■感想など■

2009年09月08日

第21章「あなたにここにいてほしい」

■■【1】■■
 テーブルの上に、小さな水溜りが出来ていた。
 少しねっとりとして、少し濁った、粘液の水溜りだった。

 上半身をテーブルに乗せ、仰向けに横になって天井を見つめている桂は、涙のいっぱいに溜まった瞳を“ぎゅっ”と閉じ、声の漏れそうな唇を引き結んだ。
 気を抜くとたちまち甘い甘い甘い声が、とろとろにとろけたアソコから滴る蜜汁のように、だらしなく流れ出してしまいそうになる。
「んっんっんっんっ……」
 リズミカルに、しゃくりあげるように繰り返される短い呼吸は、口元を抑えた左手の中から聞こえてくる。
 “びくっびくっびくっ”と体が震えるたびに、テーブルが密やかな軋みを上げているのがわかった。
 押し広げられ、膝を曲げたまま大きくVを描いた両脚が、健司の動きに合わせるようにゆらゆらと揺れる。
 視線を下げてしまえば、そこには彼の丸刈りの頭が見えてしまうため、桂はただひたすらに天井を見つめるしかない。
 彼が自分の股間を貪っている光景は、到底慣れるものではないと、桂は思う。
 口や鼻や、顔の全てを股間に擦り付けられている気がした。
 野卑に彼の舌が大陰唇を掻き分け、小陰唇をくすぐり、尿道口や膣口などの『秘口』を突付く。
 包皮に包まれた淫核を包皮の上から嘗められ、唇で甘噛みされ、“くちゅくちゅ”と音がするくらい唾液をまぶして捏ねられれば、桂はもう涙をこぼして泣きじゃくるしかなかった。
「声……出してよ」
 健司の請う声が耳に届く。
 桂は“いやいや”と首を振り、いっそう硬く唇を引き結ぶ。
「まだ、恥かしい?」
 当然だ。
 恥かしくないなど、どうして思えるのか?
 健司の率直さを「無神経」と断ずることは辛いけれど、その哀しい現実は「男」という生物が持つ愚鈍さにあると自覚している桂だからこそ、彼を責める事など出来ない。
「んんっ!! ん〜〜〜っ〜…………っ……」
 “にゅるん”と、滑らかでしなやかで柔らかいものが膣口をくぐり、複雑な襞を成す内壁を“ざらり”と撫でた。
 舌を差し込まれて、弱い“お腹側”を何度も嘗め上げられた……と気付く頃には、彼女の意識は白濁に染まり始めていた。
「んっ……んっ……んふっ……んっ……」
 “ぴちゃぴちゃ”と、子猫がミルクを嘗めるような水音が脚の間から聞こえる。
 アソコから漏れ出た粘液を嘗められ、彼の味蕾(みらい)でその味を確かめられている。
 その恥かしさに桂の全身が赤く染まり、たちまち彼女の濃厚な“オンナの香り”が立ち昇った。
「……ぃっ……ひぅ……」
 水溜りはお尻の下にある。
 洪水だった。
 水浸しだ。
 たっぷりと濡れ、溢れ出し、滴った蜜液が、テーブルに垂れて溜まっているのだ。
 嘗めても嘗めても一向に止まらず滲み続ける蜜液を、彼は一心に舌で嘗め取ろうと躍起になっているようだった。
 それが、責め苦となる。
 腰が自然と動き、くねり、ひくつく。
 しゃくりあげるように白くなめらかな腹が波立ち、大きく盛り上がって強烈な自己アピールをしているおっぱいが“ゆさゆさ”と重そうに揺れた。
「声が聞きたいな……」
 請う声が、切なそうに響く。
 それは彼の“甘え”の“音”だった。
 テーブルはキッチンのものだ。
 台所には、当然ながら二人以外誰もいなくて、窓からは夏の夕方の日差しが差し込んできていた。
 空調のおかげで室温は高くは無いものの、燃えるような夕日に炙られた右頬が火照っている。

 もし窓から誰かが覗いたら……。

 そんな想いがちらりと心に黒い染みを落とすけれど、下半身をとろかす甘い疼きが波となって全身を巡ると、まるで毒蛇の毒にやられた子ウサギのように、ただ震えながら身を弛緩させるしか出来ない桂だった。
「……あっ……やっ……やだっ……」
 “ぷちゅ”と口を陰部に被せるようにしてつけたまま、健司の大きくて無骨で、それでいて優しい両手が桂の豊満な乳房に取り付いた。その手が、緩慢過ぎるほどゆっくりと、優しく優しく、まるでガラス細工を扱うような手付きで丁寧に揉み立てる。
「……ぁ……あっ……ぁぁ……」
 もっと強くしても良いのに……と思うものの、桂はそれを口にする事が出来ない。
 自分からねだるなんて、そんな恥ずかしいことが出来る筈がないのだ。
 そう思いながらも、きっと健司は、桂が自分から望むのを待っているのだと気付いていた。
 だから、単調な同じ動作ばかりを繰り返すのだ。

 なんていぢわるでずるい男なんだろう!!

