■感想など■

2009年10月27日

[TS]「閉じた世界で生きる意味」〜交配と繁殖〜

■■【5】■■
 変異者が男性から女性に変態される時、その肉体は数十年前に『侵略』によって死亡した女性の肉体が(正しくは女性の組織と遺伝子が)使用されると言われている。
 全世界から集められた生体サンプルと遺伝情報が“管理者”によって繋ぎ合わされ、合成され、変異者の肉体が種族維持のための“役目”に選ばれた男性の「好みの女性」となるよう反映される…というのだ。それは髪の色や長さ、肌の色や顔付き、そして肉体的な特徴をはじめとした外観は言うに及ばず、声や体臭、唾液の味や愛液の量などにおいてまで、徹底されているらしい。
 それも全て“パートナーの男性が抵抗無く勃起(性的興奮)出来るようにするため”だけに。
 そこに、在来の地球のテクノロジーが介在する隙は無い。
 どうやって男性を女性に変態させるのか?
 脳はどうしているのか?シナプスは?
 代謝機能は?
 免疫系は?
 ホルモンバランスは?
 それらは一切、開示される事無く、人類はただ“ヤツら”のテクノロジーで調整され、繁殖させられるだけの存在なのである。

 だが、なぜ人類の『繁殖』方法に、“管理者”はこんな面倒で手間の掛かる方法を取るのか?

 そこには、およそ「効率」とは言い難い方法しか存在しない。
 だが、“管理者”によって行われるプログラムは、人類の繁殖方法が確立されてから数十年、ほとんど変わることが無かった。
 それはまず、代謝凍結した現存する人類の大多数から、肉体労働に従事するメンバー(ワーカー:worker【労働者】)と種族維持に従事するメンバー(プロダクター:producer【生産者】)――もちろん、この呼称も命名者も地球人だが、その人間は相当にセンスが無いか、または相当に皮肉屋に違いないと言われていた――を、種族維持のために必要な数だけ選出し、それぞれ“役目”に従事するための肉体改造を施して、厳重な管理下に置かれた地表のコロニー(保護ドーム)で生活させる事から始まった。
 プロダクターに施される肉体改造は強制的な性別の転換を主として、その変異させた“変異者”の中から定期的に『受胎者』が選ばれ、代謝凍結が解除された後に子供を出産することを義務付けられる。
 プロダクターのパートナーには同じプロダクターから選ばれる事が多いが、ワーカーの中で肉体的に頑丈で、健康で、そのうえ遺伝的にも問題の無い個体から選出され、あてがわれる場合もある。

 女性に変態した男性は“管理者”の調整によって、代謝凍結から目覚めて数日の内に受精可能な身体となる。
 受胎期間は、パートナーとなった相手と午前中と午後に一度ずつ、一日に2回、専用に用意された個室でセックスを強制され、パートナーの男性は、女性に“変態”した男性(変異者)の膣内に射精するまで、部屋を出る事を許されない。
 そして膣内射精された変異者は、受精確立を高めるため、パートナーの射精後、完璧に温度・湿度・細菌管理された部屋内で30分以上ベッドで安静にする事が義務付けられていた。
 やがて、変異者の受胎が確認されると、“彼女”は“管理者”によって調合された成長促進剤によって、およそ半年という短期間で乳児を出産するのである。
 “役目”の間、パートナーと変異者は擬似的な『夫婦生活』を送り、パートナーとなった男性との間におよそ4人程度の子供を出産するが、出産した乳児はすぐに“管理者”の育成管理部によって引き離され、育児に特化調整された別の擬似夫婦へと与えられる。
 出産を終えた変異者は、再び“管理者”による肉体調整を受けて全身の細胞がリフレッシュされ、疲弊した子宮や産道も修復されて、すぐに次の子供を孕む“役目”へと移行することとなる。
 その際に、過剰に分泌された脳内麻薬により自家中毒を起こした脳のホルモン機能も正常化されるのだが、「男に与えられた快楽の記憶」は残る。そのため、男性とのセックスに対する抵抗は最初の“役目”とは比べ物にならないほど無くなっているというのが通例だった。
 それどころか、役目を終えた変異者が再び男性に戻る事を希望するのはまれだった。

