■感想など■

2011年01月26日

[THEM]『Piece.00』「楽宴」〜FRIENDS〜

■■【5】■■

「だいたい、無自覚過ぎるんだよ。ティファは」
「……別に……そういうわけじゃ……ないけど……」
 のろのろと起き上がって胸元を両手で隠しながらベッドに座ると、ティファは乱れた髪を右手でかきあげながらユフィに答えた。
「んん? なに? じゃあ自意識はあるんだ。『ワタシって綺麗!』って!!」
「ち、違う違う! だいたい、ユフィだってエアリスだって、私の胸が見たいだけでしょ? わかってるんだから!」
「およ? なんで?」
「……だって……ミッドガルのスラムにいた時に、館の姐さん達が」
「館?」
「姐さん?」
「ん…………その……娼婦館の、姐さん」
 ティファがぽしょぽしょとそう言うと、エアリスとユフィの笑顔がたちまちのうちに、なんとなくぎこちないものへと変わった。
 部屋の空気までごっそり入れ替わってしまったようだ。
「……あ〜………………」
「………………へえ……」
 曖昧(あいまい)な相槌(あいづち)は、2人の心の動揺を如実に表している。
 ティファは溜息を吐(つ)くと、ちょっと怖い顔を作って交互に二人の顔を睨みつけた。
「……二人とも、今ヘンなこと考えたでしょ? 言っときますけど、私、別にそこで働いてたわけじゃないからね!」
「ああ……そう……そうだよねぇ……」
「なあんだ……ははは……」
「……もう…………」
「そ、それで?」
 誤魔化すようにユフィが身を乗り出した。
「……それで、その、姐さん達が、何かあるとすぐに私の胸を触りたがるから……」
「なぁんだ、ティファってばもう経験済みなんだ?」
「け……え? 経験?」
「じゃあいいよね」
「え?」
「そうね」
「ええ?」
 『やばい!』と思った時には遅かった。
「「それー!」」
「きゃーーっ!」
 やわらかい体が、2つ重なってティファの胸に飛び込んできた。咄嗟に受けとめてそのままベッドに倒れ込んで、ティファは“げほっ”と咳き込んでしまう。
 正面からヘビータンクの打撃を受け止めてしまった時のような衝撃だった。
「ふにふにー♪」
「やわらかーい!」
 二人はティファの胸に顔を摺り寄せて、ほっぺたですりすりする。
「もうっ! くすぐったいよぉ!」
 ティファは二人を跳ね除けることも引き剥がすことも出来ず、仕方なく首を竦めてそのくすぐったさを我慢した。
 別にティファは二人の行為を許したわけではない。
 けれど、それをどういう意味にとったのか、二人はますます大胆にそのやわらかくてあたたかい感触を楽しみ始めたのだった。
「実はねぇ、ずーーっと触ってみたかったんだティファの胸! マジモンかどうかわかんなかったし、ニセモンだったらどうしてるのか教えてもらおうって思って。肉だ肉〜〜〜〜っ!」
「こ、こらユフィ!」
「“ふにふに”ね〜〜“ふにふに”の“ぽにぽに”だわ〜〜“ぽよんぽよん”してる〜きもちいー!」
「エアリスまでっ! ちょっ……やぁんっ!!」
「……『やぁん』だって……聞いた? エアリス」
「聞いた聞いた。かわいー……」
「も、もういい加減にしてーっ!」
 悲鳴を上げたものの、子犬のようにじゃれつく二人には、もうしばらくもみくちゃにされるだろうな……と、ティファはひっそりと思った。
 ベッドのクッションは田舎の宿屋のベッドのくせにミッドガルのセブンスヘブンの2階にある自分の部屋のものより、ずっと上等だった。こうして二人が上に乗ってても、背中が痛くなるなんてことは無さそうだ。
 もうしばらく好きにさせておこうかな……。
 きっとそのうちすぐに飽きるだろうから。

 5分後、自分の認識の甘さにとうとうティファは白旗を上げ、二人に全面降伏した。

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