■感想など■

2009年11月26日

[TS]「彼氏彼女の情事の事情」〜俺達の初体験〜

■■【9】■■

 玄関を開けたらそこに「馬鹿」がいました。

 まさしく「馬鹿」としか言いようが無い、歩く猥褻物と言うか、公衆道徳の裏切り者と言うか、とにかく青少年健全育成条例とかを頭っからガン無視した卑猥な格好で。
「じゃーーん!」
 しかも、自分で「じゃーーん!」とか言ってるし。
「アッくんに妊娠させてもらいに来ました!」
「うるせぇバカ!」
 即座にバタンとドアを閉じ、ロックしてチェーンかけて玄関先に座り込んだ篤志は、そこでようやく小さく息を吐いて大きく息を吸うと、まるで閉め出されたネコのようにドアをカリカリとやってる、元男で幼馴染みの爆乳少女へと怒鳴り散らした。
「いきなりなんだお前はぁっ!!!!」
 一瞬だけ見た。
 確かに見た。
 それで全て理解した。

 ――見たこともないような、「コスプレ風変形チャイナ」だった。

 いろんなところが“ムチムチ”だった。
 そして、“ぱっつんぱっつん”だった。
 スカート丈は太股まであった。
 マイクロミニじゃない。
 それはいい。
 ミニはミニだが、それは許容しよう。
 だがなんだあのスリットは。
 体の両側のあのスリットは。
 腰骨どころか脇まで入っている。
 脇とウエストと腰骨のちょっと上のところ、両脇それぞれ三点しかヒモリボンで繋がっていない。
 そのため、まるで金太郎の腹掛けか褌みたいだ。
 あの分ではTバックとかそういうレベルじゃない。
 ノーパン確定である。
 しかもパッツンパッツンでサテン地だ。
 ツヤツヤだ。
 どこのパーティ会場から抜け出してきたんだ?って感じだった。
 おまけに胸元は大きく開いて、巨大な椰子の実みたいな爆弾おっぱいが“もにゅん”と盛り上がり、今にも“ぶるん”とこぼれそうだった。
 ブラをしてたら1/3カップの話ではない。
 というか、ちょっと薄赤い乳暈が見えてた気がした。
 ニプレスも無しか?

 ふざけんな。

「いきなりじゃないよぅ〜? 日曜のお昼に来るって言ったよ〜? 開けてよ〜! ね〜!(カリカリカリ)」
 『日曜日の正午ね』というのは『日曜日の正午までに返事してね』じゃなくて『日曜日の正午に行くね』って事だったのか。
 何をどうしたらそうなるんだバカタレ。
「今、ちょっと親がいないんだ。だから今日のところは「やだー!」くれ」

 ……かぶっていた。

 即答どころの話ではない。
 智樹は篤志が何を言うか最初から分かってでもいたかのようだった。
 いや、分かっていたに違いない。
 そういうタイミングだった。
 見事に「帰って」のところがかき消されていた。
「やだーじゃねぇ」
「ねぇ入れてよぉ。中に入れてぇ? ずっと奥まで中にぃ…」
「誤解されるような言い方すんな」
「やだぁ……いぢわるしないでよぉ……中に入れてよぉ……ふにゃぁん」
 何が「ふにゃぁん」だ。
 発情猫みたいな声を出すな。
 いろいろ反応しちゃうだろうがっ!!
 篤志は、もう、なんだか泣きそうだった。
「お前みたいな破廉恥なヤツを家に入れたら俺の人生が終わる気がする」
「もうっ……。いいの? 入れてくれないとこのままここで開けてくれるまで待ってるよ? 近所のおばさんに聞かれたらアッくんの婚約者(フィアンセ)ですって自己紹介しちゃうよ? あれ? むしろ僕的にはその方がいいのかな? もともとアッくん以外の人と結婚するつもり無いし、アッくん以外の人とえっちするつもり無いし、アッくん以外の人の子供産むつもり無いし、アッくん以外の人のちんちん嘗めてあげるつもり」
「いい加減にしろアホタレェッ!!!!」

 ガチャン! シャリンッ! バタン! ぐいっ! ズボッ! バタン!

