■感想など■

2012年05月31日

【ボクキミ】43

■■【43】■■

 哉汰は優也の自宅を後にして、夜の道を一人歩いた。
 キンと冷えた空気に体が凍える。
 だが、哉汰の心はもっと冷たく冷えきっていた。
 ネットカフェで見た、あの残酷で悲惨なユウの姿が、哉汰の心を苛(さいな)んでいる。
 だが、

 ──その後も、ページは続いていたのだ。

 わかっている。
 あの日、19日は深夜に家を抜け出して、優也の自宅へと向かった。
 だがそこに人の気配は無く、完全に優也を探す手だてが失われてしまったのだと思い絶望した日なのだ。
 そして、その絶望に黒く塗り潰された心のまま、哉汰が深夜のコンビニであの「便所女」に会い、罵倒し、肉まんをぶつけた日なのだ。
 果たして画像には、コンビニへと入っていく「便所女」の後ろ姿を写した画像があり、その次には洋式トイレの貯水漕に両手をつき、こちらにその豊かな白い尻を突き出して性交をねだる「便所女」の姿があった。
 高感度なカメラなのか、フラッシュも焚いてないのに、画像はクリアだ。
 滑らかでシミ一つ、黒子一つ無い背中。
 豊かで柔らかそうな、脂のたっぷりのった白い尻。
 その尻の間からは、極太のバイヴが何かの冗談のように突き出ている。このコンビニに来るまで、ずっとそれを挿入していたのだろうか。
続きを読む

2012年05月28日

【ボクキミ】42

■■【42】■■

 哉汰はネットカフェを出て、夜の繁華街を一人歩いた。
 年の瀬も迫り、明日は大晦日だった。そのためもあって、繁華街は人の波で溢れ返っていた。
 夫婦、親子連れ、カップル……どの顔も明るく、幸せそうだ。
 今年あったことを思い返し、新年への期待に胸膨らませている顔だった。
 その笑顔を護っていたはずのユウが、今はいない。
 サイレンの音が耳を打ったが、すぐに喧噪に紛れて消えた。
 ここのところ、ネットカフェに向かう道すがら、パトカーを見る機会も多くなった。男の変死体が見つかったというネットの情報もあったが、哉汰には興味無かった。
 頭にあるのはユウのことだけ。

 それだけだ。

 ふとケータイを開くと、家からの着信が12件もあった。
 母だろう。
 この忙しい年末に、毎日朝早くから夜まで出掛けている息子を、口煩い母は不審がっている節があった。いつも長期休みの際には、ギリギリまで課題に取り掛からない息子が「図書館で冬休みの課題をする」というのは、やはり無理があっただろうか。
 それとも毎日暗い顔で帰宅し、なにも食べずに寝てしまう息子をさすがに心配してのことか。
 だが哉汰は、ユウを見つけ出すまで、優也の足取りを掴むまで、今の行動をやめるわけにはいかなかった。
続きを読む

2012年05月24日

【ボクキミ】41

■■【41】■■

 11月14日からのページに貼られた「淫乱魔女」と「便所女」の痴態は、今まで以上の卑猥さで哉汰の胸に迫った。

 親友だった。

 心許した友だった。

 そして可愛いと思えたひとだった。

 いつしか愛しささえ感じていた。

 その「女(ひと)」が、自分以外の男に毎日のように抱かれ、悦びにむせび泣き、嬉々として体を開いて快楽を貪っていた事実。
 自分に隠れて、自分を騙しながら、何人もの男の精液を膣に、子宮に受け止めて、強烈なオルガスムスに溺れながらうっとりとしていた事実。
 それらが哉汰の心を着実に蝕んでいく。

 なぜ他の男に抱かれなければならなかったのか。

 魔法があるのに、それを使わなかったのはなぜか。

 魔法は使わなかったのか、それとも使えなかったのか。

 魔法で対抗出来るものが相手ではなかったのか。

 魔法では対抗出来ないものから、何かを護ろうとしていたのか。

 ユウは、いったい何を護ろうとしていたのか。

 それらが不明瞭なまま、哉汰は11月14日から12月18日までの、一ヶ月近くに及ぶページの数々を、現在のユウの手掛かりを求めてつぶさに見て回った。
続きを読む

2012年05月21日

【ボクキミ】40

■■【40】■■


 「タガが外れた」──とでも言うのだろうか。

 ユウは男の精液を膣内に受けると、超絶的なオルガスムスを得るらしかった。だから、男達が避妊具を付けていなくて全く構わなかったし、むしろ喜んで受け入れていた節があった。
 もちろん、膣内に射精されたからといって妊娠するかどうかはわからなかったし、そもそも子宮が存在したとして排卵があるのかさえ不明なのだから、避妊具の有無は最初から関係無かったのかもしれないが。
 ともかく、ユウは土曜日に膣で中出しされ、「彼女」の中で確実に何かが変わったのだろうことは、明らかだった。

