■感想など■

2012年09月23日

[THEM]『Piece.09』「オリジナルザックラBL風味」

 黒髪の、比較的体のがっちりとした青年が、今にも死にそうな顔でふらふらと歩いて来た時、彼は、少し遅い昼食を慌てて掻き込むのに夢中であった。
 午後の訓練にはまだ間があるのだが、以前訓練中にみっともなく吐き戻した経験を持つ、この金髪の少年は、少しでも早く消化しようと、それだけを考えていたのである。
 だから、宿舎のリビングルームのテーブルに、じっと視線を注ぐ彼に気付いたのは、テーブルの上に広げたピッツァが、あと2ピースを残すのみとなった頃であった。
「…………なに?」
 おあずけを食らった犬よろしく、少年の座る背もたれに両手を置いて、ぐび……と唾を飲み込む青年に、少年は、氷よりも冷たい視線を向ける。
「食わせろ」
「やだ」

 ……即答だった。

 一呼吸も置かない少年の言葉に、青年の心がふかぁく傷つく。
「食わせろってば」
 それでも彼は、にっこりと笑って、彼の肩に「親しみを込めて」手を回した。
「やだよ」
 あくまで冷静に、何でもないかのように拒否の言葉を口にする少年に、青年のこめかみがぴくぴくと震えた。
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