■感想など■

2010年11月03日

◆◆ Act.07 ◆◆「歓喜」◆◆

■■【1】■■

 ベンチの周りには、ボール遊びをする子供や、その子供をにこにこと眺める老夫婦、そして恋人と語らう若い男性の姿もある。学生らしい集団が、サティの股間を嘗めしゃぶる幸一の背後を談笑しながら通り過ぎ、サティが潤んだ瞳でそれを見やると、向こうもこちらに視線を投げかけてくる。

 見てる。

 みんな、見てる。

 子供も、母親も、老夫婦も、男も、女も、学生も、サラリーマンも。

 みんなが私の恥ずかしい姿を見ている。

 サティはその赤い顔を反らして唇を噛んだ。
 もちろん、彼等は全てがデータの集積体であり、命持たぬ仮想人格である。
 自立性仮想人格(人工知能)を有した、プログラムの投影体である。
 だから痴態をいくら見られたとて実際にはどうということはないのだが、恥じらいこそセックスにおいては大切なファクターであると認識しているサティにとって、彼等からの視線は羞恥を刺激し性感を倍増するスパイスの役目を持っていた。それに、幸一が恥らいを持った女性を愛するタイプであるのを周知である以上、“乙女の恥じらい”を自分から失くすことは絶対に避けなければならないという認識もあった。
「恥ずかしい?」
 彼が、わざと聞いてくる。
 サティは目をぎゅっと瞑ったまま、唇を震わせながらこくんと頷いてみせる。
「僕はそんなサティを可愛いって思うよ」
 『可愛い』という言葉がサティの意識をノックして、性感を何倍にも高めてゆく。

 彼に愛される自分。

 彼に可愛いと言われる自分。

 彼に可愛がってもらえる自分。

 それは全ての肯定に繋がる、『愛の証拠(あかし)』だった。
 サティがマゾヒズム的嗜好に目覚め、染まることは、さして不思議な事ではなかった。
 強大で絶対的な力を持つサティ(この場合は大サティ)にとって、「愛する人に自由にされたい」という願いは常に心の中にあり、日々熱病のように彼女を侵しているのだ。
 それが、愛合を行うパーソナリティである小サティにおいて表面に現出するのは至極当たり前であると言えた。
「こ、こうい、ち、さん……おねがい……おねがい……」
 自分のあそこを嬲り、嘗めたくる愛しい彼の髪に両手を入れて撫でながら、サティはうわ言のように懇願し続けていた。美しい顔は涙と、口元から垂れた涎でぐちゃぐちゃに濡れて、赤く染まった肌は発汗によってしっとりと濡れている。
 彼女が何を望んでいるか。
 それは火を見るよりも明らかだった。
「欲しい?」
「ほ、ほしっ……こうい……さ……の、ほしいのぉ……」
 がくがくと懸命に頷きながら、膣内を出入りする彼の指に意識を持っていかれそうになる。
 でも、足りない。
 足りないのだ。
 指だけでは、もう我慢の限界だった。
「こうい……さんの、おちんちん……おちんちんほしいのぉ……」
「もうちょっと我慢してよ。僕、まだちゃんとサティを味わってないから」
「そ、そんな……」
 フェラチオによる『ラヴ・ドリップ』の体内吸収では、ラヴ・エナジー補給は不十分である。もちろん、それによってひりつくような飢餓感は和らいだものの、今ではそれとは別の欲求……愛しい人と一つになり、互いに快感に溺れながら高まってゆくという欲求が、サティの心を大きく占めていた。
『……ちんちんっ……おちんちん……おちんぽ……幸一さんのおちんちん……熱いの……硬いの……コチコチで、ずんずん……お腹の中っ……おちんちんっ……ちんちんっ……ちんちんっ……』

 あと、ちんちんも。
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