 それは翌日の11月13日、日曜日のページだった。
 哉汰の記憶では、この日は、カナケンに誘われてウィッチの目撃情報の確認のため、街の東部を流れる比較的大きな河の上流にある、森林公園まで脚を延ばしていた日のはずだ。
 ユウは明るい昼の街を、居住空間の広い、ライトバンのようなワンボックスカーで移動していた。ガラスにはスモークがかかり、外からは見えないようになっているようだった。
 その後部座席で、魔女っ娘コスのユウは両側の男達に同時に責められ、うっとりとしてすっかり身を任せていた。
続きを読む

2012年05月17日

【ボクキミ】39

■■【39】■■

 「ボクとエッチして下さい」と、ユウが土下座して懇願したのは、その次の日の夜だった。
 日付は、11月11日の金曜日。
 そのページにも、ユウは見知らぬ男とディープキスをし、あの「ものすごい乳房」を好きに愛撫させ、パイズリフェラで奉仕し、体位を何度も変えながら激しくセックスしていた画像が何枚もアップされていた。
 夕日が射し込む、誰かの、どこかの部屋の中で、魔女っ娘コスのまま。おそらくホームルームを終え、哉汰と別れて、すぐに違いない。
 Lカップの美爆乳を、そして顔を精液でどろどろにし、フェラで口内射精された精液を溜めたまま嬉しそうに見せていた。
 だがユウは、他の男とそうしておきながら、夜に家を訪れ、哉汰にセックスをねだったのだ。
 あの時、ユウはフェラチオもパイズリも、どちらも初めてだと言った。
【ボク、カナちゃんより7年多く生きてるからね。自慢じゃないけどオナニー歴も長いから、どこをどうすればいいかなんて、きっと本当の女の子よりずっと知ってると思うよ】
 よくそんな嘘がすらすらと出てきたものだ。

 慣れているのも当然だった。

 実際には毎日のように何度も何度も男達相手に行った行為だったのだから、手慣れて当然だった。

 そんなユウの言葉を、哉汰はバカみたいに素直に信じていたのだ。
続きを読む

2012年05月16日

言葉を下さい。

 今、ちょっと心が折れそうになってるので、出来ましたらここを訪れている方に言葉を頂きたいです。
 欲しいのは「言葉」で、賞賛や賛美だけが欲しいのではなく、否定的な意見でも何でもいいのです。
 この世界に一人ではなく、自分が発信しているもので誰かの心が動いているという、そんなちょっとした確信が欲しいだけです。
 よろしくお願いします……。
posted by 推力 at 00:29| Comment(13) | TrackBack(0) | ■つれづれ■

2012年05月14日

【ボクキミ】38

■■【38】■■

 だが次の日の12月30日。
 この日も、哉汰はネットカフェに朝から向かい、あのサイトにアクセスしていた。
 結局、昨夜はほとんど眠れず、夢と現(うつつ)の間を彷徨うような感覚に悩まされた。
 行方のわからないユウが、今、どこで、何をしているのか。
 それを考えると気が狂いそうなほど胸が痛かったのだ。

 ユウは11月3日に、どこの誰とも知れない軽薄そうな男と、セックスしていた。
 体を弄ばれ、好き勝手に嬲られて、何度も何度も膣内を蹂躙されていた。
 それは事実だ。
 思えば、ユウの様子が目に見えておかしくなったのは、この日からだった。
 そばで見ていると、心身にひどく疲れが溜まっているのは明らかであり、いつものユウらしくなく、表情も暗くて、注意力も散漫になっていた。やたらとぼんやりして、つまらないミスも多かった。忘れ物も多く、一緒に学校から帰る途中で気付いて、一人で学校に引き返した事も一度や二度ではなかったはずだ。
 一緒に下校する回数も確実に減った。誘っても何だかんだと理由を告げて断られる事も多くなったのだ。
 だが3日以降、毎日のように画像がアップされているのを見れば、納得も出来た。

 ──ユウは哉汰の誘いを断ってまで、毎日違う男と会い、セックスを繰り返していたのだ。

 哉汰はほぼ毎日、優也に魔力供給を頼まれ、夜にはその優也がユウの姿で部屋を訪れる事も多くなったが、それは男とのセックスを終えた後がほとんどだった。
続きを読む

2012年05月10日

【ボクキミ】37

■■【37】■■


 ユウは狂っている。

 いや、狂わされたのか。

 ウィッチ・ユウから「便所女」への変化は劇的だった。
 男と繋がり責め立てられたユウは、途中から明らかに悦び、ヨガり、性交を心から楽しんでるように見えた。
 哉汰の脳裏に蘇るのは、過去に出会った「便所女」の痴態の数々だった。性に狂い、体を開き、陶然と男を受け入れていた。

 これは……いや、これが「魔力酔い」だろうか?

