■感想など■

2011年02月01日

[THEM]『Piece.00』「楽宴」〜FRIENDS〜

■■【10】■■

「え? ウソ? やだ……やめようよぉ……そんな冗談……」
「冗談……だと思う?」
「……やだ……本気? わ、私は女よ?」
「そうだよ」
「あ、貴女達も女なのよ?」
「そうね」
「……ちょ……ね、ねえ、落ちついて、落ちついて考えましょ? ね?」
「落ちついてるよ。落ちついてないのはティファだけ」
 エアリスの白くて柔らかい右手が、ティファの肩をやんわりと包んだ。
「……だ……ダメッ!……そんな……いや……ね? 冗談でしょ? 冗談よね?」
「大丈夫。冗談かどうかはすぐにわかるから」
 ユフィの顔が、ティファの火照った頬にキスしそうなくらいぐぐぐ……と寄った。
「うそ……や……やだやだやだやだやだやだ!!!」
 もう体裁なんて関係無かった。
 ティファは両手をばたばたさせて二人の厳重な包囲網を抜け出すと、四つん這いのまま部屋の反対側まですっ飛んでベッドの影に飛び込み「近づいたら承知しないそ本気だぞドルフィンブロウ打っちゃうぞ」と、追い詰められた小動物みたいな目で二人を脅した。
 そのあまりにもあまりな姿に、エアリスとユフィはしばらく「ぽかん」と口をあけて馬鹿みたいにティファを見ていたが、不意にどちらからともなく顔を見合わせて「ぷっ」と吹き出した。
 笑いはたちまち大きくなり、とうとう
「「あははははははは!」」
 二人は腹を抱えて笑い転げる。
「ティファってば……ティファってば…………」
「か…………かわいーーーー…………」
 エアリスは身体を二つに折って苦しそうに肩を震わせ、ユフィに至っては床に仰向けに倒れて脚をばたばたさせるという徹底ぶりだ。
 ティファが「からかわれた」のだと気付くまで、4秒も経たなかった。
「ひどいっ! 二人とも私をからかったんだ!?」
 ベッドの影からすっくと立ち上がり、

バタン!

 扉が不意に開いた。
「おい! 明日は早いんだぞ!」
 そこに立っていたのは、金髪のツンツンショコボ頭。

 ……クラウドだった。

 ティファの不運は、ドアのすぐ横に立っていたという事だろうか。
 ドアが開いたのと、ティファが立ち上がったのは、ほぼ同時だった。

 一瞬、時が止まる。

 ティファは両手の拳を握り締めたまま、ぎぎぎ……と、10年くらい油を挿していない柱時計のゼンマイみたいな音が出そうなくらいの緩慢さで首を回し、右に立つクラウドを見た。
「いい加減……はや……く……寝て…………し……ま……………………」
 クラウドは、左に立つティファの顔を見ながら言葉を紡ぎ、そうしながら視線は彼女の顔から首に、首から、立ち上がった拍子に派手に刎ね上がり、そして揺れ動いているたっぷりとした胸に移動し、そしてショーツだけの形の良い丸みを帯びたお尻に下り、すらりとした脚にきゅっとくびれた足首まで堪能し、そして再びふるふると震えている胸のその先っちょの紅い果実で釘付けになった。

 その間4秒と少し。

「……………………」
「……………………」
 エアリスとユフィは、「しまった!」と言いたげな顔で二人を見たまま、口を開けて固まっている。
 フォローのしようもなかった。

きぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…………パタン…………

 ドアはゆっくりと閉まり、クラウドは無言のままドアの向こうに消えた。
 よく見えなかったけれど、ドアが閉まる瞬間、鼻のところが少し赤くなってる気がした。

 その後は大変だった。
 ティファは半泣きになってベッドに潜り込み、エアリスやユフィがどんなに宥(なだ)めすかしても毛布から出てこようとはしなかった。
「いいもん……どうせエロエロだもん……どうせおばさんブラだもん……いいもん……年取ったら垂れてぶらぶらだもん……」
 耳を澄ますと、そんなことをブツブツと言っていたから、これはもうかなりの重症だ。
 エアリスとユフィは途方に暮れて顔を見合わせた。

 あと数時間もすれば夜明けが来る。
 クラウドは夜明けと共に出立するつもりだろうが、これはもう昼過ぎか明日になるのは明白だった。
 ティファが立ち直らなければ、きっとたぶん彼も諦めるにちがいないから。


         −おわり−

■■[THEM]『Piece.00』「楽宴」〜FRIENDS〜■■

「2011/01/17 01:00」投下開始
「2011/02/01 01:00」完了
この記事へのコメント
更新お疲れ様でした。

耳を済ます→澄ます ですよ。

セフィロスはやっぱりかっこいいと思うんだ
Posted by 青玉 at 2011年02月01日 01:14
 修正しました。

 セフィロスとザックスのコンビは好きです。
Posted by 推力 at 2011年02月01日 12:47
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/42362831

この記事へのトラックバック

★足跡代わりにポチッとしてってくださいな★