■感想など■

2011年11月28日

【ボクキミ】5

■■【5】■■


 生活形態(普段の姿)は14歳で肉体が固定された、男子高校生の朋坂優也。

 戦闘形態(対ケガレ戦の姿)は24歳程度の超グラマラス女ウィッチのユウ。

 では、本来の年齢である24歳成人男性の朋坂優也はどこにいるのだろうか?

 哉汰は小さく息を吐くと気分を切り替えた。
 今はその疑問は置いておくべきだ。
 そう思ったのだ。
 様々な驚きの事実が次々と明かされて頭がパンクしそうだった。
「しかし……今までよくバレなかったな」
「まあ、予防策としてコレかけてるからね」
 優也はそう言って、顔からしたら結構大きめの黒縁眼鏡を外してみせた。
 眼鏡を外すと、色素の薄いさらさらの髪や色白の肌と相まって、ちょっと男の子っぽい女の子に見える。
 女の子っぽい男の子……ではない。
 男3割、女7割って感じだった。
「……眼鏡?」
「うん。ボク達はこれを『識力偏向眼鏡(プリズム・グラス)』……って、呼んでる」
「……プリズム眼鏡とどこが違うんだ?」
「???……それは知らないけど、この『識力偏向眼鏡(プリズム・グラス)』は、人の認識を逸らせる、魔法具(マジック・アイテム)なんだよ」
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2011年11月21日

【ボクキミ】4

■■【4】■■

 ウィッチは『函(パンドラ)』の形成も『濁怨(ケガレ)』の消散にも、莫大な魔力を必要とする。
 そのためウィッチには、闘いにおいての魔力消費を極力抑え、効率良くケガレの消散を行えるよう特殊な戦闘形態が存在し、あの露出過多な魔女っ子風コスチュームも、実はその一つなのだという。本来であればウィッチは必要最低限の衣服しか身に着けないため、裸である事が最も望ましいらしい(大気と触れる表面積が大きければ大きいほど、大気から、魔力となる魔素を得る事が出来る……という、冗談みたいな“とんでも設定”らしい)のだが、さすがにそれでは闘いにくいため、ああいう形態になったのだとか。もっとも、それがなぜ魔女っ子風コスチュームになったかは……ウィッチの間でも長らくの謎だった。
「ああいう格好……恥ずかしくないのか?」
「もう慣れた……って言ったら嘘になるけど、実際、ウィッチの姿になってる時はあの恰好が普通で当たり前だって本気で思ってるから」
「じゃあ写真に撮って見せられたら?」
「し、死んじゃう」
 もちろん戦闘形態=(イコール)魔女っ子風コスチュームというわけではなく、普段の姿……いわゆる生活形態とは髪や目の色、髪の長さや時にはプロポーションまで変化するウィッチもいるのだという。
 そして通常であれば、ウィッチは戦闘形態を解くことで、すみやかに魔力の補充段階(生活形態)へとシフトするのが常らしい。
 だが、戦闘形態へ至るには更に性変転(トランス)を経るという、通常とはもう一段階プロセスを必要とする特殊なウィッチである優也は、闘いの後、そのままでは通常の生活形態へとスムーズに移行できないのだという。
 それでも今までは、先代ウィッチである母親と行動を共にすることで、生活形態への移行に必要な魔力を彼女から分け与えてもらうことが出来ていたため、それほど不都合は無かったのだ。
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2011年11月14日

【ボクキミ】3

■■【3】■■

 唇が触れ合い、比喩ではなく本当に全身を痺れるような震えが走り抜けた後、外界から瞑った瞼を苦も無く通り抜け網膜を焼くような、今まで体験した事が無いような強烈な光を感じた。だが、その光に熱量は無く、強くはあるが必要以上に視神経を刺すような感覚は全く無かった。
 光を感じたのは数秒間程だったろうか。
 いつしか唇は離れていた。
 ようやく瞼を開けた哉汰が目にしたのは、色気過剰のウィッチのお姉さん……ではなかった。
 目の前で真っ赤にした顔をふにゃふにゃと崩して無理矢理笑っていたのは、哉汰と同じ学校の男子の制服を着た、本物の男の子だった。
「……で? 説明してくれるんだろうな? ユウ」
「ごめんね。カナちゃん」
「カナちゃん言うな」

 それが哉汰と、ウィッチ・ユウとの「はじまり」だった。

§         §         §


 父方の曾祖母が東欧の出身という彼の家は、そもそもが代々、ウィッチを人知れず数多く輩出してきた、由緒正しい魔女の血統なのだという。
 そして過去のウィッチの例に漏れず『守護者(バランス調停者)』としてこの世界を人知れず護ってきたらしい。

 ──ウィッチが護るもの。

 それは“世界の霊的バランス”であり、主に“人々の霊的安寧”であり、その相手とは『濁怨(ケガレ)』と呼ばれる、「澱んだ人の想念」が形を取ったモノ達であった。
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2011年11月07日

【ボクキミ】2

■■【2】■■


 ……なんてことだろう。

 目の前のおっぱいさんは、驚くべきことに“ボクっ子”だった(驚くところはそこか?)。
 いや、20代に「子」はあんまりだから“ボクっ娘”だろうか。
 信じられない。哉汰は17年間生きてきて、そういう存在は漫画かアニメかゲームの世界にしかいないものだと思っていた。
 それを言ったら現在では現実として認知されているウィッチの存在そのものがそうなのだが、この時の彼はそこまで思い至ることなど出来なかったのだった。

 何度でも言ってしまうが、なにしろ“おっぱいさん”である。

 今週号のグラビア青年誌のトップページを飾っていた巨乳系グラビアアイドルが自称98センチのHカップだったけど、それよりも確実に大きく見えた。
 ずっとずっと大きく見えた。
 山盛りだ。
 特盛りだ。
 これでつゆだくだったら歩く猥褻物である。
 なんだかワケが解らないが哉汰も混乱していたのだ。お姉さんの言葉に返事をするどころか、一言も口に出来ずにいた。
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