■感想など■

2009年11月15日

[二次] うる星やつら 「受胎」〜忌む子の母なりしは〜

■■【4】■■
 キャビンはひっそりと闇が満ち、そこに人がいる事など感じさせないほどの静寂を保っていた。そんな中で、時折小さな溜息と舌打ちが響く。
「…すけたる………絶対…………や………っててや……ムちゃん………」
 ぶつぶつと呟かれる言葉には、後悔と怨嗟と怒りと悲しみが、たっぷりと塗(まぶ)されていた。
 不意に室内灯が灯り、入り口に二つの影が現れる。
「あいつ…寝よった?」
「うん…ぐっすり…」
 二人を見もせずに問い掛けたテンに、しのぶは曖昧な表情を浮かべて手に持ったマグカップを彼の前に置いた。そうして、彼を労るようにその肩に手を触れ、隣へと座る。
 マグカップに満たされたテン専用の高カロリースープからは、温かい湯気とツンとした刺激臭が立ち昇っている。地球人にとっては痛みを感じてしまいそうな程に辛い、特製品だ。しかし彼はマグカップには目もくれず、手に持った携帯フォンの受信機を弄っている。
「薬でも飲ませんことには、絶対に眠りそうもないからな、あのバカは…」
 その正面に、終太郎がいささか乱暴に腰を下ろした。
「…それで…?話があるんでしょう?」
「……」
「テン……?」
「さっきは、あいつがおったやさかい、言えなんだけどな…ラムちゃんを襲いよった奴…見当はもうついとるんや…」
何から話すべきか…テンは迷った末にようやくその言葉を口にした。
「何だと?」
「どういうこと?ね、テンちゃん」
 しのぶは、いぶかしげにテンの顔を覗き込んだ。
 その時だった。
『あ…うん…いいっちゃ…いいっちゃよぉ…』
 彼の手にしたフォンの受信機から、不意に、ラムの声が流れたのは。
「ラムさん!!?」
「ラム!?」
 それは、濡れた情欲にたっぷりと染まった、雌の啼き声だった。
 荒い息遣いと、くちゅくちゅとした粘液質の音。そして悦びの艶声…。
『あはん……ふう…うん…愛してる…愛してるっちゃ…ああ…』
「ラム…さん…?」
「なにこれ……なにこれ!!」
 しのぶは混乱し、隣に座るテンの腕を取って揺さぶった。が、その腕に伝わった感触に息を飲み、びくっと手を離してしまう。
 テンは青ざめて、ぶるぶると全身で震えていたのである。
「テンちゃん!!?…どうしたの?何か知ってるの!!?」


 清潔な真っ白のベッドの上で、彼女はこの世でイチバン愛しい彼と愛し合っていた。
 抱き合い、口付けを交わし、激しく腰を振る彼に合わせて尻を振って、結合を、胎内を行き来する「肉」の感触を楽しむ。
 そこには何の不安も恐れも嫉妬も後悔も無い。完全な幸せの時間だった。
「んあっ!!…いいっちゃ…いいっちゃ……」
 彼の首を掻き抱き、夢中でキスの雨をその逞しい首筋に降らせ、尻の穴に力を込めて、今、自分の胎内に彼がいる事を確かめた。
 ぱちゅん!ぱちゅん!と粘液を飛び散らせながら送り込まれる彼のモノは、硬く、温かく、そして逞しい。胎内の奥深くまで差し込まれ、乳は思うさま、彼のいいように嬲られ、吸われている。
 それが、至福だった。
「あっ!!…うんん…はぁっ!!」
「いくぞ…」
 耳元で彼が囁く。ぞくり…と全身が震える。
 彼女は期待感に胸がいっぱいになり、彼の耳たぶを噛むようにして囁き返した。
「うん…きて…きて…うちの中にいっぱい出して…」
 その途端、どくっどくっどくっ…と、身体の奥深くに、大量の『精』が流し込まれる。それは、この世の黄金全てと交換すると言われても、一滴たりとも渡したくない彼女の至宝だった。
「あ……ふう……ん…」
 彼女は体に満ちる温かな感覚に、心から幸福そうに、熱く甘い吐息を吐いた。


「わいら鬼族には天敵がおる」
 テンはテーブルに受信機を投げ出し、肘を突いて顔を覆った。左手はズボンを握り締め、その幼い頬には、ぼたぼたと冷たい涙が流れていた。
 受信機からは、今もラムの甘えた啼き声が響いているのだ。
「天敵…!?」
 銀河有数の民族である鬼族。その鬼族をして、『天敵』と言わしめる生物とは、一体どんな生物なのか…!?
 終太郎は言い知れぬ不安にごくりと喉を鳴らし、手の平に浮かぶ、じっとりと湿った汗を拭った。
「奴等は……十五年前に絶滅した筈なんや!!なんでこの星に…!!」
「やつら!?…やつらって何!?ねえ…どういうこと!?」
「奴等は三時間で繁殖しよるんや…ラムちゃんがおらんようになってから八時間やっ!!…つかまえた獲物をほっといて、じらしてからっちゅう、上等な奴等やない…だとしたらラムちゃんは、もう二回はやらされとる…」
「さっきから何を訳のわからん事を言ッとるんだ!?」
「やらされてるって………ねえ!やらされてるって………なに!?」
「母親や!!奴等…ラムちゃんを母親にしとるんや!!」
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