■感想など■

2011年11月14日

【ボクキミ】3

■■【3】■■

 唇が触れ合い、比喩ではなく本当に全身を痺れるような震えが走り抜けた後、外界から瞑った瞼を苦も無く通り抜け網膜を焼くような、今まで体験した事が無いような強烈な光を感じた。だが、その光に熱量は無く、強くはあるが必要以上に視神経を刺すような感覚は全く無かった。
 光を感じたのは数秒間程だったろうか。
 いつしか唇は離れていた。
 ようやく瞼を開けた哉汰が目にしたのは、色気過剰のウィッチのお姉さん……ではなかった。
 目の前で真っ赤にした顔をふにゃふにゃと崩して無理矢理笑っていたのは、哉汰と同じ学校の男子の制服を着た、本物の男の子だった。
「……で? 説明してくれるんだろうな? ユウ」
「ごめんね。カナちゃん」
「カナちゃん言うな」

 それが哉汰と、ウィッチ・ユウとの「はじまり」だった。

§         §         §


 父方の曾祖母が東欧の出身という彼の家は、そもそもが代々、ウィッチを人知れず数多く輩出してきた、由緒正しい魔女の血統なのだという。
 そして過去のウィッチの例に漏れず『守護者(バランス調停者)』としてこの世界を人知れず護ってきたらしい。

 ──ウィッチが護るもの。

 それは“世界の霊的バランス”であり、主に“人々の霊的安寧”であり、その相手とは『濁怨(ケガレ)』と呼ばれる、「澱んだ人の想念」が形を取ったモノ達であった。
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