■感想など■

2011年01月16日

[PAIN]『Piece.00』『秘密』〜SECRET OF MY HEART〜

■■ Scene.10 ■「怨嗟」■■


 ティファは解放された。

 ルードから……「薬」から。
 だがそれは、おそらくつかの間の事でしかないのだろう。
 なぜなら彼女は、まだこの部屋から解放されてはいないのだ。


「…………………………」
 ティファは唇を噛み締め、がくがくと震える腕で体を支えてソファから身を起こした。
 そしてルードが出ていったドアを、殺気に満ちた目で見つめる。
 だが時が経ち、股間の精が乾いて肌を引き攣らせても、新たな人間が入ってくる様子は無かった。
 少なくとも、複数の人間で犯すつもりではないようだ。
 ティファは血が滲むまで唇を噛み締め、思い出したように指で触れ、そしてそこに……指についた血を見た。
「くすっ……」
 何だかおかしかった。
 だって、そうではないか。
 なぜなら、つい先程まで、自分は人形だったのだから。
 男に自由に体を嬲らせる、薄汚い性具だったのだから……。


 カサカサに乾いて、不快感を感じさせる男の精液を、水割りに使った水で洗い流し、一緒に持ち込まれたテーブル拭きで拭った。

くん……

 匂いは、染み付いたように取れない。
 ルードの……この体を汚した男の、唾液と精の匂い……。
 感情は、動かなかった。
 次に、脱ぎ散らかされた……いや、打ち捨てられた衣服を集め、一つ一つ身につけていった。
 そして最後に、心で泣きながら、異臭を放つ下着を履いた。
 小水で汚れた下着を身に着けたのは、彼女のささやかなプライドが為せる行為だろうか。
 心には、ただ「生きる」という想いだけがあった。
 「彼女」の残した「想い」を伝え、クラウドに逢う事だけがティファを支えていたのだ。

 そして……殺す。

 殺してやる。
 あの男を。
 ルードを。
 きっとこの手で殺してやる。
 そして神羅を……。

 そのイメージだけがティファの脳を犯し、甘美な想いを抱かせた。
『まだ男を知らなかった私を、さんざん辱めて汚した……“あいつ”のように……』
 うっすらと笑うその表情は、汚れていながら、酷薄な氷上の美女……スノウよりも、さらに冷たく、そして凄絶な程美しかった。

 ティファは……何も知らぬ、無垢な少女では無いのだ……。

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