■感想など■

2009年11月22日

[TS]「彼氏彼女の情事の事情」〜俺達の初体験〜

■■【5】■■

 一週間が過ぎた。

 篤志が智樹に返事をする、約束の日だ。
 この一週間で、篤志は心身ともに疲れ切っていた。
 手を変え品を変えセクシャル・アプローチを仕掛けてくる智樹に、孤軍奮闘している篤志の理性戦線はもはや瓦解寸前だった。
 さすが元は男だった事はある。
 どうすれば男が興奮するか、どうすれば男の視線を惹き付けるか、完全に熟知してやがりますよ。
 自覚か無自覚かはともかくとして、緩急取り混ぜて怒涛のイキオイで責めてくる敵軍に、対する篤志軍は疲労困憊(こんぱい)し今にも白旗を揚げそうだった。
 いや、もう半分は揚げかけていた。

 ……というか、ちょっと「奪われて」しまいました。

         §         §         §

 例えば火曜日の事だ。

「自分で言うのもなんだけど、僕のあそこって、たぶん凄く締まりがいいと思うんだ。サッカーしてた影響なのか括約筋のキレもいいし、骨盤小さいし、それに何よりピカピカの処女だし!」

 ――括約筋のキレってなんだ?

 昼休みの時間に弁当のおかずの卵焼きを箸で摘んだまま、篤志は興奮気味に身を乗り出してくる智樹を呆然と見上げていた。
 場所は教室の後の廊下側の机。
 今までと同じように机を二つ合わせて智樹と昼食中のことだった。
「……確かに自分で言う事じゃねぇよな。俺もその意見には賛成だ。ついでに言えば、昼休みの教室でいきなり切り出す話題でもねぇよな」
「大事なことだよコレ」
「さよけ」
 智樹は登校してからセーラー服の胸元の三角布を(姑息にも)意図的に外している。そのため、むっちりと豊満な乳房の絶妙な丸みが、篤志の眼前に脅迫的に迫ってきていた。魅惑的な曲線を描く乳房の輪郭のカーブは、まさしく神がこしらえた絶妙なバランスの上に成り立っている。
 相変わらずブラもしていなければTシャツもキャミも着ていない。
 完全なノーブラだ。
 ノーブラでニプレスだ。
 だから“ゆさゆさ”と揺れるし、“むにゅむにゅ”と変形もする。
 男子は「目の保養だ」と言い、女子は完全に面白がっているから、クラスで智樹の破廉恥な格好にツッコミ入れる人間は一人もいなかった。
 一人も、だ。

 ――このクラスの連中は一人残らず頭腐ってやがるんじゃねーのか?

 智樹の胸元へと惹き寄せられる視線を無理矢理引き剥がし、篤志はイライラと周囲を見回した。
 知らんぷりしてやがるが、きっとクラスメイトは耳をダンボにして興味津々に意識集中していやがるに違いない。
「やっぱり膣圧高い方が具合いいとか言うし」
「は? 具合?」
「『ミミズ千匹』とか『数の子天井』とか『三段締め』とか『俵締め』とかは、元々の膣構造がそうなってないとダメだけど、『巾着』とか『タコツボ』とかだったら訓練次第でどうにでもなりそうな気がするんだ。僕、調べたんだよ」
「得意げに言うような事かアホタレェッ!!!!」
 『偉いでしょ?』とでも言いたげに「えっへん」と胸を張る智樹に、篤志はワナワナと震えながら怒鳴り散らした。

         §         §         §

 そして水曜日の登校中には、こうきた。

「生理ってどうしたら来るのかな? 保健のまーちゃん先生に聞いたら、体が成熟したらって言ってたけど、これ以上どこが成熟したらいいんだと思う?」
 もう、怒鳴る気力も無かった。
 前日の夜にはこの馬鹿から写メが届き、その内容に図らずも興奮してしまってよく眠れなかったのだ。
 内容はこうだ。
 『初めての無駄毛処理(はあと)綺麗に剃れたでしょ?♪』
 詳しくは語らない。
 語りたくも無い。

 語ったらまた思い出してしまいそうだから。

 篤志は幼馴染みの股間に興奮してしまった自分を呪いながら朝方近くまで悶々としていたのだった。
「……知るか。俺に聞くな」
「だって僕、アッくんの赤ちゃん欲しいもん。中で射精してもらって妊娠したいもん」
 誰かこのアホタレの口を塞いでくれ。
 そう思いながら何気なく智樹の胸元を見ると、相変わらずぱっつんぱっつんの胸元で“ピンクの先っちょ”が今まで見たこと無いくらいに自己主張していた。
 内側から布地をブチ破りそうなイキオイで尖ってた。
 ぎゅんぎゅん勃起してた。
 篤志はギョっとして慌てて視線を前方に引き戻し、挙動不審に周囲を見回した。
 通り過ぎる生徒達のほとんどは気付いていないが、時々、稀にだが智樹の豊満な胸にいやらしい目を向けて、次の瞬間そのいやらしさ度数が劇的に跳ね上がる男子生徒がいた。
「トモ」
「ん?」
「その……なんだ、立ってる」
「え?」
「だから、立ってる」
「なにが?」
 きょとんとした無邪気な顔で見上げてくる幼馴染みに篤志はイライラして、思わず強引に手を引き、近くの路地裏へと引き込んだ。
「立ってるっての! その、胸……」
「ああ。うん。大丈夫だよ。コレ、『付けチクビ』だもん。ほら」
「やめっ……」
 遅かった。
 全く躊躇いも無く、智樹はセーラー服の上着をぺろんとめくってみせた。
 前日の朝と全く同じだった。
 白くてまあるくておもたそうでやーらかそうな、椰子の実みたいなおっぱいが、路地裏の影の中でぶるんと跳ねてゆさゆさ揺れる。
 確かに、“先っちょのピンク”は、赤味がやや強いシリコン製の擬似乳首で隠れている。
 が、天下の往来……しかも登校途中の通学路(確かに路地裏で人通りは無いに等しいが!)で、誰が再び着エロをやれと言ったか。
 離れたところから見たら、付けチクビかホンモノがどうかわかりゃしない。
 しかも昨日の今日で、どうしてタンクトップもTシャツもキャミソールも下に着ていないのだ!?
「アッくん、ナマ乳首吸うのイヤって言ってたから、付けチクビなら吸ってもらえるのかな?って」
「そういう話じゃねぇッ!!!!」
「あれ? 違った?」
「違うわッ!!!!」
「おっかしいなぁ……、こう、ビビビッてきたんだけどなぁ」
「……お前のアンテナ、混線してんじゃねーのか?!」
「吸わないの?」