「ちょ……ちょっと……待てっ……てっ……のに……」
「……けーちゃん……『ちょっと待って』……って可愛く言ってくれたらやめてあげる」
 股間に口をつけたまま話す事で、小陰唇と淫核が彼の声に震える。
 その刺激に腰がうねり、桂は「ふあんっ!」と声を上げて仰け反った。
「…………うっ……ひ……卑怯……」
「言ってよ。『お願い。ちょっと待って』って」
「ずるい……ずるい……」
 “びくりびくり”と腰を震わせながら、桂は胸を揉み立てる健司の両手に自分の手を重ねた。
「そう? どうする?」
「…………ちょ…………ちょっと待って……」
「ん?」
「……お……おねがぁ……い……ちょ……ちょっと……ま……ってぇ…………」
「う……」
 鼻にかかった声で懸命に訴えると、不意に健司は顔を顰め、身を起こして桂を“ころん”とテーブルの上でうつ伏せにした。
「な……なに……? え?」
 世界が回転し、重たい乳房が胸とテーブルに挟まれて“むにゅう”とつぶれ、桂は身じろぎした。
 汗と蜜液で滑り、ぬめり、べたべたするテーブルの上で、少女は釣り上げられたウナギのように身をくねらせて、涙に滲む瞳で背後の影を仰ぎ見る。
 愛しいはずの彼が、巨大な質量を感じさせるモノとして自分に覆い被さっていた。
「……我慢できなくなった」
「そんっ……あっ……」
 “くちゅり”と、彼の指が後から豊かな尻肉を掻き分け、熱い肉の狭間に挿し入れられる。後蕾を指の腹で撫でられ、そのまま場所を確かめるように“くにくに”と大陰唇をも分けて、指は膣口を探り当ててそこを突付いた。
「ひんっ……」
「けーちゃんが悪いんだよ」
 彼は苦しげにそう言うと、身を起こし“にゅるっ……にゅるっ……にゅるっ……”と、ゴムのような質感の男根の先端を桂のアソコに擦り付けた。途端、痺れるような快美感が腰から背中を通り、“ぞくぞくぞく”と瞬く間に首筋まで到達する。
 とろとろに濡れた桂のソコは、彼のモノを迎い入れたくてうずうずしているかのように“ひくひく”と蠢き、桂の意志に反して腰は恋焦がれるように“くねくね”とうねった。
 それでも桂は、彼を悔しそうに仰ぎ見ながら、責めるような眼差しを向ける。
「けんっ……ぃぅ……ま……待ってくれるって……」
「ごめん」
「うそつきっ!! ばかっ!! ……あぁっ!!」
 桂が、腕を突っ張り身を起こして、いぢわるな恋人を責め立てようとした途端、ぬるんっ……と体の奥深くまで、一気に健司の激情が滑り込むようにして入ってきた。
「ふぁぁあああっ……」
 “ぞくぞくぞくっ”と体が震え、次いで、“ぴくっぴくっぴくっ”と痙攣するように部分的な筋肉の緊張が走る。
 みっちりと膣内に満ちた彼の男根の根元を、桂のしなやかな膣口が広がりながらも断続的に締め付けた。
「ぅっ……うっ……ぅあう……ぁあ〜〜〜……」
 “ひくんひくん”と体がはじけ、セミロングの髪が揺れる。
 耳たぶから首筋から胸元までを綺麗なピンクに染めて、桂は酔ったような瞳を宙にさ迷わせた。
 彼が入ってきただけで、軽くイッてしまったのだ。
 こんな事は初めてだった。
 初めてのはずだ。
 なぜなら、彼とはこれで2回目のえっちなのだから。
「あっ……ま……だ……」
 『動かないで』と、言えなかった。
 “ずっ……ずっ……ずっ……”と、緩慢な動きで彼が腰を前後させ、男根を包んで離さないようにしていた粘膜が引っ張られ、擦れて、それが新たな“波”を生み出す。
「ふあっ! ……ふあぁあぁっ!」
 テーブルの天板を掻き毟り、そして天板の端を掴んで、桂は激しい快美感に狂った。
 もう、何も考えられない。
 もう、何がどうなっても構わない。
 意識が白濁し、お尻の中を往復する彼の熱い激情だけを感じたいと願う。
 彼のモノはもちろん剥き出しだ。
 コンドームなどという無粋なもので粘膜と粘膜の接触を妨げられはしない。
『……ねんまく……ねんまくぅ……』
 ぬるぬると粘液にまみれた彼の肉色の灼熱棒が、自分を体の内側から焼き尽くすようなイメージが、恐怖ではない感情と共に脳裏に浮かぶ。
 感情は「切望」だった。
 恋焦がれ、体の奥に迎い入れてそこで命の蜜を注ぎ入れて欲しいと言う、切なる願い。
 望み。
 彼を待っている。
 彼を待っていた。
 彼の愛児が欲しいのだ。
 彼の命を紡ぎたいのだ。
 彼の魂を孕みたいのだ。

