■感想など■

2009年12月03日

[TS]「彼氏彼女の情事の事情」〜俺達の初体験〜

■■【エピローグ】■■
 その後、夏休みに入って篤志と智樹は「交際」を始めた。
 交際とは言っても、何かにつけていつもつるんでいた2人だったから、いつもとの夏と何も変わらない感じではあったけれど。
 変わったのは智樹が女になって、以前より会話の内容のベクトルが変わったことくらい。
「豊胸手術ってあるじゃない?」
「うん?」
 この日もクーラーがよく効いた篤志の家のリビングで、テレビの前のソファに仲良く並んで座り、智樹が近所のレンタルビデオショップで借りてきた動物モノ映画を観ていると、急に「彼女」は言い出した。
「おっぱいを大きくする手術なんだけど」
「ああ」
 ちなみに、映画の内容とは全く関係が無い。
 画面には何年も離れ離れになっていた小熊の母子がようやく再会を果たした感動的なシーンが映し出されている。
 たぶん、篤志には与り知れぬロジックが智樹の頭で展開されたのだろうが、それを知る術は篤志には無かったし、あるとも思えなかった。
 対する篤志はもう慣れたものだ。
 こういう突拍子も無い言動にいちいち反応していたら、女性化した智樹とは付き合えないからだ。
 この数週間で、それを篤志は嫌と言うほど学んでいた。
「大きくするのが豊胸だったら、小さくするのは何て言うのかな?」
「小さくしたいのか?」
「アッくんが望むなら」
「……俺がンなこと望むわけがねーだろ」
 自他共に認めるオッパイスキーなのだから。
「だよね」
「……わかってんなら言うなよ」
「うん。で、まあ、それはそれとして、何て言うんだろう?」
「そのネタ、まだ引っ張るのか?」
「だって疑問を疑問のままにしてるとしこりが残るもん。しこりは怖いよ?」
「乳癌みたいに言うなよ」
「『豊胸』の『豊』は『ゆたか』でしょ? でも『ゆたか』の反語が『まずしい』としても『貧』にすると『貧胸(ひんきょう)』ってちょっとアレだよね」
「アレってなんだよ。それを言うなら貧乳だろ」
「『貧乳手術』? 貧乳にしたいのか、貧乳だから豊胸したいのかわからない感じ」
「米とかは『豊作』って言うよな?」
「『豊作』かぁ……その反対は? 『凶作』? ……じゃあ『凶胸手術』……うわなんか禍々(まがまが)しいねっ!」
「……思ったんだけど、普通に『減胸手術』でいいんじゃね?」
「僕もそう思った」
 毎日こんな感じだった。
 ヒマさえあればサッカーの話ばっかりしていた数週間前までとはまるで変わっている。

 ……ちょっと馬鹿っぽくなった気がしないでもない。

 篤志はそう思う。
 思いながら、それもいいかと思い始めていた。
 元々、恋とか愛とか、そういうものは他人から見たら馬鹿っぽいものでしかないからだ。
 ならば、自分達がそうしてはいけないという法も無いだろう。
 篤志はそうも思うのだ。
「小さくしたいって、思ったことあるのか?」
「う〜ん……たまに」
「あるのか」
「これだけ大きいと肩がすごく凝るし、揉まれるし」
「揉まれる?」
 “ぎょっ”として智樹を見ると、その視線はテレビの液晶画面を左右に揺れていた。
「女の子って、ホント同性相手だとまるで容赦無いよね。おっぱいなんかほとんど毎日揉まれてたしキスだって」
「なんだ女子か……え? キス?」
「あ、うん。まるで挨拶みたいなフレンチなやつだったけど。同性だからノーカンだよね?」
「……ああ、まあ、な」
「なに? アッくん嫉妬した?」
「いや……あー……まあ、な」
「ふふっ。大丈夫。僕はアッくんのモノだよ? 不安になんかならなくても」
 その通りだ。
 まったくもって不本意ではあるがその通りだった。
 改めて篤志は思う。

