■感想など■

2012年08月05日

[THEM]『Piece.04』「あなたをさがしてる」〜見つけたい真実〜

■■【2】■■

 “彼”は、彼女が初めて好きになった男性(ひと)だった。
 はっきりとした出会いがいつだったか、それはもう定かではない。
 16歳で、普通と比べても遥かに遅い初潮を迎え、それからほどなく、身辺を今までよりもずっと大胆に黒服の男達が徘徊し始めた頃だったとは、思う。

 神羅の、生化学研究室別室ジェノバプロジェクト推進チーム第三セクタ担当者の意向によって、彼女はその生育の一切を監視されて育った。
 命を賭して彼女を逃がした母の甲斐無く、その行動の全ては神羅によって把握されていたのだ。
 彼女が十分に成長し、成熟した卵子の摘出とこれから数限りなく行われるだろう実験に耐えうる体力を得るまでが、彼女に残された“自由な”時間だった。

 身の回りに男性は多かったが、親しくなった事はあってもそれが恋になる事は無かった。
 彼等は決まって、日を置かずに彼女を避けるようになるからだ。
 彼女に欠点があるわけではない。
 むしろ美点ばかりが目についた。
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