■感想など■

2010年12月14日

[LIPS]『Piece.00』「夜明け」〜決戦前夜〜

■■ Scene.03 ■「奉仕」■■


 男性の性器に口で奉仕する。

 その行為を、彼女は今まで嫌悪の対象としてしか見ていなかった。

 5年前……そう、あの、忌まわしい事件の後、彼女は密かに、格闘術の師匠ザンガンによってミッドガルへと連れてこられた。
 「あの男」によって付けられた傷は思いの外深く、師匠は、彼女の命の危険を察して、当時ミッドガルに住んでいた彼の昔馴染みの医者を頼ったのだ。
 彼女の傷が癒える頃、師匠は何も言わずに姿を消した。
 独りぼっちになったティファは、医者に引き取られ、養女となったが、その医者も3年前に死んでしまった。
 後に残された金と、彼を慕っていたスラムの人々のおかげで彼女は今までなんとか生きてこられたが、オンナが一人で生きていく事は、そんなに簡単な事ではない。
 スラムの酒場を任されるきっかけも、当時付き合っていたオトコのつてなのである。

 ミッドガル最下層、スラムは、汚物と腐敗の吹きだまりと思われているが、あながち嘘ではない。
 だが、そんな場でも、生きていくルールを身につければ、問題はない。
 彼女が取り仕切る、セブンスヘブンの客は上品な人間ばかりではないから、彼女にも色んな男達から卑猥な言葉がかけられたりする。
 時には、いきなりお尻や胸を触わる男もいたが、そういう男は、えてして流れ者か、アバランチの新参者が多かった。
 もちろん、そんな事をした男が、まともなまま店から出られる筈はない。
 大抵は、ティファが「やんわり」と注意してやれば、泣きながら自分の非を認めて(どんな風に言い聞かせたかは、推して然るべし……と言った所か)、次からは決して同じ事はしない。
 ティファが言って聞かなければ、アバランチの仲間が後でこっそりと半殺しに(!)してくれた。
 けれど人の口に戸口は建てられない。
 酒を楽しく飲む場所なのだから、酒の肴にされるくらい、もう何とも思っていない。
 彼女の豊かで、むっちりと重そうに揺れる胸や、豊かであるのにきゅん……と締まってすっきりとしたお尻、それにすらりとした白くてすべすべの脚を目当てでやって来る客もいるのだ。
 また、ティファ自身も、そんな自分の体を誇らしく思っていたし、使えるものは親の死体でも使うつもりでないと、ミッドガルのスラムでは生きていけない事を知っていたから、躊躇などしなかった。

 けれど、そんなティファでも、しない事、してはいけないと自分に誓った事がいくつかある。
 仲間を裏切らない事。
 人を殺さない事。
 女子供に手を出さない事。
 それらが、そうだ。
 その中に、どんなに苦しい時にも決して犯さないと決めた約束事がある。
 それは、自分の体を売りものにしない事。
 つまり、セックスで金を得ようとしない事である。
 彼女にも、寂しくて寂しくて、身が竦みそうになる夜がある。
 彼女もオンナなのだ。
 そんな時には、男と肌を合わせる事もあった。
 けれど、そんな時にも、決して男からの恵みは受けた事が無い。

 彼女は自分の考え方が、スラムに住む、他の女の人と違う事を知っている。
 知っていて、それでも、その考えを変えようとしない。
 否、変えられないのだ。
 誇りに思っていると言ってもいい。
 どんなに落ちぶれても、明日の食事に困っても、魂まで汚れたくないと思うのだ。
 愛の無いセックスほど、心を冷たくし、そして魂の輝きを曇らせるものはないとさえ、思っている。

 だが、そこに愛があれば、彼女は容易に奴隷に陥ちる。
 ……ほんの少し前まで、あんなにも嫌い、汚らわしいとさえ思っていた行為を、嬉々として、してしまえる程に……。

「ん……ん……ん……んふ……ん……」
 規則的な反復は、彼女の艶やかな黒髪を揺らし、彼の剥き出しの下腹の上に降りかかった。
 その髪を、彼が指で優しく掻き揚げてくれる。
 彼女は集中するだけで良かった。
 ぷちゅ……くぷ……
 彼が身を捩り、自分のモノが、彼女の口を犯しているのを見る。
 彼女は、それに気付いて、わざと見えないように顔を振った。
 自分が、まるでケモノのように彼を貪る所を見られるのは、たまらなく恥ずかしい。
 彼が拗ねたように口を歪めたのが、目の端に引っかかったが、彼女はそれでも決心する事ができない。
「見たいんだ……ティ……」
 ちゅる……と彼のモノから口を離して顔を上げ、彼を上目遣いに見る。
「だって……」
「ティが俺を愛してくれる……それを見たいと俺が思うのは……いけない事なのか?」
 今の彼女には、そう言われても尚、拒む事など出来なかった。
 全てを許し、全てを彼に捧げると誓ったのだから……。
「あんまり……じっと見ないでね……」
 けれど、快感に震える彼の瞳を見ながら、その彼に奉仕する事に、この上ない悦びを感じてしまうまで、そう時間はかからなかった。
『私がこの人を気持ち良くしてる……』
 その想いは、なにものにも代え難い快感を彼女に与えるのだ。