 ロックを開錠してチェーンを外してドアを開いて智樹を引っ掴んでドアの内側に引き込んでドアを閉める。
 その間、5秒かかってなかった。
 びっくり日本新記録だ。
 自分でも驚いた。
 驚いたが今はそれどころじゃない。
「アッく」
「黙ってろ」
 ドアを閉めて覗き穴から外の様子を伺いつつ、耳をそばだてる。
 幸い、誰にも聞かれていなかったらしい。
 楽観視は出来ないが、少なくとも通行人に聞かれた様子は無かった。
 もともと閑静な住宅街であり、休日の昼はあまり人通りが無いのだ。
「ねぇアッくん」
「黙ってろって」
「アッくん……ちょっと痛い」
「は? ……う、うわわぁ!!」
 至近距離から耳元に甘く囁かれ、篤志はぎょっとなって智樹を見た。
 そして次の瞬間、自分の手が抱きかかえるようにして幼馴染みを押さえつけながら、その豊満な右乳房を鷲掴みにしていることに気付いたのだった。
「強引なのも嫌いじゃないけど、今の僕って結構デリケートだから、出来ればもっと優しくして欲しいな」
 ニコニコとそう抜かす色気過剰なグラマー少女から篤志はサッと離れ、離れた拍子に上がりかまちで躓いて、あっけなく玄関に“どすん”と尻餅をついた。
 上から下まで眺めた智樹の格好は、薄暗い玄関で見ると一層淫靡だった。
 健康的なお色気とかそんな生易しいものじゃない。
 過剰だ。
 過剰すぎる。
 人間離れさえしている。
 ボンッ!キュッ!ボンッ!なシルエットは、ノースリーブ(袖なし)のチャイナ服着た「歩くエロフィギュア」って感じだ。
 いろんな部分が実って熟して“ぷるんぷるん”だった。
 しかも当然のように、どこにも下着の線らしい線がまるで無い。
「お、お前、その格好でここまで来たのか!?」
「……?……そうだよ?」
「そうだよ?ってなぁ……」
「ちょっと暑かったかな? こう見えて通気性あんまり良くないみたい」
「いや、そういう問題じゃなくて」
「下着つけてなくても、この服って結構暑いんだねぇ」

 やっぱりノーブラ・ノ−パンかっ!!

 篤志はげんなりして肩を落とした。
 この馬鹿は1区画離れた、時間にして7分ほどの距離を、よりにもよってこの格好でいろんな部分を揺らしながら歩いてきたらしい。
 おっぱいとか!
 お尻とか!!
 しかも太陽が燦々と照る真昼間に。
 さすがにハイヒールではなかったが、ローヒールの真っ赤なエナメルパンプスを履いているのは馬鹿としか言いようが無かった。
「俺、もう外に出られねぇ……」
「ね、ちんちん嘗めていい?」
「は!?」
 よく聞こえなかった。
 今、智樹は何と言った?
「ちんちん、嘗めていい?」

 ――聞き間違いじゃなかった!!!!

「え? ちょ……おま……」
 あっという間だった。
 “んふふ〜”と笑みを浮べながら、凶悪で犯罪的で獰猛な、歩くエロ・フェロモン散布ボディのエロチック・モンスターが、肉食獣よろしく篤志ににじり寄り、覆い被さってきた。
 上半身を倒して肘で懸命に逃げようとするが、智樹はそれを軽く凌駕するイキオイで四つん這いのまま這い寄ってくる。
 もう逃げ場は無かった。
 ほのかに甘い香りがする。
 唇がいつもより鮮やかだった。

