■感想など■

2012年08月12日

[THEM]『Piece.05』「ふたりあそび」〜彼女にはナイショ〜

■■【1】■■


 夕闇が街を包み始めていた。

 先行した彼等は、もう村に着いただろうか?
 斥候を兼ねて、クラウドとバレット、それにエアリスの3人が半日ほど離れた隣村まで向かったのは、今日の昼頃の事だ。
 30分ほど前にPHSで連絡が入った時は、山陰で薄暗くなり、あと1時間以内に到着しない場合はキャンプすると言っていた。
 この地方には地図にも載っていない村が点在し、しかもその距離は住人の感覚で『半日』とか『昼飯まで』とか、そんな曖昧な表現でしか計る事が出来ない。
 今更ながら、ガイドでも雇えば良かったと思う。
「私も……」
 ついそう口にしてしまってから、濡れたように艶やかな黒髪の女性は慌てて口をつぐみ、周りをきょろきょろと見まわした。
『私もついていけば良かった』
 そう言いかけてしまったのだ。
 だが、心配そうな様子を生意気で皮肉屋の忍者娘にさんざんからかわれた後では、その言葉を素直に口にするのは、ひどく躊躇(ためら)われたのだった。
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