■感想など■

2012年06月28日

【ボクキミ】51

■■【51】■■

 床に転がり動くことも出来ない哉汰に、高階は手を貸そうともせず、ベンチで悠々と足を組み直した。
 学校では仮面を被り隠し続けてきた顔を、もう隠す気など全く無いようだ。
「味方……?」
 哉汰は砂埃だらけの床から身を起こすと、やっとの思いで立ち上がった。咳き込み、口内に入った砂を唾と共に吐き出す。口内をどこか少し切ったのか、わずかに血が混じっていた。
 高階は哉汰の問いには答えず、つまらなさそうに黒縁眼鏡を外すと、無造作に胸ポケットへ入れた。
 どうやら、ただの伊達だったらしい眼鏡を外した高階は、さっきまでの理知的な雰囲気は消え、どこか骨太で野性的な雰囲気さえ感じさせていた。
「ユウの行方はこちらでも捜索を続けている。残念ながら、手掛かりがまるで無い状況だったが……不完全だが足取りも掴んでいた。……まあ、手を拱(こまね)いていたわけじゃないが、そう思われても不思議じゃないか。状況が状況だったもんでな。悔しいが、それに関しちゃ他のウィッチとの連携も取れずじまいで今日まできちまった」
「他の……ウィッチ?」
 急につらつらと高階の口を突いて出てくる単語に、哉汰は呆然と立ち竦んでいた。
「まだわからないのか。本気で頭悪いなお前は」
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