■感想など■

2009年11月16日

[二次] うる星やつら 「受胎」〜忌む子の母なりしは〜

■■【5】■■

 暗闇に、大きな芋虫がいっぱい詰まった丸い袋が浮いている。

 そこは、暗く、そして適度な広さを持った、彼等にとっては居心地の良い洞窟だった。直径二十メートル程度の円形の洞窟の、その岩壁に彼女は、いた。
 虚ろな表情の彼女は、岩壁に両手を、まるで果物が腐ったような甘ったるい匂いのする粘液でしっかりと固められている。テンをして「ちょっとやそっとじゃあ破れない」と言わしめたボディスーツは、その下半身部分が乱暴に破り取られており、彼女のぷっくりと膨らんだ白い腹部と、濃い緑色の陰毛、それに粘液にぬらぬらと光る性器を露出させていた。
 ブーツはまだ本来の機能を果たしていたが、太股と脹脛さえも大方が露出し、そこには幾筋もの引っ掻き傷が走っている。胸元は、目を見張るばかりに大きな乳房だけが露出し、ゆらゆらと呼吸に合わせて重そうに揺れている。だが、露出した乳房とは対照的に、鳩尾や肩甲骨などは、腕と同じくボディスーツの薄くて丈夫な皮膜に覆われていた。
 その乳房にも、いくつもの引っ掻き傷があるが、血は体のどこからも出ていない。ただ、ぱんぱんに張って起立した乳首は、性器と同様にぬるぬるとした粘液が絡みついている。

ぢぃ…ぢぃっ…

 彼女の開かれた両脚の間、そしてその周りには、数十匹の親指大の芋虫が、もぞもぞと蠢いていた。半透明の薄黄緑の体は、皮膚を通して中の臓器の動きが手に取るようにわかる。その皮膚の表面には毒々しいまでに赤い斑点が散りばめられ、その背中の部分からは二対の赤い触手が生えている。
 彼等は、岩盤の窪みに溜まった、黄色くてツンとした刺激臭を放つ液体を、一心に啜っていた。しきりに触手を蠢かせ、仲間の体に触れながら、鳴き声を上つつもぞもぞとと身じろぎしている。
 …と。
「あ…あ……」
 不意に、ぴくん!!とラムの体が震えた。
 露出した、白く滑らかな腹部がぷっくりと膨らみ、そしてその膨らみが不規則に動いた…ように見えた。

 出産が始まるのだ。

「ひっ…いいーーー…ひいっ…ひいっ!…」
 首を振りたくり、涙と涎と鼻水が飛び散る。食いしばった歯からは間断無く悲鳴が続き、涎が喉を伝って股間に垂れた。
 だが、その悲鳴は痛みのためばかりではないようだった。眉は切なげに顰められ、目は笑みの形に歪み、そして揺れ動くたっぷりとした豊乳の上では、これ以上無いくらいに勃起した乳首が、紅く張り詰めていたのだから。
「うあっ……あーーあーーーーーーーー」
 ついに口はだらしなく開かれ、だらだらと涎が糸を引いて垂れた。そして、びくびくと震える白い太股の狭間、股間の性器が開いて、ずるっ…と、紅い顔がいくつも顔を出した。それが、うねうねと身を捻りながら抜け出ようともがく。
 白い粘液を全身にまつわりつかせた“それ”は、床で蠢いている芋虫と全く同じ姿をしていた。彼等は、蠕動運動を繰り返しながら、一匹…また一匹と、ラムのあそこから這い出てくるのだ。

『昆虫型の生物兵器や。わいらは「ディパ」呼んどる』

 芋虫は、次々とラムの性器から這い出し、太股の間に落ちる。そしてちいちいと鳴き、岩盤に溜まった液体目指して動き出すのだ。
 全ての幼虫が胎内から這い出ると、続いて幼虫達の卵の欠片が、潰れて一塊になり、彼女の性器から排出された。
 劇的な変化が訪れたのは、それから数分もしない内の事だった。
 あれほど硬く起立していた乳首は、すぐに元の大きさに戻り、張り詰めた乳房は熱を失った。
 性器は粘液を分泌する事を止め、呼吸は次第に穏やかになってゆく。
 やがてラムは、まるで何も起きなかったかのように、静かな寝息を立て始めていた。

『群体を作って行動し、鬼族の女をさらいよると、その女の子宮を寝床に繁殖するんや』

 ラムは、目の前にいる人が、人生の全てだった。この人がいれば、他に何もいらなかった。
「ラム…」
 素裸のあたるが、優しく微笑み、彼女の名を呼び、口付ける。
 だが、それは夢だ。
 ラムの口には、一本の管が取り付き、そこから透明な液体が流し込まれていた。
 彼女はそれを愛しそうに飲み下し、うっとりと宙を見やるのだ。
 途端に、きゅうっと乳首が勃起した。
 見る間に、あそこから愛液がしたたる。

『「ディパ」は獲物を捕まえると幻覚を見せて、女の腹ン中に卵を産み付けよる』

「あああ…ダーリン…ダーリン…」
 ラムは、とろんとした目で、目の前の影に微笑み、うっとりと呼び掛ける。目の前にいるのは愛しい男などではなく、硬い外骨格を持つ、昆虫のような不気味な生物達だというのに…。

『卵は三十分くらいで孵化して、女の遺伝情報を取り込み、大きゅうなってく』

 キチキチと口吻を鳴らし、細かい触手を震わせていた彼等の中から、次のディバがラムに近づく。
「あっ…あっ…あっ…あっ…あっ…」
 そのディパの腹腔から、いくつもの管が這い出し、それ自体が意志を持つかのように動いて、乳房や乳首、首筋や陰核等に、ぺとぺとと引っ付き始めた。

『三時間も経てば、幼生体が腹ン中から出てきよる……多いときには卵は十〜二十個…そんだけの幼生体が…』

 ディバの腹腔から、一際太い管が硬質な鞘に包れて現れた。
 光を弾く硬質の鞘の中から、繊細な筋と半透明の筋肉で形作られた軟体動物のような形状のものがぬるり…と出た。それは決してグロテスクなものではなく、むしろつるりとした表面は貝の吸水管を思わせる薄桃色であり、つい触れてみたくなるような美しさであった。
 が、だからこそ、それが蟲の節から生えている光景というのは、グロテスク以外の何物でもないと思わせた。
 それが、馴れた調子でラムの股間に伸びる。数度性器の周りを這うと、その肉の割れ目に浅く潜り込み、膣口に先端を潜らせた。そしてそのまま、ぐぐぐ…と管…<産卵管>をデリケートな膣内に挿入してゆく。
「ああああああ……!!!」
 彼女はそのあまりの快美感に、涎と涙をまき散らし、悦びの声を上げた。
 その目は、既に何も映してはいない。

『あとはそれの繰り返しや…群れの数だけ、なんべんも…なんべんも…』

「ひいっ…ひいっ…」
 ひしりあげ、涎を垂らし、身動きが取れないにも関わらず、一生懸命がくがくと尻を振りながら、産卵管が体の奥深くに送り込まれるのを悦びでもって迎えている。
 その洞窟の中。幾度と無く繰り返される陵辱を、もう一つの息吹が見つめていた。
 それはラムの前の“贄”。
 もう不要となった『蜜袋』。
 ラムの捕らえられている岩壁の正面で、ぐったりとして浅い呼吸を繰り返しているのは、既に老婆になった鬼族の女性だ。搾取され続けた生命力は既に無く、彼女は役目をラムに譲って、ようやく解放されようとしているのだった。
 死という、安息の場所へ向かうために。
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