■感想など■

2009年10月21日

[異種姦-触手] 「再会」〜にくらしいあなたへ〜(胎動編)

■■【1】■■
 浴室いっぱいに、爽やかな朝日が射し込んでいた。

 その濃密な光の奔流の中で、素裸のまま樹脂製の椅子に座り、ゆったりとぬるめのシャワーを浴びながら、『フォルモファラス家』の正式な“仮母”であるティファニア=リィド=ローニィは、今朝目覚めてから何度目かの、甘くて熱い吐息を吐(つ)いた。
 浴室の広さは、優に10メートル四方はある。
 3方の壁全面に広がる半透明の防刃・防弾・坊衝撃、そして防爆性の樹脂性採光窓は、更に、燦々と降り注ぐ陽光から人体に有害な紫外線などを95%近くもカットし、他にも“母体”及びその胎内の『セグネット』幼体にとって有害となりうる、ほとんどの電波、磁力波、音波などの侵入を許さないようになっている。
 しかも室温は、常に摂氏22度から25度の間に設定され、それも常時、彼女の体表面温度を赤外線サーモグラフィ(Infrared Thermography)によって正確に感知する事で、彼女が快適に過ごせるようバックアップされていた。
 それは、『フォルモファラス家』の正式な跡継ぎとなる「御子」を宿す彼女への、当然の処置である。
 これらは全て、風変わりで心配性の、現当主の采配であった。
 聞こえるのは小鳥の囀りと、『城』である大樹の葉のざわめきと、そして浴室に流れる薬湯のせせらぎだけだ。
 その、おそらく現在の地球上で最も安全であたたかな浴室に光の中に佇む彼女の、滑らかに透き通るような白い肌は、まるで磨き上げたように艶やかだ。全身のどこにもシミ一つ、ホクロ一つ見当たらないうえ、すらりとした手足はあくまで伸びやかで、けれど胸と腰はたっぷりと女らしく豊かに張っている。それは、「肥満(ファット)」とは純然と区別された「豊満(グラマー)」という意味では、人間の女性として、これ以上望むべくも無いほど完成されたスタイルだと言えた。
 つまり、ひどく肉感的であり、あふれるほどの濃厚な性的魅力を発散しているのだ。
 だが、人間の頭より一回りも大きく見える両乳房の下には、こんもりと、誰が見ても明らかに「それ」とわかる膨らみが存在していた。
 その白く大きく膨らんだお腹を、ティファニアはうっとりと見つめながら左手で優しく優しく撫でさする。
「…………んぅふ……」
 膨らんだ下腹の表面を、時折、瘤のような握りこぶし大の膨らみが、ゆっくりと浮いては消えていた。
 その度に、ティファニアの眉がピクリと動き、苦悶とも恍惚ともつかない吐息が漏れるのだ。

 ――彼女は「妊娠」している。

 正確には「子を宿している」と言った方が適切かもしれない。
 三ヶ月前、愛しい義弟から子宮内に産み付けられた卵が着床し、擬似胎盤を形成した芋虫状の幼体が、その大きく膨らんだお腹の中に宿っているのだ。
 彼女が何度目かの定期健診の際、自分の下腹部にある胎内に、ゆっくりとのたうち蠢く巨大な芋虫のシルエットを見た時、強烈に湧き上がったのは恐怖でも嫌悪でも、ましてや殺意でもなく、純然たる至福を伴った身を震わせるほどの喜悦であった。たとえ、一日に数十回にも及ぶ激痛に身を捩り涙していたとしても、愛しい義弟(ひと)の子供を「異種生物」たる自分の胎内に宿せたという悦びの方が、遥かに勝っていたのだ。
 それに、定期的に訪れる陣痛めいた激痛より遥かに勝る肉体的快感が、その都度、ティファニアの心も体もたちまち癒してくれるのである。