 以上の『繁殖方法』は、効率を重んじ、機能的に物事を推し進める“管理者”にしては、ひどく非効率的で、無駄の多い方法と言えた。

 単純に『人類を繁殖させる』『女性を増やす』ためであれば、男性を女性に変態させる事が出来るテクノロジーを用いることで事は足りるはずだからだ。半年に渡りプロダクターを妊娠状態にしておく必要も無く、卵子を成熟させ、排卵を促した時点で摘出し、人工授精の後に“管理者”自らの手で細胞分裂をコントロールして赤ん坊を文字通り『生産』すれば良い事なのだ。
 だが実際は、こうして1つの部屋でプロダクターがパートナーと性行為を行い、膣内射精され、妊娠する過程を観察し、克明に記録している。
 確かに、出産の度に肉体はリフレッシュされ、プロダクターに選ばれた人間は何人子供を産んでも肉体の老化は無い。
 そして、子供を産んでいる限り代謝凍結される事も、実験素材として「潰される」事も無い。
 しかしそれは、繁殖のための“役目”を果たす事で得られる延命でしかない。

「いくぜ…」
「いやっ…あっ…いやぁ…くっうっ…くぅああぁぁ〜〜ん…――」
 身も世も無く、息も絶え絶えに喘ぎ狂ったように首を振りたくりながら悦びに咽び泣くユウの豊かな尻を掴みつつ、その“ぬるぬる”としてあたたかな膣内奥深くに思い切り、そして気持ち良くたっぷりと射精する。
 昨日と合わせて、これで4回目の膣内射精だった。
 たった一回の射精でも、レッカはユウを孕ませる自信があった。
 それくらい彼の精液は精子密度が濃く、量が多いのだ。
「…ひっ…ぃ…」
 膣内粘膜が、内部で迸り拡がった精液を感知し、「スペルミン」がユウの脳に快楽物質を大量に放出するよう速やかに命令を下すと、彼女は“びくびく”と全身を痙攣するように震えさせ、白痴のように白目を剥いたまま可愛らしい唇から涎を“てろり”と垂れ流した。
 男根を根元まで咥え込んだユウの膣が、まるで精液を搾り取ろうとするかのように“きゅうう”と締め付ける。
 その括約筋の締め付けの中、レッカは愛液と精液とを潤滑液にして、“ぬるぬる”と男根を前後させた。
 そうしながら、レッカはふと思い出していた。
 人類の、存在している意味。

 ――それは…繁殖のためだけに生かされている命。

 『そんな人生に意味はあるのか?』
 そういう問いが、プロダクターのパートナーを中心として蔓延しつつあることは知っている。
 だが、その問いに答えられる人間は、今の地球には存在しない。
「楽しめればそれでいいんだよ。なあ、ユウ」
 “びゅくっびゅくっ”と、尿道の中に残った精液を押し出すように男根を弾けさせ、レッカはベッドに崩れ落ちたユウのシミ一つ無い白い身体を撫で回した。背中から引き締まったウエスト、そしてそのために殊更豊かに見える逆ハート型のお尻を優しく撫でると、ユウは溜息のような声を漏らして繋がった女性自身を“ぬるぬる”と蠢かせた。それは、尿道に残った精液の、最後の一滴まで搾り出そうとするかのような、淫猥で貪欲な動きだった。
 膣内の男根は、射精したというのにまだその硬さと太さを失っていない。
 この部屋に入る前に、レッカもユウと同様に“薬”を服用していた。
 それは勃起を維持し、精巣内の精子を残らずプロダクターの胎内に注ぐためのものであったが、かつて人類が使用していた血管拡張を主とした興奮剤・勃起促進剤とは違い、循環器系や脳にダメージを与えるような事は全く無かった。
「…ぁま…まだっぁあ…」
 精液のたっぷりと注がれた膣内で再びレッカが進退を繰り返すと、彼女の脇で、身体の線から大きくはみ出した豊かな乳房がゆらゆらと揺れた。ユウが振り返り、赤く紅潮した顔でレッカを見上げたのだ。
 その大きな美しい瞳は涙に濡れ、目元は赤く染まって、すっかり“性的な満足感を十分得たオンナの顔”をしていた。
 筆で軽く刷いたような眉は優美な線を描き、抗議するように顰められている。
 昨日と今日、二日に渡って与えられた「女としてのオーガズム」は、ユウの心を乱暴なまでに鷲掴みに捕らえ、彼女の心を急速に変えようとしている。男という「奪う側」だった者が、女という「奪われる側」へと転落し、男に自由にされ、男が好きな時に好きなだけ性的な戯れに応えなければならない自分を自覚することで、過去の自分と自ら決別しようとしているのだ。
 その証拠に、感じ過ぎて“じんじん”と痛いくらいに勃起した乳首を、レッカが手を伸ばして摘むのを、ユウは拒めなかった。
 “ひくひく”と痙攣するようにひくつく肛門を、右手の親指が浅く潜っても、それを拒む事が出来なかった。
 どうしようもなく火照った体が、それを拒もうとする心を容易く捻じ伏せてしまったのだ。
 レッカはそれを十分に確かめると、“ぬるり”と彼女の淫穴から男根を抜き出して彼女の身体をひっくり返し、脚を大きく開かせた。
 ユウの、腱の浮き立った白い太腿の内側が紅潮し、美しいピンク色をしている。
 その中心にレッカに激情を突き立てられ、滅茶苦茶に責め立てられて形の崩れた小陰唇が、充血してぽってりとした厚みを見せたまま、“くぱぁ…”とほの暗い空洞を見せていた。
「…ぁ…」
 吐息を吐くような、すっかり観念してうなだれた子供のような声を漏らし、ユウは荒い呼吸で上下する自分の豊満なおっぱいの間からレッカを見た。

