■感想など■

2011年01月21日

[THEM]『Piece.00』「楽宴」〜FRIENDS〜

■■【3】■■

「ねえ、やだ……これ………………ねぇ……パジャマ返してよユフィ」
「だめ」
 おかしいほど情けない顔をして、ティファはホットパンツ姿のユフィを見上げた。ユフィはというと、にこにこしながら無慈悲にきっぱりと拒否をする。
「いいの? 怒るわよ!?」
 怖い顔してみせた。
「いいよ」

 ……ぜんぜん効かなかった。

「なんでこんなの着せるの!?」
「「目の保養」」
 実に嬉しそうに笑うエアリスとユフィ二人の、弾んだ声が見事に重なる。
 完全なるユニゾンだった。
「……女が女のスケスケネグリジェ姿なんて見てどうするの?」
「「楽しい」」
 また重なる。
 二人ともにこにこして悪意なんてこれっぽっちも無いって感じだったけれど、それが逆にクセモノなのだと、ティファには今までの経験でイヤと言うほどわかっていた。
「……なに考えてるのよぅ……」
 ティファは恥ずかしいやら情けないやらで、俯いて溜息を吐きながらぽちょぽちょと言った。
 ……すると、
「それはこっちの台詞だよティファ! やめなさい! いい加減、無駄な抵抗はっ!」
「エ……エアリス???」
 びっくりした。
 声が大きかったのもそうだけれど、その大きな声を出したのが普段滅多なことでは声を荒げたりしない“エアリス”だったということに、まず驚いた。
 悪いことして先生に叱られた生徒のような気がした。
「そうだよティファ! あんた、自分が何を言ってるかわかってる!?」
「え? え?」
「いい? ティファにはかわいい系は似合わないんだっっ!」
 ビシッ! と音がしそうなくらいきっぱりと指差された。

 ショックだった。

「ひどいっ!」
「じゃあティファにコレ、似合うと思う?」
 ユフィは、「ふふん」と笑ってエアリスの着ている可愛らしい感じのナイティを左手の親指で指すと、難しい方程式を解けと迫る数学教師のような顔をした。
「……き、着られるわ」
「問題は、着られるかどうかじゃなくて、似合うかどうか、なんだよ。ティファは“可愛く”なるんじゃなくて“エロエロ”になるの」
「エ……エロエロ……」

 ……むちゃくちゃ傷ついた。

「さっきのパジャマだってそうだよ。ティファはかわいいって思ってるかもしれないけど、ぼーんぼーんな身体をあんなダサいパジャマで隠したりしたら、見ようによっちゃあ、もっとずーーっとエロエロになるだけなんだからね!」
 正直言って知らなかった。
 「がーん……!」という感じだ。
「そ、そんなの……私のせいじゃ……ないもん……」
「ティファがえっちな身体に生まれたのは宿命なんだよ。だったらその宿命に従わないと!」

 ……勝手な事を言ってた。

 でも、自分では“こういうの”を着ればエアリスみたいに少しは可愛くなるかな? と思ってワリと可愛い目のパジャマを選んだつもりだったのに、ここまでハッキリ否定されるとは思わなかった。
 しかもよりによって“エロエロ”だなんて……。
 ティファは“がっくり”と肩を落として悔しそうにユフィを見た。
 対して、辛辣(しんらつ)な忍者娘は、そんなティファの姿を見て少し「言い過ぎたかな?」と胸が痛くなった“ような気がした”ものの、その想いを「ティファは生まれ持ってナイスバディでずるいんだから少しくらいいぢめてもバチはあたらないんだ」などと独自の論理展開で抑え込んだ。
 そして、
「ひゃっ!」
 ティファは、つう……と背中を撫でられ思わず身体を反らして飛び上がった。
 背中を撫でたのは、いつの間にか後に回り込んでいたエアリスだ。しゃがみ込んで、にこにこしながら人差し指でつつつ……とティファの首から腰までを脊髄に添って撫で下ろしたのだった。
 何がそんなに嬉しいのか、実に楽しそうだ。
 そして、その隙を見逃さないユフィではなかった。
「きゃひゃっ!?」
 彼女は、なんとティファが飛びあがった瞬間に、彼女のストラップレスのブラまで神技のような素早さで抜き取ってしまったのだった。
 ティファは顔を真っ赤にして胸をおさえ、わなわなと震えながらユフィを睨みつけた。
 この子の手クセの悪さは折り紙つきだ。
 独学とは言っていたが、正規の訓練を受けていないとは言ってもあのウータイのニンジャの家系に生まれた彼女は、その素早さ、抜け目の無さに関してはパーティ随一と言ってよかった。
 単に素早い動作で敵の目を撹乱(かくらん)する……といった意味では、ナナキと並ぶほどだ。
「かっ……返して! 返しなさいユフィ!」
「おだまりなさいティファ!」
「エアリス……?」
 またびっくりした。
 裸の胸が、薄い布地越しにどきどきしているのがわかった。
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