 “あの夜”の『床見の儀』以来、彼には何度「愛された」かわからない。

 もともと片手ではとても掴み切れない、目を見張るほど豊満だった乳房が、彼の子を胎内に宿してからは日に日に大きくなり、更に豊かに実ってしまった。自分の胸を抱き締めた時、両手の指先がそれぞれの肘で曲がるか曲がらないか……というほどの乳房というのは、それはものすごく異常な大きさなのではないだろうか?と、自分でも考えなくは無いのだ。
 当然、その重たさも尋常ではない。
 卵の着床前には既に片方の乳肉だけで1.5キロから1.7キロほどもあったものが、今では2.5キロを優に越え、それどころか3キロはあろうかという重量を彼女の片胸に与えていた。
 つまり、両方で6キロ強の柔肉が、体の前方にくっついてぶら下がっているのだ。
 ここまでくると、何気なく身体を動かすたびに揺れ動く様にも「ぷるん」とか「ぱゆん」とかいう“可愛い”擬音ではなく、どちらかというと「だぷん」とか「だゆん」とか「ゆさり」とか「ばるん」とか、とんでもない重量感を感じさせる擬音が自然と浮かんできてしまう。
 当然、そのとんでもなく重たい乳房を支えるブラジャーが必要となるのだが、彼に「愛される」ようになってから、いつもいつでも彼がそうしたい時にそう出来るように、ゆったりめの布地の露出度が高い服を好んで着用するようになった彼女には、装着も取り外しも面倒な、鉄板が入っているのではないか?と思ってしまうほどガチガチの硬いブラなど身に着ける気にもならず、結果、彼女が身体を動かすたびに乳房自体の重量で重々しく揺れ動くに任せてしまっていた。
 もちろん彼女も、巨大でありながらツンと美しい形に張り出した乳房が、みっともなく垂れてしまうことを恐れないわけではなかった。
 だが彼に「愛される」たび「痛覚麻痺」のために肛門から直腸内へと直接流し込まれる、彼の体内生成物である「シロップ」には、先述の効果の他に、全身の細胞の活性化、テロメアーゼの固定・生産によるテロメアの複製・維持に伴う細胞老化の緩和化の効果があり、そのため、巨大で重たいおっぱいを支えるクーパー靭帯の断裂や皮膚組織の劣化が極限まで抑えられている上、細胞の再生速度が並外れて向上しているため、ここまで巨大になりながらも自重でどうしようもなく下垂した以外は、特に皮膚の伸びなどが見られないのが救いだった。でなければ、あっという間にだらしなく垂れてしまうに違いない。
 そして当然のように、彼女は豊かな乳房を持つ女性特有の、乳房の重量による肩凝りや頭痛、背中の痛みや腰痛、乳房下部の皮膚炎とは無縁だった。それは単に「シロップ」のおかげというだけではなく、元々“仮母”のための使役用人類である彼女の体は、地球統合府の「機関」によって遺伝子レベルから『改良』されていたためと言えた。皮膚細胞も筋肉細胞も、腱も骨も内臓も、過酷な「出産」に耐え得るように強化されているのだ。その上で、身体中の細胞に染み渡るよう、たっぷりと注がれた「シロップ」のため、彼女の乳房は巨大でありながらその重量をものともせず、美しさを誇るかのように前方へと張り出しているのである。
「……あふっ……」
 彼女は甘い吐息を吐くと、シャワーのお湯を止め、手にたっぷりと泡状のソープを掬って朝陽にきらめく、透き通るほど白くはあるが病的ではないその美しい肌に塗りつける。
 豊満と言うにはあまりに豊か過ぎる乳房に、両手で円を描くようにしてソープを塗りつけてゆくと、彼女はそれだけで、硬く屹立した乳首がじんじんと熱く疼くのを感じた。
 それはソープの刺激などではない。
 もっと「切なさ」を伴うものだ。
 乳白色のナチュラル・ソープは“仮母”専用に精製された低刺激性であり、むしろティファニアの瑞々しい肌に素晴らしく良く馴染んだ。
 死んだ人間の脂で作られている……とか言われているが、たとえそうだとしてもそんなことを気にする人間はこの世界にはいない。
 遺体への冒涜だとか、倫理的にどうとか、そもそもそんな事を論じる土壌そのものが無かった。それどころか「死んで何の役にも立たずに朽ちてゆくのは生物として間違っている」という考え方が主流だった。他生物の存在のおかげで生きてきた生物は、死した後は同じように他生物の存在を支えるのが道理だというのだ。
 そのため、この世界では死んだ後にも遺体は細部に渡り有効に利用され、油脂分が抽出されてソープになっていたとしても、驚くに値する事ではないのである。
「……あっ……あっ……あっ……あっ……」
 ソープを塗りたくり、くにくにと乳首を指で捏ねるだけで、ティファニアの口から甘い艶声が漏れる。
 そして、ぷっくりと膨らんだ乳首からは、ソープではない白濁した液体が滲み出してきていた。

