■感想など■

2010年12月28日

[LIPS]『Piece.00』「夜明け」〜決戦前夜〜

■■ Scene.07 ■「愉悦」■■

 再び涙が満ちていた。
『私……泣いてばっかりだ……』
 彼に体を自由にされながら、彼女は涙を止める事が出来ない。
 彼の前で初めて涙を見せてから、何かが自分の中から抜け落ちてしまったように感じる。
 それは「強くありたい」と願う心とは、相反するもののような気がした。
 ザンガン師匠が聞いたら、その太い眉を吊り上げて叱咤しそうな想い……。
 「守りたい」という想いと同じくらいの重さで、「守って欲しい」という想いがあるのだ。
『この人に全てを委ねて、全てを守ってもらいたい』
 親鳥の羽毛にくるまれて、この世の全てから護られる雛鳥のように……。
 そうして、優しい言葉をいつも……いつもいつも与えて欲しい。
『愛している』と言って欲しい。
 その『呪文』は、彼女の心を孤独から救ってくれる「光」となるのだから……。

「ふぁあ……あん……」
 シーツを握り締めて喘ぐように首を振る彼女は、お尻の狭間を走る、湿ったモノの動きを、正確に感じている。
 痺れて、爛れたような思考の底で、そこだけが奇妙に冴え渡り、彼女の感覚を鋭敏にしているのだ。
 豊乳がシーツに押し付けられ、いやらしくひしゃげても、それは痛みに変わる事無く、彼女の芯を刺激している。
 彼は、捧げられた丸い造形を、両手で撫で、掴んで、その狭間を押し広げようとする。
「あ……い……いやっ……いやっ……」
 きゅうう……と後ろの蕾が緊張し、彼女は逃げるようにしてベッドを這った。
 そうして、お尻を隠すようにして仰向けになり、彼を睨む。
「やなの……そんなの……や……」
「どうして?」
「だって……汚いもの……」
「そうか?」
「そうよ……嘗める……なんて……」
 唇を突き出し、拗ねたように視線を逸らす彼女に、彼はおかしそうに笑ってみせた。
「気持ち良く無かった?」
「………………」
 彼女は、濡れた瞳を隠しながら、沈黙で答えた。
 なんて答えればいいのだろう……。
 彼女は視線を巡らせ、右手の人差し指を唇で挟む。
 恐かった。
 恐かったのだ。
 なぜなら「そこは感じてはいけない所の筈」だったから……。
「クラウド……意地悪ばっかり……」
 彼は、甘く睨んで両腕を伸ばす彼女を、優しく置き上がらせて、ベッドに座らせる。
「良かったんだろ?」
「ばか……」

 ふうん……

 鼻を鳴らして、甘えるようにキスをせがむ彼女に答えながら、彼は左手で、彼女の『花』を探った。
「はっ……あ……んん……」
 ぴくん……と震え、首を竦めた拍子に、豊かな胸が揺れる。
 彼はちゅる……と指についた蜜を舌と唇で嘗めとると、その指を彼女の唇を割って、中へと差し入れた。
「ん……ん……ん……ん……ん……ん……ん……」
 リズミカルに首を振り、舌を蠢かす彼女は、陶然としてその行為に没頭してしまう。
 右手で乳房をこねてやりながら、時折、紅い実をこりこりと摘まんだ。
「んあっ……」
 やがて彼女の瞳が、とろん……と甘い光をたたえると、彼の指を、名残惜しそうに嘗める彼女の舌を、ちゅる……と唇で捕まえて、今だ双乳を押し付けていたタンクトップを、ゆっくりとたくし上げて行った。
 彼女はおとなしく彼のするままに任せ、両手を上に挙げて、彼が脱がせやすいようにする。
 彼がタンクトップから長い黒髪を抜いて、その髪を指ですいてやると、彼女は気持ち良さそうに両目をつむった。
「髪も感じるのか?」
 彼女はうっとりとしたままうなづく。
 彼は、彼女の肩を抱き、そっと寝かせると、熱く口付けながら、その丸い造形を撫でるようにしてスカートを引き降ろしていった。