 ――俺は智樹が好きなのだ。

 今更口にするのも恥ずかしいが。
 自分だけのものにしたくて誰にも渡したくなくて身も心もいつどこででも手の届くところになくては我慢出来ないほどに。
 もし自分以外の男に触れられたりしたらと、不安にならないわけがない。
 篤志はそんな事を思いながら、隣でニコニコと屈託無く笑うとびきりの美少女の長い睫を見ていた。この角度で見る智樹の横顔は、篤志にとって理想的な「美少女像」にピッタリと合致している。それは、店のお釣りの小銭の中に“ギザ十”を見付けた時のようなひそかな喜びではあったけれど。
 智樹を引き寄せ、その“ぷるっ”とした瑞々しい唇に口付ける。
 そうしながら大きく前方へと張り出した薄いタンクトップの下に手を忍ばせてまさぐり、もったりとした豊満な乳房に手を伸ばした。
 ゆるやかでまあるくあたたかな球面に指先が触れる。
 ノーブラだった。
 最近、智樹はしっかりとブラをして乳房の型崩れに気を使っているが、篤志と一緒の時はノーブラと決めているようだった。
 もちろん、篤志が触りたいと思った時に、すぐ触ってもらえるように、だった。
 だから智樹は抵抗しない。
 抵抗らしい抵抗など、したことも無かった。
 いつ、どこで、何をしていても、篤志が求めれば智樹は応えてくれるのだ。
 好きな時に嘗めた。
 テレビを見ながら揉んだ。
 口が寂しくなったら乳首を吸った。
 道を歩いていて人目を盗んで嘗めたこともある。
 それでも智樹は抵抗しない。
 むしろ喜んでおっぱいを捧げてくれた。
「ん……」
 乳首はもう硬く尖っている。
 夏の間、何度も何度も何度も何度も何度も弄り、転がし、嘗め、しゃぶり、吸い、甘く噛んだ乳首だった。
 なのに、ちっとも飽きた気がしなかった。
 それはそう、とても
「……幸せ……かもしれない」
「かも?」
「幸せ……なんだろうな」
「なんだろうな?」
「……幸せだ」
「よろしい」
 篤志と智樹は婚約している。
 何をどうやったのか知らないが、智樹の両親が法律的な問題をクリアし、智樹は新しい戸籍と名前を手に入れたのだ。
 法的に効力を発揮して、公的機関のデータベース改変と共に文書で通達されるのは、10月1日からとなっている。
 その時、『智樹』は『智華』となるのだ。
 そして……やがて「彼女」は「山崎智華」となる。
「するの?」
「だめか?」
「いいけど、さっきのが、まだ……やん」
 篤志は応えず、智樹の下着を“するっ”と膝まで引き下ろしてソファの上に「彼女」を引き上げた。そうして四つん這いにさせ、適度に肉のついた魅惑的なヒップを開く。そこは“ぬるぬる”と濡れそぼり、ついさっき中で射精した残滓が“ぷりゅ”と可愛い音を立てて膣口から垂れ落ちてきていた。
 手馴れた調子でトランクスを下ろし、篤志はそこに――自分の精液の溜まった智樹の膣内に、“再び”分身を“ぬるる……”と挿し入れていった。
「ぁあ……きもち、いい……」
 愛しい人にお尻を捧げ、溜息のような熱く湿った言葉を紡いで、智樹はソファに頬を付けたままゆっくりと瞳を閉じる。
 テレビの液晶画面には、黒地に白字でエンドロールが流れ始めていた。