 ――彼女の乳房は、今ではもうすっかり幼体のための『乳袋』と化している。

 乳肉はみっちりと充実し、乳線はいつも乳液でぱんぱんにふくれているのだ。普通、発達した乳線は岩のようにこりこりと固いものだが、彼女の乳房は張る前と同じくらいにやわらかで優しい。
 これも、義弟に注がれ続けた「シロップ」のおかげだった。
 そして、子宮壁への卵の着床以来、あっという間に太く大きくなった乳首からは、わずかな圧迫によって乳液が迸ってしまうようになっていた。
「……んふっ……ふあんっ……」
 ずしりと重たくて手に余る乳房を両手で掬い上げ、その重さに“にゅるっ”とこぼれ落ちるに任せると、乳房は自重によって“だゆんっゆあんっ”と揺れ動きながら、ソープとそれに混じった乳汁を床に飛び散らせた。
 今のティファニアには、それすらも快楽として甘受してしまう下地がある。
「……あっ……はぁ……」
 涙に濡れて“とろん”と蕩(とろ)けた瞳に、かつての理知的で冷徹な光を探すのは、ひどく困難だった。
 口元は緩み、頬から首筋にかけては入浴したためではない紅潮が目に鮮やかであったし、空気を求めて可愛らしく広がった鼻腔は、彼女が性的興奮に身も心も呆けていることを如実に語っていたからだ。
 胎内に宿った、愛する義弟の子供……『セグネット』の幼体は、毎日、定期的に内臓を切り裂かれるような激痛を母体に与えている。だがそれと同時に、まるで母体を労わるかのように、子宮内の幼体からは微量の体内精製物が分泌されていた。
 それが擬似胎盤を通して血液内に流れ出し、血流に乗って母体の脳に到達すると、分泌系の“スイッチ”をしたたかにキックし、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン、エンドルフィン、エンケファリンなどの快楽物質(脳内麻薬)を、大脳辺縁系の扁桃体や海馬体を損傷しない程度に、断続的かつ大量に放出させるのである。
 そのため、痛みの後には必ず“濃密な快楽の時間”が訪れるという事を覚えた彼女の肉体は、今では激しい痛み“そのもの”を待ち望むまでに変化してしまったのだった。
 そして、今なお繰り返される彼との「愛交」によって、彼女はもう、彼の姿を見ただけで“じゅあん”とたっぷり濡れ、彼の声を聞いただけで乳首が“きゅうん”と硬く勃起してしまうのである。こと、彼の外羽の色にそっくりな濃い黒檀色の制服を身に着けた召使い達――大切な“仮母”の世話をするために彼女に仕えるよう命ぜられた彼女のかつての仕事仲間達だ――を見るだけで、気付かないうちに熱く濡れた淫靡な吐息が漏れてしまうに至っては、性交狂(ニンフォマニア)と謗(そし)られても仕方無いに違いない。
 だから、こうしてぬめるソープを乳房に塗りたくり、自らの手で愛撫などしてしまうと、もとよりぼんやりとした頭の中はたちまちのうちにピンク色のモヤでいっぱいになってしまうのだ。
「……んッ……ふぅんっ……くぅんっ……」
 それは、洗う……と言うよりも「捏ねる」と言った方がピッタリする両手の動きだった。
 “きゅむっ”と掴み、揺らし、そして“絞る”。
 乳首と乳暈(にゅううん)の上で、見る見るうちに珠のように盛り上がった白い液体が、すぐに“びゅっ”と迸りへと変わる。
「あっは……」
 わずかな痛みを伴うその行為は、すぐに快楽という御馳走に振りかける最上のソースとなる。
 勃起した乳首は小指の先ほどの太さに膨らみ、勃起したその姿は乳房全体をまるで乳牛のソレのように見せていた。ただ彼女のそれは、乳房そのものがあまりに豊かであるため、バランスとしては決しておかしいものではないように見える。そして乳首や乳暈には色素の沈着がほとんど見られず、まるで生娘のように瑞々しいピンク色をしていた。
 その乳首を、彼女は親指と人差し指でひねるようにして摘む。
 “ぴゅっ”と乳汁が迸り、ソープと混じって濡れた床に“ぱたたっ”と滴った。
 そしてソープで滑り、“ちゅるっ”と指から逃げる際の摩擦が、充血し、膨張し、勃起して屹立した乳首からの“じんじん”とした快美感をますます強くしていった。
「……ぁ……ああ〜……」
 乳首を擦り上げながら、白くてやわらかくて重たい、たっぷりと豊かな乳肉を捏ね上げる。
 彼女がお尻を乗せた椅子の天板は、ソープとは明らかに違う粘液のぬめりで、すっかりぬるぬるになっていた。
 浴室には熱気と、薬湯の香りと、彼女の濃密なオンナの匂いと、乳汁の芳香が混じり合い、“むあっ”とむせかえりそうなくらい濃厚な性臭となっている。
「……あぁ……いいの……いいのぉ……」
 今のティファニアは、一日の大半をこうした快楽の海にたゆたうような、退廃的とも言える時間の中で過ごしていた。
 胎内からは激痛と共に脳内麻薬による快楽のシャワーがプレゼントされ、外からは愛しい義弟から毎日たっぷりと「シロップ」がプレゼントされるのだ。気が狂わないのが不思議なほど、彼女の脳はいつも、いつもでも白濁し、霞がかかったような非現実的な感覚の中に浸っていた。
 いや、ひょっとしたら、もう狂っているのかもしれない。
 それでも、狂っていることさえも、おそらく悦びでもって迎えてしまう彼女を、誰も引き止める事など出来なかった。
 幸福感に身も心も震わせながらゆっくりと確実に壊れてゆく彼女の自我は、胎内に宿った『セグネット』の幼体と、その父親である愛しい義弟への愛ですべて満たされているのだから……。
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