 ゆさゆさっ♪

「ゆ、揺らすなっ!!! 早く仕舞え!!」
「吸って欲しいなぁ」

 ゆっさゆっさ♪

「トモ〜〜〜〜ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
 登校途中の通学路(路地裏)でノーブラおっぱいを晒して“ゆさゆさ”と揺らしながら、ぜひ吸って欲しいと言う幼馴染みの元男な美少女に、篤志はもう、本気でどう対処したらいいのか、完全にさっぱりわからなくなっていた。

         §         §         §

 木曜日はもっとひどい。

 4日目ともなるとクラスの女子も慣れたもので、智樹をもう何年来も女だったかのように当たり前に扱うようになっていた。
 こういう、女の状況に対する順応能力は、本当にモノスゴイ……と、篤志は常々思っているのだが。
 この日の体育は、男女ともに体育館での授業だった。男子はバスケで、女子はバレーだ。基本、この学校は短パン推奨であり、体操服はジャージのみ学校指定で、他は自由だ。ただしもちろん、「自由」とは言っても思春期の男女を不必要に刺激しないように、体の線がハッキリと出るタンクトップやチューブトップ、そしてスパッツなどは禁止されていた。
 で、あるにも関わらず、
「アッく〜〜〜ん!」
 バレーのコートで満面の笑みを浮かべながら手を振ってくる智樹は、なぜかブルマだった。

 しかも赤。

 伝説の赤ブルマ。

 それどこのエロゲ?と真面目に問いたい気分だった。
 篤志は頑張って無視した。
 なるべく見ないようにしてバスケットコートの中でボールを追いかけ、ディフェンスし、バックボードで弾かれたボールを懸命に空中でキャッチした。よほど鬼気迫る顔をしていたのだろう。相手側のチームが戦意を喪失したのか、気が付いたら大量点差をつけて勝っていた。
 気持ち良かった。
 何も考えずに汗をかいて走り回る快感を、このところ忘れていた気がする。
 智樹が女性化してから、サッカー部の練習も休みっぱなしだったからだ。
「はい」
 ゲーム終了を告げるホイッスルに、ぜえぜえと息も荒くコートを出た時、篤志は差し出されたタオルを無意識に受け取っていた。
 顔から滴る汗を拭い、息を吸い込むと、不思議と甘い香りが鼻腔を満たしてくらくらした。

 濃密な女の匂いだった。

 ぎょっとして横を見ると、いつの間にかそこに智樹がいた。
 ニコニコしている。
 体操服に赤いブルマ姿だった。
「アッくん、すっごくカッコイイ」
 目をキラキラさせて甘く見つめる眼差しに、篤志は眩暈を覚えてふらついた。
 なんてことだ。
 この四日間で、“美少女力(びしょうじょ・りょく)”がアップしてやがる。
 殺人的な可愛らしさだった。
 しかも。
『なっ……す、透け……』
 体操服が汗でうっすらと透けて、ピンクの可愛らしいレースのブラが透けていた。
 篤志の理性防御力がガガガッと削られ、ヒットポイントがギューンと減った音がした。
 瀕死の重傷だ。
 体力ゲージはもはやレッドゾーンに突入し、あとワンパンで大地に臥す。
 そこまできていた。
 ノーブラの方がまだマシだ。いや当然ノーブラがいいというわけじゃない。
 むしろブラしててくれて嬉しいが、なぜブラなんだ!?
 思考が滅裂で、自分でも何を考えているのかわからなかった。
「アッくん?」
 顔を引き攣らせながらも胸元を注視する篤志に気付いて、智樹は頬を染めて胸元を両手で隠した。
 それは、篤志があれだけ要請してた「女の恥じらい」が、今まさに智樹によって「発動」された瞬間だった。
「昨日、高屋敷さんとお店に行って買ってきたんだけど……見たい?」
 今にも体操服を捲り上げそうな智樹のそばから、篤志は逃げるようにして走り出していた。
 「山崎ィ!!まだ授業は終わってねーぞッ!!」という、体育教師の無駄に暑苦しい声を背にしながら。

 情けなくも篤志の股間のワンパクな分身は、先走り液まで滲ませて、準備万端オールオッケーなレベルまで、ギンギンに硬くなっていた。
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