――ぶっ…

 湿った音と共に、何かが尻の方…肛門の方へとゆっくりと垂れ落ちるのをユウは感じた。
 それは、膣内に注ぎ込まれたばかりの、健康的に活動する精子がぎっしりと含まれた、レッカの精液だった。
 膣内にたっぷりと満ちていたそれが、性交によって胎内に入り込んだ空気が外へと噴出すと共に流れ出したのだった。
 精液は時間が経つと粘性を無くし、さらさらとしたものへと変わってゆく。ねっとりと粘性の高い、糊のような精液は、それがまだ彼の尿道から射精されたばかりの新鮮なものだということを証明しているのだ。
「おっと…もったいねーよな」
「うっ…んっ!」
 ユウが何か言う前にレッカは彼女のやわらかくて豊満なおっぱいを右手で掴み、左手を濡れた男性自身に添えて、ゆるく拡がり精液と愛液でぐちゃぐちゃになった彼女の女性自身を、再びゆっくりと割り開いていった。
「あっ…ああぁ〜〜〜…」
 ユウは一瞬、息を詰まらせたように顎を引いたが、すぐに大きく喘いで滑らかな腹を大きく上下させた。それはユウが過去の男だった自分を手放し、記憶の奥へと封じ込めようとした最初の自発的な行為だった。
 彼女は自分の胸にぶら下がる、母性の象徴のような重たくずっしりとしたおっぱいを揉み立て、愛撫し、揺らして、時に持ち上げる彼の手を、初めていとおしいと思った。
 その想いは、ユウが自分でレッカの二の腕を優しく撫でさすり愛撫する事が示していた。
 粘膜と粘膜が擦れ合い、膣の奥の奥まで何度も何度も突き立てられた事で、自分が今は女であること、女としての役目に甘んじてさえいればいつでもこの快楽に身を浸す事が出来るという事実を、意識の底にハッキリと刷り込まれてしまったのだ。
「…ぅ…はぁあああぁん…」
 ユウは声を上げた。
 それは悦びの声だった。
 ベッドに仰向けに横たわり、男に両脚をいっぱいに開かれ、その間にその彼が身体を割り入れている。
 レッカが、屹立した男性自身をぬかるんだ女性陰部に突き立てている。
 無防備に彼を迎え入れ、ユウは涙に咽(むせ)びながら、上で前後する汗ばんだ彼の身体に揺らされ、翻弄されていた。

 ――身体の中を、蹂躙されながら満たされる。

 耐え切れずユウはレッカを自ら引き寄せて抱き締め、彼の汗に濡れ光る首筋にキスをした。
 彼の汗の匂い、味、肌の感触が、彼に遠慮無く責め立てられている股間の臓器を、もっともっと熱くする。
 目に涙がいっぱいに溜まり、ただ泣きじゃくるしかない自分の無力を感じる。
 それが例えようも無いほどに心地良く、幸福だった。
 これがオンナなのか。
 これが『オンナである』ということなのか。

 これが、『男のモノになる』ということなのか。

 役目を終えたら…子供を産んだなら、もう一度男に戻る。
 その考えは、いつしかユウの頭から綺麗サッパリと消え去っていた。
 まるで、そんなものは最初から存在しなかったかのように。

         −おわり−

■■「閉じた世界で生きる意味」〜交配と繁殖〜■■

「2007/03/29 11:35」第一稿
「2007/03/29 14:41」投下開始
「2007/03/29 15:03」完了

仮題「閉じた世界で君を待つ」〜母はむかし〜
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/33129068

この記事へのトラックバック

★足跡代わりにポチッとしてってくださいな★