■感想など■

2011年04月25日

[LIPS]『Piece.04』「二人の睦」〜愛しあうということ〜

■■〜夫婦の睦〜■■

■■ Scene.01 ■「ティファ」■■
「ふう……」
 長い髪を丁寧に洗うと、やっぱり軽く30分はかかっちゃうな。
 ここまで長いと、抜け毛も気になるし、切ろうかな……って思うんだ。本当は。
 でも、クラウドがすごく反対するから、ずるずるとそのままにしてる。
 私の髪なんだもの。
 私の勝手……なんだけど、彼が「好き」だっていうからしょうがないかな……?
 なーんて思ってたりもする。
 ある日突然バッサリ切ったら、彼、なんて言うかな?

 くすっ……

 ブラッシングしながら、ちょっとだけ笑みがこぼれた。
 姿見に写った自分を見る。
『なかなか……よね。うん』
 私、自分でも結構美人だと思うんだけどな。
 セブンスヘブンでも、半分は私の魅力でもってたようなものだったし……。
 ……なんてね。
 そう思ってみたりもするんだ。
 結婚してから、クラウドってば「きれい」とか「かわいい」とか、全然言ってくれないんだもん。
 そりゃね、前からそんなにおしゃべりな方じゃなかったけど……そういう事言う人じゃなかったけど……でも、やっぱり言って欲しいわ。
 私ってわがままかな?
 あの日……彼に想いを告げて、そして抱かれた日、初めて「きれいだ」って言ってくれたんだ。
 私の中に入ってきた彼を感じて……優しくキスされながら聞いたのよ。
 ……その時、私は「もう死んでもいい」って思った。
 「このまま死んでもいい」って。
 それくらい嬉しかった。
 それくらい幸せだった。
 泣きたくなるくらい。
 ……泣いちゃったけど……。

 今、彼は私をすごく大切にしてくれる。
 愛してくれる。
 でも……でもね、私知ってるんだ。
 まだ……いること。
 彼の心に、まだ……いるのよ。
 それを考えると、私は哀しくなる。
 涙が出る。
「好きだよ」
 そう言ってくれる彼に、しがみつく事しか、出来なくなる。
 時々思っちゃうんだ。
 私で良かったのかな?って。
 聞いてみたくなっちゃうんだ。

 でもね。
 でもね、私ね。
 私好きなの。
 愛してるの。
 この生活を失いたくないの。
 彼との赤ちゃんが欲しいって思うのは、そんな気持ちがあるからなのかもしれない。
 前にシエラさんに言われたわ。
 その時は……そんな事無いって思って、どうしてそんな事言うの?って、シエラさんの事怒ったけど……、本当は心のどこかで、そう思っていたのかもしれない。
 だから、シエラさんの言った事が、すごくカチンときて、そして、すごく哀しかったのかもしれない。
 私……彼の赤ちゃんが欲しい……。
 ずっと……ずっと思ってる。
 だからクラウドには、避妊しないでいてもらってるの。
 私の中に、全部欲しいから。

 でも……。

 神様は不公平だわ。
 不公平よ。
 シエラさんなんてもう二人目なのに……。
 「ティファちゃんは若いんだから……」なんて言われたって、嬉しくない。
 8つしか違わないじゃない。

 やっぱりシエラさんの言う通り、「赤ちゃんがいれば、クラウドは私の事だけをずっと見てくれる」って、心のどこかで思ってるからなのかな……。
 だから……できないのかな………………。

 私はブラシを置いて、ドライヤーのスイッチを入れた。
 温風が、ちょっとブルー入った心をほぐしていく。
 彼が待ってるもの……早くしなくちゃ。

 あ……枝毛……。


 手早く髪を乾かし、きっちりとバスタオルで体をくるむと、バスルームを出た。
 先に上がって、ベッドの上で本を読んでいたクラウドが、顔を上げて微笑む。
 彼はスタンドの明かりを落として、本をサイドテーブルに置いた。
「おまたせ……」
 自然と、声が甘く、媚びたようになってしまう。
 期待感に体が震えるのが、自分でもちょっとだけ嫌。
 でもいいの。
 私のこんな姿を見られるのは、彼だけだもの。
「おいで……ティファ」
 彼の声が、とっても優しく耳を打つ。
 私は、たっぷりと時間をかけて、バスタオルを解いた。
 時間をかけるのは、彼を焦らすため。
 そして、私の気分を高めるため……。
 するり……と床に落とし、束縛を逃れて弾んだ胸を、両手で軽く覆い隠す。
 どきんどきんと、胸が恥かしいほど高鳴っていた。
 もう何回も、何十回もこうしているのに、私の胸は、いつもいつもどきどきが収まらない。
「クラウド……」
 私は、それ以上言葉を出す事が出来ずに、彼の広げた腕に、身体を滑り込ませた。
 彼の温もりが……匂いが、私を包む。
「ね……。ね、クラウド……」
「ん?」
 きゅ……と私を抱きしめて、ちゅっちゅっっと私の首筋と肩にキスする彼は、ようやく与えられたごちそうにむしゃぶりつく子供のように、落ち着きが無い。
「あのね……私ね、今日は欲しいの……いっぱい欲しいの……」
「うん」
「もう我慢できないの……いいでしょ? 今日はいっぱい」
「ん」
 言葉の途中で唇を塞がれた。
 そして軽く触れるキスから、すぐに熱いキスへ。
 ぬる……と彼の舌が差し込まれる。
 途端に、頭の芯が痺れて、身体が火照った。
「んんっ……」
 下唇を軽く挟まれ、ちろちろと嘗められる。
 ぞくぞくとした甘い疼きが、お尻の上の所で踊っていた。
 私もすぐに答える。
 彼の舌を捕まえて、ちゅうちゅうと吸った。
 彼の唾液を夢中で飲み下し、その甘さに酔う。
「ああ……」
 声は自然に漏れた。
 前は、恥かしい……と思ったその声も、今では素直に出す事が出来る。
「ああーー……」
 彼の両手がお尻に下りて、むにむにと触る。
 私は裸の胸を彼の厚い胸に押しつけて、彼の鼓動を感じた。
 どきどきしてる。
 多分、私と同じくらい。
 ……うれしい。
「クラウド……クラウド……」
 私は彼の首にしがみつくようにして、彼の名を呼んだ。
この記事へのコメント
発情期のティファ可愛いよ発情期のティファ
Posted by 青玉 at 2011年04月25日 01:10
ティファの乙女っぷりにキュンキュンしちゃう!
Posted by 通りすがり at 2011年04月25日 20:08
キタ━(゚∀゚)━!
Posted by at 2011年04月26日 13:01
 確かこの「睦」は、某巨大掲示板で投稿し始めた最初期に書いたものだった気がします。
 昔過ぎて忘れましたが。
 章分けして整えただけなので、当時のテイストはそのままです。
 自分でもびっくりするくらい初々しいですねぇ…。
Posted by 推力 at 2011年05月01日 10:33
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