 それはワタシが、


    『女』だから。


「……ひぃあうあああぁぁああぁんっ!!」

……ぱっちゅ! ……ぷっ……ぷちゅっ! ……

 桂の白くて豊かで、それでいて引き締まって滑らかな尻肉が、健司の腿と当たって小刻みに波立ち、肉と肉の立てる生々しい音を響かせる。その合間に、粘液質の“くちゃくちゃ”とした水音が混じるのだから、その淫猥さは桂の羞恥をますます激しくさせた。

ぱちゅっ……ちゅっ……ぱんっ……ぱんっ……ちゅっ……ちゅちっ……

 尻から責め立てられるたびに、俯いているため椰子の実のように体から重たく垂れ下がった豊満な乳房が“ゆさゆさ”と揺れ、開いたまま声をひしりあげる口から“とろとろ”と涎が糸を引いてテーブルに滴った。
 今の桂には、その乳房の揺れさえもが快感となって感覚を責め苛むのだ。
「ああっ! ……ああっ!!」
 耐え切れずに泣きながら“いやいや”と首を振れば、それを頃合いとでも感じたのか、やがて、“ぬっ……”と亀頭の先端近くまで引き出された健司のモノが、それの倍する速さで“ずっ!”と奥深くまで再度挿入されるようになる。
 その先端は子袋の密やかな蜜口にまで達していた。
「おくっ……あっ! ……おくっ! とどっ……いてっ………………ひぃんっ!」
 “ぬっ…………ずっ! ……ぬっ…………ずっ! ……”と、緩急の効いた抽送が続けられると、桂の頭が白濁度を増して、意識の全てが塗り潰されてゆくように感じる。それは、ただ単純に激しく突かれ責め立てられるよりも、もっともっと少女を「おかしく」させた。
「くっぅ……ひっ……ぃ……」
 かすかな痛みと、それにまさる快美感が体の奥深くからじわりじわりと全身を侵す。
 体を支えていられずに、桂は上半身を“べたり”とテーブルに突っ伏すと、天板の端を両手の指の関節が白くなるほど“ぎゅっ”とキツく掴んで離さなかった。テーブルのひんやりとした部分と、背中が触れていたために人肌となった部分が、その温度差を斑に体の前面に伝えてくる。豊かな乳房が体の下でテーブルに挟まれ、後から健司に責められるたびに“むにゅ……むにゅ……”とつぶれた。
「ふあっ……あっ……やっ……そぅ……」
 お尻の中を、健司の熱い熱棒が前後している。
 出たり入ったりを繰り返している。
 今、自分は快楽に震える一本の『肉の筒』なのだと、思った。
 彼の太い男根を体内に収め、その動きを妨げる事無く、ただ抽送によって与えられる摩擦の快楽を甘受している。
「あっあっあっあっあっあっあっあっあっ」
 彼の動きが激しくなり、再び肉と肉とがぶつかる湿った音が耳を嘗めた。
 自分のあそこは、もうすでにみっともないくらい濡れそぼり、とろとろぬるぬるとした白濁の蜜液を太股まで滴らせているのだろう……と、桂はぼんやりと思ったりする。
 彼への悦びの印として、彼は気付いてくれるのだろうか?
 テーブルに頬を付け、責め立てられ前後する体の影響のまま、その頬で涎を塗り広げている。
 汗と、涙と、涎で、きっと自分の顔はひどく汚く、淫らで、そして無様なのだろうとも思う。
 けれどそれは、全て健司が悪いのだ。
 健司がこんなにも気持ち良くさせてしまうから、だからいけないのだ。
「んっんっんっあっんっんっあっあっんっあっんっ」
 尻肉の狭間で動く彼の「肉」が愛しい。
 “きゅ……きゅ……きゅ……”と、お尻の穴を締める要領で、膣口を出入りする男根を締め付ける。
 膣口と肛門は、同じ筋肉が8の字に繋がっているのだ。
「っ……ひっ……ぃ……」
 けれど、締め付けることで、彼の動きを前よりもっと確かに感じてしまうのもまた、事実であった。
 桂が尻肉の中の抽送をそうして“楽しんで”いると、不意に彼が背中に覆い被さり桂の体とテーブルの間に手を差し入れて、乳肉をその大きな手に収めた。
「あっああっ!! やああっ!!」
 そうしていながら、桂の可愛らしい桜貝のような耳を、口だけでセミロングの黒髪から探り出して甘く噛んだ。
 “びりっ”とした電気のような“痺れ”が背中を走り、肛門と膣口が“きゅううううっ”とひときわ強く締め付ける。
「うぅ……」
 健司はかすかにうめき、それでもその快感がよほど良かったのか、桂の耳を“はむはむ”と何度も甘噛み、時には野卑に“べろべろ”と嘗めたくった。もちろん、耳朶だけではなく、耳たぶも、そして耳の穴までも……だ。
 たまらないのは桂だった。