 うつ伏せ、高く掲げさせた彼女のお尻を見ると、彼は、彼女のその部分が普段見る時とは違う表情を見せている事に、今更ながら気づいた。
 普段、彼女が立っている時、すっきりとしたウエストに沿った、なだらかな稜線は、それに続く部分を素直に見せている。
 なのに、こうして突き出されたヒップは、はるかにたっぷりとした量感を持って、彼に迫っているのだ。
『意外に大きいな……』
 言葉にしたなら、そんな感じの想いが、彼の心に浮かんだのだ。
 彼女が聞いたら、きっと怒ったであろう言葉は、すぐに水面の泡のように解けて消えた。
 なぜなら、その狭間に開いた『花』が、紅い色を見せて蜜にまみれ、彼との結合を乞うように、じんわりと蠢いたからである。
 それは魅惑的で、淫猥な香りに満ち、彼の頭を痺れさせた。
「くっう……」

 ちゅぶ……

 両脚をしっかりと掴み、口を彼女の『花』に直接つけ、唇と舌でなぶる。
 たっぷりと滴る蜜は、彼の口の周りを汚したが、彼はかまわず、さらに奥へと、舌を差し入れた。
「あっ……はっ……あっ……あっ……あっ……やっ……」
 もじもじとお尻を揺らす彼女の動きが、やがて、もっと快感を求めるように、彼へと突き出されるようになると、彼は唐突に口を離して、彼女へ送る快楽を止めた。
「あ……いや……いや……」
 何が嫌なのか、聞くまでもなかった。
 泣きそうな声で一生懸命にお尻を振り、せがんでいるのだ。
 もっと、口で慰めて欲しい事は、誰が見ても明らかだろう。
 彼は、はやる気持ちを押さえようともせず、乱暴にズボンから脚を抜き取ると、後ろから彼女のお尻を抱いた。
「いや……」
 しかし彼女は、ゆらゆらとその双丘を揺らし、切なげな瞳で彼を仰ぎ見る。
 彼のモノが、ちゅ……と『花』の中心に触れた途端、痺れるような感覚が全身に走ったが、彼女はそのまま、彼に尻を与える事を拒み、ベッドへと崩れ落ちたのだ。
 そうして、けだるげに仰向けになると、両乳房を両手で包んで、彼に懇願した。
「後からは……や……」
 はふっ……と息も荒くぐったりとしたまま、涙をいっぱいに溜めて彼を見つめる。
 彼の顔を見ていたかった。
 彼に抱きしめられていたかった。
 強い腕で、「俺のモノだ」と捕まえていて欲しかった。
 後ろから、犬のように貫かれるのは哀しいのだ。
 哀しくて恐い。
 両手に掴むものも無いまま、彼に雌犬のようには扱われたくはなかった。
 もちろん、彼がそんな事を思っているなどと、本気で考えているわけではない。
 それでも、彼にだけは、抱きしめたまま、「入ってきて」欲しいと思ったのだ。
 彼は、そんな彼女の想いを知ってか知らずか、ちょっと怒ったように唇を歪めて、少し乱暴に彼女の脚を開かせる。
「クラウド……」
 そんな彼の仕種が哀しくて、彼女は彼の首にかじりつき、ぎゅうっと抱きしめたまま、彼の頬にキスの雨を降らせた。
『クラウド……クラウド……クラウド……クラウド……』
 「この時の男」は、女の「中」に入る事しか頭に無い。
 それが解っていながら、彼女は、彼の口から優しい言葉が紡ぎ出されるのを期待してしまっていた。
 荒々しい口付けに翻弄されながらも、心は、彼へと呼びかけていたのだ。
「あ……」
 しかし、彼は無造作に彼女の両脚の間に割り入り、花園はいっぱいに開かれた。
「あ……や……」
 彼女の拒否の仕種は、彼女の「哀しさ」を示している。
 それでも彼は、そんな彼女の気持ちには気づく事無く、彼女の乳房を口に含んでいた。
「はっ……あっ……」