 丁寧に舐めあげ、たっぷりと唾で濡らしても、それよりも多くの粘液が先端から溢れる。
 その粘液を舌をいっぱいに広げて、一滴も残すまいとでもするのように、ねろ……と舐めつけた。
 こくん……
 喉を鳴らし、猫が人の脚にするように、彼のモノにすりすりと頬を擦り付ける。
「ふう……ん……」
 ごろごろと甘えるように彼を見上げ、とろん……とした瞳で何か言いたげに、唇の間からちろ……と舌を覗かせた。
「出して……」
「……ティ……」
 『私の口に出して』と言っているのだとわかるのに、彼は少しの時間を要した。
 くうん……
 もじもじと脚を擦りあわせ、ミニスカートにかろうじて包まれた、豊かなお尻が揺れる。
 その柔らかな双丘の狭間には、トロトロにとろけた彼女の『花』が露を滴らせているに違い無いのだ。
 けれど、彼女は「口に」欲しいと言う。
 今すぐにでも彼女の中に入っていきたい欲望が、ずっと前から彼の中で猛っているのに……だ。
『仕返しのつもり……なのか……』
 彼はちょっとだけ、彼女が憎らしくなる。
 さっき、散々彼女の乳房を苛め、彼女にたっぷりと泣き声を上げさせたばかりである。
『昔から負けず嫌いで……執念深かったもんな……』
 彼女は子供の頃から、一度受けた事は、恩でも仇でも忘れた事はないのだ。
 けれど、彼女は彼のそんな思惑を知ってか知らずか、彼のモノをむにむにと握りながら、微かに唇を開き、潤んだ瞳を向けた。
「………………………………好き」
 まるで溜息をつくように紡ぎだされた言葉は、彼女の頬をより一層赤く染める。
 しかし、一度紡いでしまった言葉は、長い間塞き止められていた川の流れを解き放ってしまったようだった。
 ずっと言えなかった、ずっと言いたかった言葉なのだ。
 幼なじみであるだけで、この言葉を口にする事が出来なかった。
 同じ時を過ごす事が、当たり前になっていた頃ではない。
 男と女として再会してからも、言うタイミングを逃してからは、想う事さえ押し止めていた言葉だ。
「好き…………好き好き好き……好きなの……好き……愛してる……」
 ぺろぺろと彼のモノを舐め上げながら、いつしか彼女の瞳から、涙が止めど無く流れていた。
「もう……一人は嫌……あなたがいないとダメなの……あなただけなの……」
 一心に舌で奉仕する彼女は、身も心も『彼のモノ』となる事を渇望している。
 彼に征服され、魂の一番深い所に印をつけられる事を望んでいる。
 『クラウド』という決して消える事の無い、永遠の印を刻み付けて欲しいと、泣いているのだ。
「一人にしないで……一人でどこかに行かないで……一緒にいて……私を愛して……ずっと愛して……」
 ちゅっ……ちゅっ……と口付けを降らせ、彼の茂みすら、唾でしっとりと濡らして撫で付ける。
 抜け落ちた茂みさえ、彼女は愛しげに飲み込んだ。
 『食べてしまいたいほど愛しい』という言葉の意味をそのまま体現しているかのようだ。
「愛して……ずっと……ずっと……忘れないで……私を忘れないで……」
 何度も請い、すがり、涙を溜めた目で、上目遣いに彼を見つめた。
 そうして、彼のモノを、深く、深く、呑み込む。
 喉に当たっているのでは……と思えるほど深く咥え込み、そのまま顔を左右に振りたくる。
 口の中では舌が休む事無く絡み付き、唾液を擦り付けていた。
「……っは……」
 一旦ぬるるる……と先端まで唇を上げ、再び深くまで、自らに突き通そうとする。
 その姿は、彼の胸を熱くした。

 そして唐突に波が……来た。

 押し寄せ、そして引く。
 腰の直下、袋のすぐ後ろの奥が熱くなり、彼は自分でも、モノがきゅううう……と収縮するのがわかる。
「あ……」
 一心に彼のモノを擦り上げ、しごいていたティファが、その変化に気付き、慌てて口に頬張った。
「ふっ……うっ……」
 彼が小さく息を吐き、ビクン……と体を震わせた途端、彼女の喉の奥めがけて、大量の精が飛び散った。
「!……」
 ぎゅ……と眉を顰め、何かに耐えるようにじっとその洗礼を受けていた彼女は、やがて、唇でしごくようにしてモノを抜き出すと、こくん……と喉を鳴らして、全てを飲み下した。
「あなたの……」
 何を言おうとしたのか、彼女はしゃくりあげるように大きく息を吸うと、ぽろぽろと再び涙をこぼし始めてしまう。
「……どうして……?」
「わかんない……でも、うれしいの……すごく……うれし……」
 そうして、彼のモノを咥え、中に残った一滴までも吸い付くそうとするかのように、ちゅうちゅうと吸い始める。
 ぴちゃぴちゃと音を立てて舐め続ける姿は、クラウドに、昔、故郷で母親が可愛がっていた猫を思い出させていた……。
この記事へのコメント
そういやティファって17歳だったよね
Posted by 青玉 at 2010年12月14日 13:06
 FF7時は20歳です。
Posted by 推力 at 2010年12月14日 15:49
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