 ひとたまりもなかった。

 “びくびくびくっ”と全身が震え、高圧な電流を流されたかのように硬直して突っ張る。
 「かはっ」と口を開けたまま、呼吸さえも忘れたように“ひくひく”と唇を震わせた。
 そして涎が顎を伝って垂れ、テーブルを濡らす。
 健司はまだ、桂を後から責め続けていたし、乳も耳も首筋をも離してくれそうになかった。
「しっ……ぁ……ゃ……しんじゃ…………ぅ……」
 立て続けにフラッシュが瞬き、脳が全て焼かれてしまったかのような錯覚。
 ただでさえイキやすくなっていたところに、耳と乳とアソコを同時に責められて、それでも自分を保っていられるほど、桂は平静ではいられなかったのだ。
 もう、気持ち良さを“楽しむ”どころではない。
 このままでは本当に狂ってしまう。
 そう思った途端、健司が“ぬるっ”と男根を抜き出して、桂を“ころん”と仰向けにした。
「……ぁ……?」
 “ゆさっ”と揺れ、細かい汗に濡れ光る乳肉の谷間に、健司がキスをした。
「……ぁ……ん……」
 そのまま、両手でやわやわと乳房を掴み、揉み立て、捏ねる。
 彼のキスは胸の谷間だけではなく、乳房の膨らみにも、そして硬くそそり立った乳首にも注がれた。
「……あっ…………ああっ…………」
 “ちゅううう”と左の乳首を吸われ、次には“ちゅばっ! ちゅばっ! ちゅばっ!”と、音を立てて右の乳首が吸われた。
「可愛い……けーちゃん」
 健司に乳を吸われながら、うっとりと宙を見やっていた桂は、彼の言葉に両腕を交差して顔を隠した。
「どうして隠すの?」
 彼の言葉に、ただ、いやいやと首を振る。
 涙と汗と涎に汚れた、無様な顔を彼に見続けられることに、耐えられなかったのだ。
「顔、見せてよ」
 だのに彼は、そんな事を言う。
「けーちゃんの顔、見たいよ」
「……だめ……」
「好きだよ。けーちゃん」
「……だ……」
「好きだよ。見せてよ。俺に感じてくれてるけーちゃんが、見たいんだ」
 そんな事を言われて、それでも拒否出来るほど、桂は強くは無かった。
 乳を吸われ、嘗められ、捏ねられながら、そろそろと腕を下ろして真っ赤な顔のままソッポを向いた。
「けーちゃん。俺のこと……好き?」
「……きらい……」
「どうして?」
「いぢわる……する……」
「いぢわる?」
「ん……」
「気持ち良くない?」
「……そ…………んっ……」
 彼の右手の指が、不意にアソコを“にゅるんっ”と嬲った。
 両脚の間に彼が体を置いているために、脚を閉じる事が出来なかった。
「これ、いぢわる?」
「んあっ……あっ……ぁあっ……」
 “ちぷちぷちぷ”と、さっきまで彼の逞しい男根が挿入されていた肉筒を、太い右手の中指が第ニ関節まで易々と侵入して、少女の弱点である“お腹側”のコリコリとした部分を少し強めに撫でた。
「うあうぅ〜ぁ〜〜〜あぁ〜〜〜あああ〜……」
 彼の肩に両手を起き、啼きながら突っ張る。
 強過ぎる刺激が、桂の体を責め立てていた。
「だめっ……やっ……だっ……だめえぇっ……だめぇっ……」
 泣きじゃくり、いやいやと首を振るけれど、健司は中指で“ざらり”とした部分を撫で擦り、そのまま親指で押し潰すように包皮の奥に潜り込んだ淫核を捏ねた。
 あまりに与えられ過ぎ、そして強過ぎた刺激に、彼女の淫核は体内に逃げ出していたのだ。
「ひいっ……」
「けーちゃん。好きだよ」
「やっ……やだぁ……やだぁっ……」
「好きだよ」
 口付けが与えられ、桂はそれにむしゃぶりつくようにして唇を重ね、流れ来る彼の唾液を“こくこく”と嚥下した。
「す……すきぃ……すきぃ…………」
 “ぎゅうう”と彼の太い首を抱き締め、再び彼の手で大きく両脚を開かれて、彼の男根にこれからまた貫かれるのだと思ったその時、

