■感想など■

2009年12月02日

[TS]「彼氏彼女の情事の事情」〜俺達の初体験〜

■■【15】■■
 激しい痛みが去り、ただ痺れるような感覚だけが下半身を覆っている中、

 わかるか?

 と、「彼」は言った。
 だから「彼女」は答えた。

「うん。アッくんのでっかいちんちんが僕の中にズッポリ入ってビクビクしてるよ!!」

「ムードもへったくれもねーなお前はっ!!!」
「え〜〜〜?」
「こういう時はさ、『嬉しい、やっと一つになれたね』とか言って涙の一つも流すもんだろうが」
「『嬉しい、やっと一つになれたね』」
「棒読みかよ!」
 智樹の膣はキツかった。
 特に入り口の部分がキツく、今も分身を“きゅうっ”と締め付けてくるから、気を抜くとあっという間にイッてしまいそうだった。
 ただ奥の方は狭いが入り口ほどでもないのか、なんとなくぬるま湯につけているような、奥へと分身が吸い込まれるような感覚だけがあった。
『こういうの、なんて言うんだっけ? トモは何て言ってた? 巾着袋? 蛸壺だっけ?』
 それを思うと、智樹のアソコは名器なのかもしれない。
 少なくとも今までエッチした過去の女の、誰とも違う気持ち良さだった。
 根元まで押し込んだ分身は、智樹の微細な肉襞のヴェールに包まれ、蜜液がねっとりとまつわりついている。
 たっぷりと濡れて潤った膣内は、あたたかく、そして貪欲だった。
「ト、トモ、あんまり締めるな」
「あんっ……そんなことしてないよ?」
「だってお前……」
 智樹のあそこは“きゅ、きゅ、きゅ”と断続的に分身の根元を締め付け、“ぐにぐに”と蠢いているが、無意識にそうしている……というより、体が意志とは無関係にそうなってしまうようだ。
 篤志は腰からぐずぐずに溶け崩れてしまいそうな感覚に、どうしても声が上擦ってしまうのを感じている。
「イッていいよ?」
「馬鹿お前……そんな」
「ほら、僕まだ生理来てないし、中で出してもまだ赤ちゃん出来ないと思うから大丈夫」
「そうなのか?」
「出来たら嬉しいけど、アッくん、嫌でしょ?」
「……今はまだ……な」
「嬉しい……それで十分だよ」
「そうか」
「うん」
 そこからは2人ともほとんど無言だった。
 というか、喋る余裕すら無かった。
 よくエロ漫画とかエロゲーとかアダルトビデオとかだと、挿入してからも結構ベラベラと喋ってた気もするが、そんなものは嘘っぱちだと篤志は思った。セックスそのものは初めてではないし、性欲処理と割り切った関係だった相手もいたけど、それでも挿入してから何かを喋るとか、そんな余裕あるわけがない。いっぱいいっぱいだ。相手を気持ちよくさせないといけないと思ったり、早くイカないようにしようと思ったり、常に頭の中ではぐるぐるといろんな想いが溢れかえっていて、口を突いて出てくるのは荒い吐息と小さな呻きだけだ。時々「気持ち良いぜ」とか「最高だな」とか「好きだよ」とか言った事もあるが、あんなものは適当に言っておけばいいや的な、その場限りの心の入っていないリップサービスみたいなものだった。
 智樹の方はもっと切実だった。間断無く繰り返させる膣への太くて熱い灼熱棒に、悲鳴すら上げられず必死になって歯を噛み締めていた。もっとゆっくりして欲しいのに、篤志ときたら我を忘れたように“じゅくっじゅくっじゅくっ”とピストン運動を繰り返してくる。もっとも、それは智樹の主観的な感覚あって実際には篤志は今までに無いくらいゆっくりと抜き挿ししていたのだが、実際に体に杭を打ち込まれ激痛を与えられている智樹にはわかろうはずもなかった。
 逞しくて硬い筋肉が皮下でうねる篤志の体を抱きしめながら、智樹は頭上から降ってくる彼の荒い吐息と呻きを感じている。女になって背が少し低くなり、篤志と同じくらいだった身長が口元あたりまでになったため、こうしていると口元がちょうど彼の肩口に当たる。
「ご、ごめん、我慢、出来ない」
 何分、何十分、何時間されていたのかわからないが、不意に頭上で彼がそう呟き、打ち込まれる灼熱棒の速さと深さが増した時、智樹は目の前が真っ白になって不安に押し潰されそうになり、気が付いたら彼にしがみついて彼の肩に歯を立てていた。それは「逃がしてなるものか」と、膣奥への射精を請う受胎願望が成さしめたものなのか、それともただ単に一層増した痛みへのささやかなる復讐だったのか。それは智樹自身にもわからなかった。
 ふと、こういう時、何か言った方がいいのだろうか?と、言葉にしたらそんなような想いが智樹の脳裏をよぎった。女になってから篤志に抱いてもらうため鋭意努力を欠かさなかった自分ではあったが、さすがに女らしい「男を誘う言葉」とか「男が喜びそうな媚びた言葉」とかは中々習得出来なかった。知識としてはエロ漫画とかエロゲーとか、そういう妄想系欲望充足用メディアくらいしかなかったのだ。
「ぼ、僕のあ、あそこ、アッくんの、か、かたちになるよぅ……アッくんせ、専用になるよぅ……」
 我ながら馬鹿っぽいと思わなくも無いが、平静であればそう思った台詞も、こうした状況で口にすればそれはそれでしっくりくるものだ。
「嬉しいだろう?」
 篤志も懸命な吐息の下からそんな言葉を返してくれるものだから、智樹の小さな……巨大に熟れた胸も躍ろうというものだ。
「うん!嬉しい!嬉しいよっ!!」
 本当に、涙が出そうなくらい嬉しかった。
 というか、出てた。
 涙腺が壊れたんじゃないか?というくらい涙が“ぼろぼろ”とこぼれて落ちた。
 そして、
「う…」
 彼の律動が止まり、息が苦しいくらいに「ぎゅうう」と抱き締められ、熱く痺れたようになっている膣内で彼のちんちんが“びくびく”と脈動するのだけが確かな感覚として刻み込まれた。智樹は彼の腰にガッチリと両脚を絡め、もっと深く、もっと奥へと誘うように締め付ける。それはまるで、膣内射精のまま一滴残らず吸い取ってやる……とでも言っているようだった。
「あぁ……すごい……ア、アッくんのちんちんが……びゅーびゅーいってる、よ!……それに僕の、お、おまんこが……が、ゴクゴクいってる!……すごいっ……すごいよぅ……」
 膣内の奥深く、女になった体の深遠に、愛する人が快楽の末に激情を放ってくれたという事実が、ここまで身も心もとろかすものだと、智樹はその時初めて知った。
 それは、

