
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