■感想など■

2012年08月11日

【ボクキミ】ユウ9

■■【9】■■

 どんなに嫌なことでも、どんなに屈辱的なことでも、それが日常化してしまえば、後はそれを如何に受け入れ、義務的に、機械的にこなしていくかだけに腐心するようになる。考えてしまえば行き詰まり、悩んでしまえば息も止まるほど苦しくなるからだ。
 だから考えないようにする。
 決して悩まないようにする。
 自分の心が、完全に壊れてしまわないように。

 「彼」の命令で、見知らぬ男達にユウとして抱かれるようになり、優也が朝、寝ているのか起きているのかわからない浅い眠りから目覚めて、まずするようになったのはケータイに届くメールのチェックだった。新着フォルダに「彼」からのメールがあれば、“それを実行するための計画”を素早く脳裏に浮かべ、可能となるように根回しをする。無ければ準備を整えて、以前と同じく学校に登校する。
 都市部の繁華街の街角に立つ娼婦のように、避妊具やアフターピルなどの常備薬、化粧道具や脱脂綿や消臭スプレーなどが入っていると言われるハンドバッグの類(たぐい)を持つ必要は無かった。
 変身を解けば、全てがリセットされるのだ。
 全てが“何も無かったこと”に出来るのだ。
 リセット出来ないのは記憶だけだった。
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