 ――うわこいつ口紅つけてやがる。

 そう思った途端、立ち昇る、頭がくらくらするような匂いが香水と智樹自身の体臭の混じったものだと知った。
 “のしっ”と、重量感たっぷりな特大おっぱいがTシャツの上から篤志の胸板に押し付けられ、“むにゅう”“ぽにょん”と形を変える。
 肩までの明るい薄茶色した柔らかそうな髪が、サラサラと揺れ動いて、実にいい匂いがした。
「ま、待て、な? ちょっと待て!」
「待たない」
「だっ……おっ、ま…」
「待・た・な・い」
 牙城は崩壊寸前で、前線は気力が敵前逃亡して瓦解し始めている。
 敵は女のやわらかい体と火照った熱と甘い匂いと濡れた瞳と唇とその他もろもろ。
 “美少女力(びしょうじょ・りょく)”が最大MAXを越えて限界数値を突破した挙句、“美女力(びじょ・りょく)”にレベルアップしていた。
 多勢に無勢。
 まさしく絶体絶命の大ピンチだった。
 絶対に逃げられねぇ。
 そう思った。
「キ・ス」
「え、ええ!?」
「キスしていい?」
「だ……ま……」
「いいよね? ちゅーしていいよね?」
 玄関先の廊下で超絶美少女な爆乳少女に押し倒され、体の前面でその甘美な肉体の感触を味わいながら、甘くとろけるような囁きで口付けを熱望される。
 男にとっては夢のようなシチュエーションだが、篤志にとっては地獄のようなシチュエーションだった。
 何しろ、肉体的にも精神的にも抱きたくて抱きたくてたまらないのに、最後の最後で『男の意地』がそれにストップかけているのだ。

 抱くのであれば、あくまで優位性と保ちながら、自分が智樹を「抱く」のだ。

 そういう矜持がある。
 なのに、今は立場がすっかり逆転していた。

 このままでは優位性も持てず、成すがままに自分が智樹に「抱かれ」てしまう。

 それだけは避けたかった。
「アッくん……好き……好きだよ? 大好き。ちゅーしたい。アッくんの唇にちゅーしたい。して? ちゅーして? いいよね? いいでしょ? ちゅーして」
 熱っぽくねだる甘ったるい艶声。
 唇と唇の間隔は3センチも無かった。
 “ふうっ”と吹きかけられる吐息は芳しく、それだけで理性が吹っ飛びそうだった。
 畳み掛けられる甘い言葉に篭絡され、目の前の艶やかでふっくらとやーらかそうな唇に目が吸い寄せられる。
 ピンクのルージュが艶やかに瑞々しく濡れ光っている。
 なんとかしてこの場を逃れねば。
 篤志はそんな事ばかり考えていた。
「お、落ち着け。な? こ、こここここ……ここ、玄関だし、いつかあさ」
「んふ」
 「いつ母さんが帰ってくるか」。そこまで言えなかった。
 奪われた。
 唇を。
 “ねっとり”として“ぷっくり”として湿ってて濡れてて“くちゅくちゅ”だった。
 混乱した。
 甘い。
 どうして。
 混乱している間に“ぬるっ”と舌が侵入してきた。
 “ビリッ”ときた。
 口内で舌が舌に撫でられ、嘗められ、絡め取られる。
 もういい加減硬質化していた分身が、それだけで“びくっ”と震えた。

 やばい。

 そう思って懸命に堪えたが、たぶん、ちょっと、漏れた。精が漏れてしまった。パンツの中が先走りでぬるぬるだ。キスだけで最後まで射精してしまいそうだった。
 とんでもない攻撃だ。
 “んむっ”“あむっ”“はふっ”と、唇も舌も、吐息までも味わおうとするような、智樹の動きだった。
 “はあっ”と大きく息を吐き、智樹が一旦唇を離した。
 二人の唇の間を銀糸が繋ぐ。
 ごくっと喉が鳴る。
 流し込まれた智樹の唾液を、飲んだ。
 まるでアルコールを胃の腑に落としたかのようだ。
 全身が一気に“かぁっ”と熱くなった。
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