■感想など■

2009年11月21日

[TS]「彼氏彼女の情事の事情」〜俺達の初体験〜

■■【4】■■
 智樹が「それ」を着てきたのは、翌日のことだった。
 火曜の朝だ。
 そして相変わらず朝っぱらから暑い。
 そんな中、篤志が通りがかるのを待ち構えていたのは明らかなタイミングで、欠伸を噛み殺しながら通学路を行く篤志の、その目の前に智樹は飛び出してきたのだ。
「じゃーーん!」
 しかも、自分で「じゃーーん!」とか言ってるし。
「昨日学校から帰ったら母さんが買ってきてくれててさ、サイズもピッタリだしさっそく着てきちゃった! どう!? どう!?」

 ――何が「どう?」だこんちきしょう。

 篤志は疲れ切ってげんなりとしながら、目の前の「少女」を見た。
 両手を腰に当て仁王立ちしている、幼馴染みで友達でクラスメイトで、そしてサッカー部のチームメンバーだった元男は、目にも鮮やかな白いセーラー服を着ていた。
 襟は紺色、スカーフはスカイブルー。
 プリーツスカートは膝丈で、健康的な白い脹脛が眩しい。
 どれもこれも新品で糊がパリッと利いててお嬢様的な清純さがバリバリ出ていた。
「……おす」
「え〜〜!? それだけ? もっと何か無いの? こう、ムラムラする〜っとか、サイコーだぁとか、抱きたいッとか、むしろ今からホテル行こうッとか!」
「黙れヘンタイ。朝っぱらから天下の往来で公衆道徳をぶち壊すような不穏当な言動を、節操無く思いっきりぶちまけるんじゃねぇ」
「ちぇっ……つまんないなぁ。せっかくアッくんが喜ぶと思ったのに」
「なんで俺が喜ぶんだよ」

 ――可愛いなぁチクショウ。

 しっかり喜んでいました――。
 健康な高校男子のリビドーというものは、理性をいとも簡単に侵してしまうものらしい。

 ――なんでこんなに可愛いんだ智樹のくせに。

 ――俺はいったいどうすればいいんだ。

 昨日一日ですっかりイロイロと毒されてしまった篤志が、そんな風にどうでもいい事で、グチグチと心の中で葛藤しているなどとは思いもせず……いや、ひょっとしたら気付いているのかもしれないけれど、その辺を顔にはこれっぽっちも出さずに、
「ほらここ、ここ、すごいでしょ?」
 智樹は喜び勇んで身を逸らし、セーラー服の裾をちょっと上げてみせた。
 白いセーラー服の窮屈そうな胸元に押し込められた特大の双球が、パッツンパッツンに張りつめた布地の上からでもわかるくらいにやわらかく形を変え、“たゆんっ”“ゆさっっ”と魅惑的に揺れる。
 そして、前方に対して重力にも負けず張り出した、あまりにも豊かな乳肉のために、丈の短いセーラー服が持ち上がって白くて滑らかな腹と可愛らしい臍さえもすっかり見えてしまっていた。しかも、軽く腕を上げれば、裾から丸くて白くて柔らかそうな半球――智樹の、ちょっとした動作にも“ふるっ”と揺れる下乳が、扇情的にちらっと覗くのだ。
「ちょ……おま、ノーブラ??」
「大丈夫! ニプレス付けてきたから!」
 そう言って、無自覚で過剰な色気発散馬鹿は、セーラー服の上着をぺろんとめくってみせた。
 白くてまあるくておもたそうでやーらかそうな、椰子の実みたいなおっぱいが、明るい朝日の中でぶるんと跳ねてゆさゆさ揺れる。
 確かに、“先っちょのピンク”は肌色をした円形の絆創膏シートで隠れている。
 が、天下の往来……しかも登校途中の通学路で、誰が着エロをやれと言ったか。
 そもそも今日はTシャツやキャミソールどころか、タンクトップさえも下に着ていないというのはどういうことだ!?
「シリコンのでも良かったんだけど、やっぱり絆創膏タイプの方が手軽だし安いし……わっ!?」
 篤志は飛びつくようにして智樹のセーラー服を引き下げ、キョロキョロと挙動不審に周囲を見回した。
「お、俺を誘惑するなって、い、言っただろ!?」
「必要以上に、でしょ?」
「必要以上だろ!?」
「必要最小限だよ」

 ――じゃあ、必要最大限の誘惑って、いったい……!?

「あ、今『じゃあ、必要最大限の誘惑だったらどうなるんだ』とか思ったでしょ」
「な、なんでわか……い、いや」
「わかるよぅ。伊達に十年以上も付き合ってないもん。それにサッカー部のツートップで名コンビで、コンビネーション・プレイの息ピッタリコンビなんだよ? アッくんの考えてることなんてまるわかり」
「俺はそんなに単純じゃねぇ」
「いいよ?」
「は?」
「約束は日曜だけど」
 何をする気だ?と不思議に思う篤志の目の前で、智樹はセーラー服の裾から右手を突っ込んで、すぐに出してみせた。
「ちょ…おまっ……なに外してんだよ!?」
 その右手には、たった今、左乳首から剥がしたばかりのニプレスがあった。
「少しなら嘗めたり吸ったりしてもいいよ?」
 篤志は、ほのかに頬を赤らめながらニコニコと笑みを浮かべる智樹に、

 ――頭が真っ白になりました。

「アッくん?」
「誰がンなことしたいって思ったよッ?!!!!!!」
「思わなかった?」
「思ってねぇッ!!!!」
「おっかしいなぁ……、こう、ビビビッてきたんだけどなぁ」
「勝手にどこの誰とも知らねぇような毒デンパ受信してんじゃねーよ!!」
「ちらっ?」

 ぷるん。

「『ちらっ』じゃねぇ!!! 捲るな! 見せるなっ!!」
「ちらっ? ちらっ?」

 ぷるん。ぷるん。

「トモ〜〜〜〜ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
 登校途中の通学路でノーブラおっぱいを晒して乳首を見せ付け、嘗めたり吸ったりしていいよと言う幼馴染みの元男な美少女に、篤志はどう対処したらいいのか、最早さっぱりわからなくなっていた。
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