■感想など■

2012年07月14日

更新について。

 55のコメント欄でも書いたのですが、哉汰Sideのストックが無くなったので、以後しばらくは、ユウSideのみの更新となります。また、ユウの堕落、「彼」の行動、その辺の描写が主になるので、苦手な方はまた辛い展開が続くでしょう。
 【ボクキミ】の更新は週一、土曜日の午前0時です。
 哉汰Sideとは異なり、ユウSideは文章がたっぷりと長いので、ボリューム自体は週2回更新だった哉汰Sideを合わせても上回ってると思います。
 鬱って下さい。
 その先には、たっぷりと濃密な“らぶらぶちゅっちゅ”が待ってます(予定)。

 週一更新は寂しいので、過去の作品をちょこちょことアップしていきます。
 未完になってる「あなたと歩く、この春の小道で」とか「僕はオマエを許さない」とか「ピュグマリオンの娘」とか「恋するココロの方程式」とか「ぼくの人魚姫」……とかは、ちゃんと終わらせたいと思ってます。思ってるんですよ? いやほんと。

【ボクキミ】ユウ5

■■【5】■■

 11月1日、火曜日。

 体調不良を言い訳に学校を休み、優也は時間ギリギリまで自分の部屋のベッドの上で膝を抱えていた。
 目の前には、昨日、コートの中に入れられてた、1万円札と5千円札の入った白い封筒がある。
 誰の仕業かは、聞かなくてもわかっていた。
 「彼」だ。
 これは、ユウを昨日の男に「貸し出した」対価の一部に違いない。
 対価の内の、報酬に当たる取り分だというわけだ。
 つまりユウは、文字通り「売られた」。

 ──「売春」させられたのだ。

 「売春するウィッチ」など聞いたこともない。
 人類の守護者、ケガレと闘い人知れず人々の平和と安寧を日々護る者。
 そのウィッチが、よりにもよって「体を売って金を受け取る」など、笑い話にもならない。
 西洋ではケガレに取り込まれた「時の権力者」から身を護るため、娼婦宿に潜んだウィッチが何人もいたらしいが、日本ではウルフの日本支部設立以来、そんな事例は一件も無いはずだ。
 そもそも、こんなことをするために母親から役目を受け継いだのではないのだ。
 昨日、夜遅くに帰宅した優也を、母の使い魔(自己の魔力を『函(パンドラ)』で事象固定して擬似人格を与えた人工精霊)が出迎えてくれた。
 日常的な会話だけなら可能な、(優也から見れば母そっくりな思考・言動をするが、母に言わせれば)ごく簡単な構造の使い魔だった。その使い魔が、6時半過ぎに哉汰から電話があったことを教えてくれた。
 そして
【護れるかどうかわかりませんけど、僕に出来ることは、全力で頑張ろうと思ってます】
 という彼の言葉を、伝えてくれた。
 6時半と言えば、自分があの男に車の中でキスされ、体をおもちゃにされていた頃だ。
 哉汰が自分を心配して電話してくれたのに、自分は男のキスと愛撫に身を任せ、爛れた快楽に身も心も犯されていたのだ。

 そして、金を「受け取った」。

 体を売って金をもらったのだ。

 封筒はクシャクシャになって皺が寄っていた。
 一度、カッとなって丸めてゴミ箱に投げ入れたのを、今朝になって拾い上げて広げたのだ。
 捨てても仕方ない。
 もう「受け取った」事になっているのだから。
 むしろ「彼」の顔に叩き付けて突き返してやった方がいい。
 そう思ったのだ。
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