■感想など■

2012年07月07日

【ボクキミ】ユウ4

■■【4】■■

 10月31日、月曜日。

 「彼」が指定したのは、学校だった。
 優也は指示された時間よりもずっと早い、まだ生徒も教師もほとんど登校していない、早朝に着いてしまい、園芸部の部室で椅子に座って考えた。
 指定された時刻まで40分以上あった。
 それまでに、何か打開策を見つけたいと思った。
 今朝起きると、ケータイには哉汰からメールが届いていた。
 発信は昨日の夜だった。
 現実から逃げるようにしてベッドに潜り込み、体を丸めて眠った後に届いたものだった。
 返事は出せなかった。
 どう出せば、何と打って出せばいいのか、わからなかった。
 自分を気遣うその文面を見ていると、涙がこぼれそうだった。
 それよりも問題は「彼」だった。
 その事をまず最優先にしなければいけなかった。

 どうすればいいのか。

 逃げられる方法は無いのか。

 ケガレ相手になら、対処法などいくらでも思い付いた。
 でも、ただの人間相手にどうすればいいのか、しかも級友であるうえに「抗魔法具(カウンター・マジックアイテム)」を持つ人間だ。
 そんな相手にどう対処すればいいのか。
 傷つけたくはない。
 けれど本気で逃れるためには、多少は手荒な方法を取らないと、今に身動きがとれなくなる。
 ウルフに報告する事も考えた。
 でもそうすると、自動的に高階先生へも報告が行くことになる。
 正直、哉汰をパートナーにすることに最後まで強固に反対していた高階先生には、知られたくなかった。
 知ればきっと、哉汰の記憶を操作し、必要であれば自分に関する記憶を消去し、引っ越したり学校を変わったりさせられるのは明白だった。
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