■感想など■

2012年02月27日

【ボクキミ】18

■■【18】■■

 結局、その後も優也とは連絡が取れず、繋がるのは留守番電話サービスばかりだった。
 そのため、帰宅した哉汰は夕御飯までの時間を使い、今度は自宅の方に電話をしてみることにした。
 実は、今まで直接優也の家に行った事はあっても、こうして自宅に電話した事は滅多に無い。優也に用がある時は、直接彼のケータイにかけていたからだ。
 壁の時計を見れば、6時半を少し過ぎたところ。
『さすがにこの時間なら……』
 緊張気味に優也の自宅番号を呼び出して、コール2回。
 相手はすぐに出た。
【はいは〜い。朋坂でーす! どなたー?】

 やたらと脳天気な声。

 女子高生みたいな口調。

 間違いない。
 優也の母、朋坂真美(ほうさか まみ)だった。
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2012年02月20日

【ボクキミ】17

■■【17】■■

 カナケンの言葉によると、最近この町でも不可思議な現象が多々目撃されているらしい。
 曰く、人がいないはずの場所から人の気配がした。
 何もない空間から石や瓦の破片が飛んできた。
 急に空の一部がフラッシュみたいに光った。
 不意に耳元で誰かの声が聞こえた。
 挙げ句は、何か黒くて恐ろしいモノを裸の女の人らしい影が追っていた……など。
『裸っていうか半裸だけどな……それがユウだとしたら、だけど』
 学校の帰宅途中、哉汰は公園のベンチで、商店街の肉屋で買った揚げ立てのコロッケを齧っていた。
 公園はちょっとした草野球が出来そうなほど広いが、今は子供の姿も無く、犬を連れた老人が遊具の近くを歩いているだけだ。
「はふっ」
 コロッケに歯を立てると、サクサクっとした衣からじゅわっと香ばしい油が染み出し、噛み締めると牛挽き肉の肉汁とホクホクとした馬鈴薯の甘みが口いっぱいに広がる。
 いつもなら自然と笑みがこぼれるその味覚にも、今日の哉汰の気は晴れなかった。
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2012年02月14日

【ボクキミ】16

■■【16】■■

 朝の登校風景というのは、どこの学校でもさほど変わりはない。
 同じ制服を着たティーンの少年少女が同じ方向に向かって、ある者は一人で、ある者は気の合う仲間と、またある者は仲の良い異性とひたすら歩を進めている。
 ただ他の学校と若干違うところがあるとすれば、最近は少子化のため子供の絶対数が少なく、統廃合を行うことになる学校も珍しくないが、哉汰の通う学校は近隣でも比較的生徒数の多い学校だということだろうか。1クラス平均40人でA〜Kまで11クラスあり、1学年に平均440人の全校生徒数は優に1300人を超える。
 大型の都市部ならばともかく、地方の高校でこの規模はいわゆるマンモス校の一つに数えてもいいほどだ。そのため、同学年でありながら顔も名前も知らない生徒もざらだった。
 そんな、大勢の生徒が川を流れる水のように歩道を途切れなく歩いていく月曜日の登校風景の中に、複雑な表情をした哉汰の姿があった。
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2012年02月06日

【ボクキミ】15

■■【15】■■

 二日後の金曜日の夕刻。
 いつものように商店街の路地裏でめくるめく官能の時間を……もとい、大切な魔力補給を済ませた二人は、いつものように、誰に見咎められる事もなく帰路についていた。
 今日でこの「路地裏キス」も既に7回目を数え、二人ともすっかりその行為に慣れた。最初の頃のような緊張感や、誰かに見られるかもしれないという差し迫った危機感は、今となってはほとんど無くなっていると言っていいほどだ。
 そして、路地裏ではユウの「その方が効率良く上質な魔力が補給出来るから」という言葉を信じ、「乳吸い」も常習的に行うようになっていた。
 唾液を混ぜ合い、交換し合う、舌を絡ませるディープキスの後、ユウはビスチェ風コスのカップ部分をずりさげて両乳房を恥ずかしげに“ぼゆん”と剥き出し、哉汰はすぐに左右の乳首へ順番に何度もキスをし、舌を這わせ、甘く噛む。魔石による電磁波遮断域であるのをいいことに、ユウは特に抑える事もなく甘ったるい矯声を上げ、時折、母親が愛しい子に乳をあげながらそうするように、哉汰の髪を優しく何度もまさぐった。
 そして哉汰は、最初の頃はあれだけ抵抗を感じていたはずの背徳的行為に、すっかり没入していた。
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