 だが体内にウィッチとの「魔力回路」が形成されていない普通の異性であっても、そういう事は有り得るのだろうか?
 それとも、度重なる哉汰との魔力補給によって哉汰だけでなく、ユウの「女性としての性感」もが開発されてしまった事が原因なのだろうか?
 だが、望まない快楽を無理矢理植え付けられ、狂わされたユウ……優也の気持ちを考えると、哉汰はどうしようもなく悲しく、そして苦しくなった。
 もし自分が優也の立場だったら。
 ウィッチから男に戻った瞬間に、死にたくなるほどの絶望と後悔を味わうのではないか。
続きを読む

2012年05月07日

【ボクキミ】36

■■【36】■■

 11月3日、ユウは以前のように何も変わらない様子で登校してきていた。
 屈託の無い笑顔。
 哉汰を信頼しきった仕草。
 今となっては、全てが偽りだったとしか思えない。
 あの時、優也は何と言っていた?

『変身中に負った傷とか痣(あざ)とか元の姿に戻れば治るから』

『心配いらないよ。ちょっとの事くらいなら』

 そう言っていなかったか?
 変身中にどんなことをしても、元に戻れば何もしなかったと同じ?
 男と性行為するなんてちょっとの事だから心配いらない?
 つまり、自分にはずっと秘密にして、話すつもりは全く無かったということだろうか?
 哉汰は言いようの無い悔しさに声を上げて泣き出しそうになっていた。

 この日の帰り、哉汰は優也に「一緒に帰るか」と誘ったが、彼は、まだ園芸部の仕事があるからと言って断ったのだ。
続きを読む

2012年05月03日

トロイの木馬

plugin-crossdomain.xml

カテゴリ: トロイの木馬
説明: このプログラムは危険であり、攻撃者からのコマンドを実行します。
---------------------------------------------------------------------
 最近、Microsoft Security Essentials で頻繁にコレが引っ掛かるんですが、どなたか御存知じゃないでしょうか?
 正直、ものすごくウザいです。
 ネットで調べてもそれらしいの、出てこないですし……。
 最近、Windowsアップデートで色々入れてからなんですよね……。
posted by 推力 at 09:46| Comment(3) | TrackBack(0) | ■つれづれ■

【ボクキミ】35

■■【35】■■

 変身したら、必ず魔力補給が必要になるのではない。
 変身し、魔力が枯渇した時だけ、自力では元の姿に戻れないから魔力の補給を必要とするのだ。
 度重なる補給行為のせいで、哉汰はその事実をすっかり忘れていた。
 変身して、ただの人間相手に性行為をするだけなら、魔力はほとんど消費しないのだ。
 同様に、姿を変えるだけでも魔力の消費はほとんど無いに違いない。
 「便所女」姿のユウは、次の画像で公園らしい場所の入り口に立っていた。
 手前に車のルーフが写り込んでいる。
 その公園は、哉汰が学校帰りにコロッケを頬張っていた、あの場所に間違いなかった。
 次の写真は助手席に座っている「便所女」姿のユウだった。スモークがかかった窓を背に、膝の上に両手を置いて毅然と前を向いている。
 だが次の写真は、男とキスしているユウが写っていた。男が自分で撮影しているのか、画像はブレている。サングラスをかけたユウの顔は歪み、嫌がっているようにしか見えない。
 けれど次の写真はユウの顔を正面から捉えていて、顔中が赤らんだ「彼女」はどう見てもうっとりとしているようにしか見えなかった。
 口の周りは唾液でべとべとに濡れ、ぽってりとした唇が半開きになって真珠のような白い前歯が覗いていた。
 サングラスで見えないが、哉汰には手に取るようにわかる。
 今のユウは、きっと目は潤んで薄い水の膜が張ったようになり、赤らんだ目尻に涙がいっぱいに溜まって今にもこぼれそうになっているに違いない。
 あの時、車はなかなか発進しなかった。
 その理由がわかった。
 発進するまでの長い時間、ずっとユウは男にキスされていたのだ。
 あの唇を、舌を、男に吸われ、舐められ、啜られていたのだ。
 それを自分は、間抜けな顔で見ていたのだ。
 哉汰は唇を噛み、涙を袖で拭った。

 これ以上見たくない。

 そういう想いと、

 最後まで見なければ。

 そういう想いが胸の中で渦巻き、鬩(せめ)ぎ合う。

 数分間、哉汰は躊躇った。
 だが、唯一残された糸を、自分から断ち切ることは出来なかった。
続きを読む

★足跡代わりにポチッとしてってくださいな★