 目が覚めた。

         §         §         §

 タオルケットを抱き締め、まさしく正常位の格好であられもなく両脚を広げて、桂はぼんやりとした目で天井を見つめた。
 蒸し暑い部屋の空気が、ねっとりと肌に纏わりついている。
 窓の外からは、“じーわじーわ”とアブラゼミの啼く声が聞こえてきていた。
 全身を汗が覆っている。首筋や脇など、汗が玉になって滴っているのがわかり、乳房の間や、下乳の部分にも、たっぷりと汗が溜まっている感じがしていた。
『…………ぅわー…………すげーえっちな夢…………』
 ようやくさっきまでの、総天然色で超リアルな五感の「現実」が「夢」だったのだと知覚し、桂はそのあまりの喪失感に深く深く溜息をついた。
「…………欲求不満…………かなぁ……」
 健司とはまだ一度しかしていないのに、もうバックからガンガン犯される夢だなんて……。
 まだ、お尻に彼の太股が当たる感触が残っているような気がする。
「……ん……」
 “とろり”と、広げた両脚のVを描く谷底で名残惜しげな蜜液の滴りを感じる。
 夏用の薄いパジャマのズボンに左手を差し入れてみれば、そこは今までに無いくらい“とろとろ”の“くちょくちょ”になっていた。
 健司とえっちして、既に3週間が過ぎている。
 もし亮との行為が元で男に戻るとしたら、もう戻る兆候があってもいいはずだ。
「このまま女でいられたら…………いいな…………」
 女として彼を迎い入れ、優しく優しく愛されるあの幸福感、満足感、充足感を知ってしまった後では、もう男に戻っても生きていけないような気さえする。
「んぅ……」
 “もじ……”と太股を擦り合わせると、新たな“波”があそこから生まれる。
 汗だくでこのまま自慰するのもなんだか不潔っぽく感じて、桂はベッドから起き上がり、思い切り良くさっさと素っ裸になった。
「……なんか…………大きくなったみたい……」
 部屋のドアを開けようとして、ふと思い直したように自分の体を見下ろした。
 洗濯機に放り込むためにまとめて丸めたパジャマとパンツを左手に持ち、少女はたっぷりとした重たい右乳房を右手で寄せ上げる。そこには、以前と比べてなんとなく大きく、色も濃くなったような気がする乳首が“ぷるっ”と震えていた。
 前は10円玉くらいの大きさだった乳輪も、肌との境目が滲むように曖昧になって、4センチから5センチくらいにまで広がったみたいだ。
 それが、ひどくえっちに見える。
 オトナのオンナの乳首……って感じだ。
『ひとりえっちし過ぎた……?』
 あんまり乳首を弄ったから、だからこんなにえっちな乳首になったのだろうか……。
 それとも……
『健司が強く吸ったせいかも…………』
 そう考えて、桂は大きく濃くなった乳首を右手の中指で“くりくり”と弄り、
「責任……取ってもらうからな」
 と、なんだかひどく幸せそうな笑みを浮かべつつ、ひとりごちてみるのだった。
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