■感想など■

2012年01月23日

【ボクキミ】13

■■【13】■■



 ──それはまるで、何か特別なショーでも見ているような気分だった。


 黒い獣だった。
 大きい。
 見上げれば視界の中、街の灯に照らされた灰色の夜空を“それ”の半分が覆い尽くしている。
 時折響く、太くて震えるような音は眼前の獣の咆哮だろうか。
 それはまるで船の汽笛のよう。
 不意にうわんっと冷たい空を震わせ、それが圧力となって直接体に当たる。
 包む。
 打ちのめされる。
 下から見上げていてこれだ。
 まともに正面から相対していたならば、どれだけの圧迫感を受けるだろう。
『すげぇ』
 哉汰は感嘆するしかなかった。
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