■感想など■

2009年11月05日

[二次]うる星やつら「長い夜」〜あなたが愛してくれるなら〜

■■【4】■■
「ふっ…」
 ラムの押し殺した鳴咽が収まる頃、彼は短く息を吐いて射精した。
 彼女の胎内にではない。
 彼女の、丸くて豊かな、白い尻の上に、だ。
 飛び散った精液は、彼女の七色に色彩を躍らせる髪をも汚した。
「……ああっ………」
 不意に性器を抜かれて感じた言い様の無い喪失感に、ただ呆然としたラムは、次の瞬間剥き出しの尻に感じた熱い飛沫に、身を震わせて喘いだ。
 そして彼は、「一刻も早くこの汚れたオンナから離れたい」とでも言うかのように、彼女の尻をぐいっと押しやり、立ち上がった。
 後から尻を押され、ラムは畳にぐったりと突っ伏す。未だ息は荒く、全身を汗がしっとりと覆っている。顔が熱っぽく、あそこが火のように熱かった。
「……………………………」
 彼は畳の上にぐったりとしたラムをちらっと見やり、彼女の右足首に引っかかったままの虎縞のアンダーを無造作に抜き取った。そして、自分の性器の“汚れ”をそれで拭い、彼女の汗ばんだ背中に放り投げた。
 そうしてファスナーを上げ、クローゼットから着替えの下着を取り出すと、彼女をそのままにして階下へと降りていったのだ。

 ただの一言も無かった。

 いっそのこと、激しく罵倒された方が何倍も良かったかもしれない。
 彼女はじわり…と浮かんだ涙を拭うと、のろのろと体を起こし、背中から畳に滑り落ちた虎縞のアンダーを手に取った。彼の精液と彼女の『蜜』にまみれて、しっとりと濡れたそれを、感情のこもらない目でじっと眺める。
 そして、尻にべっとりとついた彼の精液を指で拭って、くん…と匂いを嗅いだ。
 愛しいひとの精液は、「彼等」のものと少しも変わらない匂いがする。
 けれど、「彼等」のものとは違い、彼女はこの精液こそを、胎内に満たしたかったのだ。
「…う……………」
 彼女は鳴咽をこらえながらゆっくりとした動作で、尻から垂れた精液をティッシュで拭い、続いて、畳に滴った精液と『蜜』とを丁寧に拭き取った。
 だが、ねとねととする紙屑を新しいティッシュで包み、彼の勉強机の隣にあるゴミ箱に落した時、彼女はちょっとだけ、口元を弛めたのだ。

 私はまだ、彼にいても良いのだと言われた気がしたから。

 罪を償う時間を与えてくれたのだと、思ったから。
 それにもう「彼等」の呼び出しに脅える必要は無い。
 無視する事が出来る。
 これからは、ただ、今まで通り彼だけを見つめていられる。
 彼が求めた時にいつでもこの身体を奉げるだけでいい。
 他の誰にも触らせなくていいのだ。

ぷりゅっ…ぶっ…

 あそこに入ってしまった空気が、漏れ出して放屁のような音を立てた。
 その間抜けな音に、彼女は自分でおかしくなり、くすくすと笑みを浮かべる。そうしてブラに乳房を収め、アンダーに両脚を入れ、豊かな尻まで引き上げると、ただ一人、不意に流れ落ちた涙を拭って、窓枠に足をかけた。

 迷いは、もう、無い。
 後はもう、思い切るだけで良かった。


 月は厚い雲に覆われている。
 闇はただ真黒の表情で、空へと飛び去っていく彼女を、見つめていた。

 ■『長い夜』 終 ■


■1999/10/01 21:50 校了
■2009/11/02 推力全開アップ開始
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