■感想など■

2009年06月04日

第6章「自覚と淫夢とふくらんだ胸」

■■【2】■■

 翌日も夢を見た。

 こうまで続くと慣れたものだ。
 「なんだまたか」と思った。
 またえっちな夢だったことは責められないけれど、目を覚ますという選択肢が無いのは心底怨んでいいと思った。
 誰を怨むかは決まっている。
 自分にこんなクソッタレな運命を架した神様というヤツだ。
 または、愛情がたっぷり詰まったでっかいおっぱいを揺らしながら、生焼けのホットケーキや塩の入ったミルクセーキを自慢げに披露してくれる常識ズレした異星人でもいい。可愛そうだからその場合は30パーセント減で許してやらないでもない。
 その日の夢がどんなえっちな夢だったのか、惜しいような気もしないでもないけれど覚えていない事が幸せに繋がるという事を身をもって知っている歳でもあったから、圭介は思い出すのを目覚めて10秒でやめた。

 胸はさらに膨らんでいた。
 土曜日は学校が休校日で、心の底からホッとした。


 その次の日は、当然のように日曜日だった。
 もう何でも来いって感じだ。
 そう思ったからというわけでもないだろうけれど、今度の夢は天然色フルカラーでハイビジョンで、おまけに体感システムバッチリだった。
 その上、今度の夢には録画機能もあったらしく、目覚めても記憶は細部までハッキリクッキリ克明に記録されていた。
 ベッドの上で、思わず反復してしまう。

 夢の中で圭介の胸は、お尻が前についたみたいに思えるほど大きかった。
 女になってからの圭介の小さい手では、掴んでもぜんぜん掴みきれないくらい、大きい。指の間から肉が盛り上がって“ぷりゅぷりゅ”と弾力で指をはじくのが面白くて自分で揉んでいたら、いつの間にか手が、誰か知らないけれどどこかで見た事のあるような大きな手に変わっていた。
 男の手は指をいっぱいに開いて圭介の胸を包むけれど、男の大きな手でもってしても圭介の重たく実った胸を包むのは無理だった。男の指の間から盛り上がる乳肉のやわらかさは、男をよほど惹き付けたようで、男は何度も何度も何度も執拗に圭介の胸を揉みたて、捏ね、ぷるぷると震わせた。
 男の手はごつごつしてて、力強くて、あったかくて頼もしくて、そして優しかった。
 圭介は安心して男に体を任せきり、男の手が生み出す快楽の波に全身を震わせながら声を洩らした。後から厚い胸板にだっこされている幸福感で胸が詰まり、目に涙がいっぱいに溜まって、瞼を開けばぽろぽろとこぼれる。男の手はあくまで優しく優しく、まるでこわれものを扱うみたいに圭介の大きくて重たくてやわらかい乳房を扱った。
 熱い吐息を感じて滲む目で見下ろせば、じんじんと痺れてこれ以上ないくらいに硬く勃起した乳首を、男がたった今からしゃぶろうとしているところだった。さっきまでだっこされていたはずが、いつのまにか真っ白なシーツに素裸で横たえられているのは、やはり夢だからこその不条理だろう。男は口を大きく開け、舌を伸ばし、その舌から唾液がじんじんと喜びに打ち震える乳首へと滴った。

 はやく。

 はやくして。
 切に願いたいのに声が出ない。
 声無き声で懇願するものの、男の口は見えるのにそこから上が見えない。ぼんやりと形を成さず、色も無く、まるで口元だけにピントを合わせたカメラの映像を見ているかのよう。
 男の口が乳首に近づき、今触れる、もうすぐ吸う、舌で、歯で、唇で、おもうさましゃぶってくれる。
 そう思った途端、

 目が覚めた。


 目覚めてすぐは、自分が現実に帰ってきているのにも気付かなかった。思わず視線を下げて、そこに誰もいない事に落胆した。自分の部屋に自分一人しかいない事が、たまらなく空虚に思えた。
 身を起こしかけて、胸の上にずしりと感じる重みを認識した時、圭介は両手でその存在を確かめてみた。

 胸は、さらに重たくなっていた。

 ベッドの上に座ったまま、パジャマの前をはだけてみた。
 ベッドから下りて、姿見に正面から映しても、みた。
 童顔そのものといった幼い顔の30センチくらい下に、巨乳グラビアアイドルみたいな真っ白ででっかい乳房が、赤い乳首を尖らせながら重たくぶらさがっていた。
「うわ〜〜……あったまわるそ〜〜〜…………」
 …………思わず自分でそう呟いてみて、情けなくなってくる圭介だった。

 その日、圭介はバランスを崩して3回も転んだ。
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