■感想など■

2011年12月26日

【ボクキミ】9

■■【9】■■

 この日を境に、哉汰はウィッチのパートナーとして、ユウと頻繁にキス……否、魔力補給をするようになっていった。
 回数が多いということは、ケガレの発生と活動がそれほどまで活発化している……ということなのだろうが、それだけでもないのではないかと、哉汰などは思ったりもする。
 つまりそれは、“ユウが快楽に流されているのではないか?”という推測からだ。
 その証拠に、最初は小鳥同士が啄ばむような、ほんの少し触れるだけのキスだったのが、段々と唇同士が密着する時間が長くなり、最近では舌を互いの口腔内に挿入する、いわゆるフレンチ・キス(ディープ・キス)の様相を呈してきているのだ。
 ユウは本来の姿は男かもしれないが、見た目は色気たっぷりの“むちむち美人”なのだ。
 それに身を寄せるとすごく良い匂いもするし、実際、キス自体もとても気持ちが良く、哉汰にもその時は「男としているのだ」という感覚が全く無くなっていた。
 だから唾液同士が“くちゅくちゅ”と交じり合うフレンチ・キスも全然平気になっていたのだが、そもそも、そこまで深くキスする必要があるのかと疑問に思わなくもない哉汰であった。
 ユウが言うには、唾液に含まれる『ディフェンシン』という抗微生物ペプチド(抗菌性物質)が、哉汰の中の魔力を、よりロスが少ない形で効率良く伝える“伝達触媒”となっている……とかなんとかもっともらしい理由を付けてはいるのだが、それが真実かどうかは定かではないのだから。

 とはいえ哉汰も、そうしてユウと何度もキスを繰り返すうちに、その際に受ける快感には時間と場所によってひどくバラつきがある事を知った。
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2011年12月19日

【ボクキミ】8

■■【8】■■

「えっと……じゃあ、その……そろそろ……」
「お、おう」
 決して広くは無い部屋の中央で立ったままお互い顔を赤くし、まるでお見合いのようにもじもじと相手の様子を伺っていたユウと哉汰だったが、不意に当初の目的を思い出したかのように言い合うと、おずおずと向かい合った。
 そうして、不意にユウが床の絨毯に膝をついて、神様に祈りを捧げる修道女(シスター)さながら、目を瞑って頤を上げる。なるほどこうすれば、キスするのにおっぱいが邪魔になるということもなさそうだった。
 とはいえ、ユウがベッドに座ってキスすれば、さほどその巨大なおっぱいも邪魔にはならないはずだが、それを哉汰が提案する前にユウが行動を起こしてしまったため、結果的に言いそびれてしまった形だ。
 なぜなら身長180センチ近くある背の高いユウが、背の低い152センチの哉汰の前に膝をつくと、キスするのに丁度良い高さになる。たったまま哉汰がちょっと屈めばいいからだ。ところが立ってしても、そしてユウがベッドに腰掛けても、ベッドの床からの高さがそれなりにあるため、どうしてもユウの目線が自分よりも上に来てしまうのである。
 哉汰が「ベッドに腰掛ければ良い」と、あえてユウに言い直さなかったのは、男としては形だけでも『自分から女にキスしたい』と思うささやかなプライドからだった。目線が上だと、どうしても「キスされている」という印象が先に立つのだ。たとえ相手が本当は男だとしても、今は女なのだから、そこは譲れない一線だった。
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2011年12月12日

【ボクキミ】7

■■【7】■■

 かくして哉汰は、一人立ち間もない新米ウィッチ・ユウのパートナーとなった。
 いわゆる日常から非日常へと足を踏み入れたわけだ。
 だが、翌日から劇的に生活が変わったかと言えばそんなことはなく、朝起きて学校に向かい、教室に入って優也と挨拶を交わし、授業を受け、優也と帰宅しながら彼の話せる範囲のウィッチやケガレ、そしてケガレのサーヴァントの話などを聞く……という、今までとあまり代わり映えのしない日が続いた。
 その間、優也が学校を遅刻・早退・欠席するような事も無く、また、ケガレとの闘いに向かうと、彼から連絡を受ける事も無かった。
「パートナーといってもこんなものか」
 そう、哉汰は思い始めていた。
 だが衝撃的な「出会い」から数日が過ぎたある日の夕方。
 とうとう優也から一通のメールが届いたのだった。

『今晩、たぶん1時頃にお邪魔します。部屋の窓を開けておいて下さい。』

 恐らく今日これから、ケガレとの闘いに向かうのだろう。
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2011年12月05日

【ボクキミ】6

■■【6】■■

「なんだよ歯切れ悪いな」
「ええと……」
「言えよ。いいから」
「……その……キスによる魔力補給には、『激烈なる快美感(オルガスムス)』が伴うんだって」
「は?」
「だから、その、キスすると、その、えっちしたときみたいなものすごくきもちいいかんじになるんだって」
「……棒読みすぎんぞオマエ」
「だ、だってボクまだそんなの経験したことないもんっ! カナちゃんもでしょ!?」
「カナちゃん言うな」
 顔を真っ赤にしながら抗議する優也に、だが哉汰は賛同する事が出来なかった。
 なぜなら、さっきの路地裏でのキス。
 あれはちょっと触れただけなのに、なんかすげー気持ちよかったのだから。
「そ、それにパートナーが異性な事が多いのにはもう一つ大きい理由があって……」
「あ〜〜……なんかもう、何聞いても驚かねぇ」
「神経細胞が密集している感覚受容体が、数多く集中している部分……って、顔だけじゃないでしょ?」
 言いにくそうに顔を真っ赤にしたまま、優也はちらちらと上目遣いに哉汰を見た。
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