 なんという充足感!

 なんという幸福感!!

 そしてなんという達成感!!

 これが女のロジックなのだろう。
 愛した男に愛してもらえれば、それだけで人生が、世界が、この世の全てが幸せで満ちるのだ。
 充実し、幸せを実感し、男に愛されたという達成感が自信へと繋がる。
 男に愛された自分を自分で肯定するのだ。
 男だった時、世の女達がなぜにこうも毎日毎日四六時中365日いつでも「恋」だの「愛」だの、とかく恋愛にばかり興味を引かれ、行動のほとんど全てに本能的な愛情を求めるのか不思議だった。「男のためにやってるんじゃない、自分のためにやってる」と言いながらも、服も化粧もヘアスタイルも全てが男に向いている。列車広告や新聞広告には「愛され上手」とか「愛されコスメ」とか「彼に愛されるオシャレ着」とか、相手に愛されるためのノウハウが踊り、それを当然のように受け止めている人たちがいる。
 それもこれも、この瞬間、そしてここから続く「男に愛されている自分」という事実が与えてくれる自分への肯定感を思えば、納得も出来た。
「僕、わかった気がする……」
「何が?」
「たぶん、僕、アッくんにこうしてもらうために女になったんだよ」
「さっきも言ってなかったか?」
「うん……でも、それってまだわかってなかった。でも、わかったんだ」
「……今?」
「うん。今」
「そうか」
「ねえ、アッくん」
「なんだ?」
「僕はアッくんのモノだよ? 僕の全部は、アッくんのモノだよ? おっぱいもあそこも、全部ぜんぶ、アッくんだけのモノだよ?」
「うん? ああ、それもさっき」
「まだ先があるの」
 智樹はちょっとだけ間を空けて、“ちろり”とピンク色の舌で唇を嘗めた。
「僕はアッくんのモノ。でもね、アッくんも、もう僕のモノなの。この手も、指も、爪も、この肩も、この顎も、この脚も顔も頭も、そしてここも」
「う……」
 萎えかけた分身を“きゅきゅきゅ”と智樹のあそこが健気に締め付ける。
「ぜんぶ、ぜーんぶ、僕のモノなの」
 かつては幼馴染みで友達で、チームメイトでコンビでツートップだった男が、自分の知らない「女の貌(かお)」を見せたその瞬間を、篤志は一生忘れないと、そう思った。


 ――ちょっと背筋が“ぞくぞく”した。
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