 くちっ……

 彼の右手が、探るように『花』へ分け入り、押し開くと、圧迫感はすぐに彼女の体を襲った。
「う……ん……」
 息が詰まり、腹筋が緊張で引きつる。
 喉の奥に何かが引っかかったようになり、呼吸が出来なかった。
 みちみち……と、考えていたよりも太いモノが、彼女の肉を割って中へと進んでくる。
 手で持ち、口に含んだ時よりも太くなっているのではないか?……と思ってしまうが、もちろんそれは錯覚に過ぎない。
 久しく感じなかった感覚に、自分の思考がパニックを起こしている事に、彼女は気づいていないのだ。

 たっぷりと濡れた筈の彼女の『花』は、それでも、異物の侵入を容易には許さなかった。
 彼女は彼の肩をキツく掴んで、その苦しさに耐えた。
 ……が、唐突に嵐は過ぎ、彼女は、お腹の中に、確かな異物感を感じていた。
 『花』を割り入って途中まで潜ったモノは、思いの外、易々と進入を遂げた。
 既に花蜜のぬめりに助けられて、彼女の「深淵」を手にしてるのだ。
『彼が……いる……』
 熱いものが、「中」で、確かに脈動している。
 きゅう……とお尻に力を入れれば、「それ」は、はっきりと彼女を貫くかのように突き立てられているのが解るのだ。
「はっ……あっ……」
 溜まった吐息を吐き出し、彼の厚い胸にしがみついた。
 切なさが体の奥から込み上げ、何か一言でもしゃべろうとすれば、それはたちまち啼き声へと変わるだろう。
 それが、自分で解った。

 きゅ……きゅ……

 彼女は言葉も無く、何度もお尻に力を入れ、彼の存在を確かめる。
 やがて、ぬぬ……と彼女の締め付けから逃れるように、彼のモノが律動を始めた。
「ティ……」
 彼が、耳元で熱い息と共に名を呼ぶ。
 ゆっくりと動き始めた彼は、彼女が感じ始めた「うねり」を知っているのだろうか……。
 体の中を、異物が動く……。
 練られて、緩やかに巡る熱い流れは、彼女の体を翻弄し、彼女の意識を簡単に「彼方」へと運んで行く……。
「あっ……あっ……あっ……あっ……あっ……」
 言葉はない。
 ただ、吐息の如く熱い叫びが、喉を割ってもれるのみである。
『やだ……いい……』
 彼女は無意識に、今まで刹那に身体の上を通っていった男達と、愛しいこの男を比べてしまっている自分を嫌悪した。
 それでも否定しきれないのは、女の性というものかもしれない。
 あられもなく両脚を広げ、男を迎え入れながらその首にかじりつく時を、他の誰でもない、「彼」に与えられるとは、今までどんなにか願いながらも、叶うとは思わなかったのだ。
 その至福の時が、過去のどんな時よりも幸せであると思えるのは、過去の出会いがあったればこそなのだ。
 そしてそう思える事は、彼女の「想い」が曇りの無いものだと……その証明にはならないだろうか……。
「ふあ……ああん……」
 泣き声は、絶え間なくもれる。
 彼のモノと共に、体外へと引き攣れる花弁の与える快感に、彼女は抗う事が出来ない。
 声は際限なく、彼女の意志とは無関係に、その可愛らしい唇を割って迸った。
 「悦びの声」なのだ。
 彼は、耳元で、甘く、切なく、そしてすすり泣くように吐き出される艶声に、より一層律動を熱く、激しく繰り返すのだった……。
この記事へのコメント
ティファかわいいよティファ

なんでLIPSとPAINを交互に掲載されているんですか?
Posted by 青玉 at 2010年12月28日 01:20
 LIPSとPAIN、それぞれ文章が膨大なので、曜日を決めて配信しようと思ったのです(土日はPAINというように)。
 PAINが延々と数ヶ月続くと、さすがに私自身が滅入ったりするので(「僕オマエ」は平気だったくせに)。
Posted by 推力 at 2010年12月28日 19:04
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/42105490

この記事へのトラックバック

★足跡代わりにポチッとしてってくださいな★