 一人息子が一人娘になり、あまつさえ数週間後には婚約するに至って、智樹の両親が発した言葉は
『孫はいつ頃?』
 だった。
 まだ生理も無い、このまま女でいつづけるかどうかもわからないのに、だ。
 ひょっとして、何もかもはこの2人が仕組んだ事なのではないか?と、「形だけでも」と婚約の挨拶に行った際、篤志は智樹の両親を前にして考えなくはなかった。そこそこ名の知れたやり手弁護士の父親と、某有名薬品会社の主任研究員である母親。あまつさえ弁護士の父親が所属する大手事務所は、母親の薬品会社のお抱え顧問弁護団もしていなかったか?
 小さい頃から篤志のことを気に入ってて、冗談交じりに「ウチの子になっちゃえば?」と言っていたが、まさか……ねぇ。
「ハメられた……?」
「何が?」
「なんでもない」
「ハメられてるの、僕の方なんだけど?」
「下品な事は言わなくてよろしい」
「はぁい」
 篤志は智樹の肉付きのいいヒップを掴み、その狭間に股間を押し付けて分身をさらに圧し込むと“ぐにぐに”と揺すった。
「ぁうん……ふん……ぁあん……」
 篤志の腰の動きに合わせて“くねくね”と、智樹の腰がうねる。
 体の奥深くに挿し込まれた篤志の分身が、たっぷりと濡れた膣壁に“むちゃむちゃ”と「食べられる」。
「あぁ〜〜〜……」
 ソファの上に四つん這いになって篤志の分身を受け入れる智樹は、心から嬉しそうに身を震わせた。タンクトップを捲くり上げ、滑らかな白い背中を剥き出しにして、篤志はその背骨の一つ一つを確かめるようにして指を滑らせる。そうすると分身を締め付ける智樹の膣口が、面白いくらいハッキリと“くにくに”脈動する。
 篤志は智樹の脇から右手を差し入れ、重力に引かれて垂れた重たい巨大乳房(メガおっぱい)を手のひらを大きく広げて掴んだ。しっとりもっちりとした吸い付くような肌触りは、クーラーが効いた部屋であっても変わらない。そして、この充実感は、例えハメられたのだとしても文句など言いようも無かった。

 ――確かに自分は幸せなのだろう。

 篤志は思う。
 可愛くて素晴らしく魅力的な体を持った、自分のことを誰よりも理解(わか)ってくれる、子供の頃からの一番の理解者。
 智樹が女にならなければ決して得られなかったとはいえ、それでもそれによって最上の伴侶を手に入れたと思えば、それを不幸だと思う方がどうかしている。
「はっ……はんっ……んっ……はんっ……」
 鼻に抜けたような声が聞こえる。
 智樹の悦びにむせぶ声だ。
 篤志の腰の動きが無意識に早くなる。
 自分の太腿と智樹の尻の立てるちょっと間抜けな“ぺちっ…ぺちっ…ぺちっ…”という肉打つ音が、やがてリズミカルな“ぱんっぱんっぱんっ”という小気味良いものへと変わってゆく。
「はあんっ……はっ…はっ…はっ…はうっ……うっ……んっ……」
 智樹の体が、乳房が、尻が、揺れる。
 吐息が、甘ったるい喘ぎ声が揺れる。
「アッくん! ア、アッくぅん!!」
 射精を望む声がする。
 中に出してと智樹が泣いている。
 夏休みに入ってから、ほとんど毎日のように智樹を抱き、ほとんど毎日のようにその膣内に射精している。
 子供は出来るだろうか?
 篤志はぼんやりと思う。
 もし出来たとしても、まだ高校も卒業していない自分が子供を育てられるわけもないことを彼は自覚している。
 だが、子供が出来たら智樹は自分で育てると言っている。
 篤志のサッカーへの情熱を消さぬよう、子供が出来ても出来なくても、結婚は篤志のプロ入りを待つらしい。
 それだけの財力が相沢家にはある。
 そしてそれは相沢家のみならず山崎家……つまりは篤志の両親も含めた総意らしい。
 あとは篤志が高校を卒業してプロサッカー選手になる「だけ」だ。
 なれないなんてこれっぽっちも思っていない智樹が、そう思っているのだ。
『逃げられねぇよなぁ……』
 逃げようなんてこれっぽっちも思っていない篤志は、そう思ったりもする。
 全ては、7月13日の月曜日の朝にはもう、決まっていたのかもしれない。
 だから篤志は思うのだ。

 まあ結局、現実なんてのは、こちらの都合なんぞお構い無しに、ある日突然、変わってしまうものなんだ。

 ……と。

         −おわり−

■■「彼氏彼女の情事の事情」〜俺達の初体験〜■■

「2009/08/22(土) 02:10:42」投下開始
「2009/09/26(土) 02:57:35」完了
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