■感想など■

2011年05月16日

[LIPS]『Piece.04』「二人の睦」〜愛しあうということ〜

■■〜Other Time〜■■

 吐息は甘く……そして熱かった。

 飛空挺ハイウインド。
 つい先程ウータイへと、仲間の最後の一人を送った空の覇者は、極低音がさざめき出す振動にその体躯を軋ませていた。メインエンジンを切り、補機だけで気流にその身を任せる様は、水面に浮かぶ木の葉のようにゆったりとしている。
 深夜……耳を打つのは、翼に裂かれて後方に流れる、風の悲鳴だけ。
 今、挺内で起きている者と言えば、眠い目を擦りながらも計器類相手に気を張る、メインデッキの当直者だけだろう。

「眠れないの?」
 そのすらりとした体躯が、視界の中にシルエットとなって現れた時、彼はただ一人、ぼんやりと地上の光を眺めていた。
「……ああ……お前も……か?」
「…………うん……」
 冴え冴えとした月明かりに照らされる表情は、甘く、そして柔らかい。
 彼女は、彼の隣に身を置き、それでも彼の瞳を見ずに、にっこりと笑う。冷たい夜風は、艶やかに光る長い黒髪をゆるやかになびかせて嬲り、そして時折彼女の白い首筋を、月明かりに慣れた彼の目に、誘うように見せていた。
「……そうか」
 手を伸ばせば、そこにいる。それが、こんなにも嬉しい事なのだと……彼は改めて感じていた。
 ここに……いる。
 いるのだ。
 愛する……愛した……女が。
「……どうしたの?」
 彼の無遠慮な視線さえも、甘んじて……いや、喜びに変えて、彼女はくすり……と微笑んだ。
「あ……いや……」
 そんな彼女に、彼は少しだけ戸惑い、視線を宙に泳がせた。彼は、二人が初めて結ばれた夜の事を、突然、鮮明に思い出してしまったのだ。
 それは……こんな、満天の星空の夜では無かったろうか……。
 だが、あの時頭上で妖しく輝いていた忌まわしい巨星は……今は既に無い。彼が憧れ、彼が目指した狂気の英雄と共に、世界から姿を消してしまったのだ。

 永遠に……。

 そしてそれは、彼の……彼らの手によって……成された。
「クラウドの言いたい事……わかるよ」
 二人以外、一つも人影の無いデッキの、その夜露に濡れた手すりに身を任せ、ふ……と目を閉じて彼女は呟いた。頬を撫でる艶やかな黒髪を、右手で掻き揚げて、星空を仰ぐ。
「『俺達のした事、一体何だったのかな?』」
「…………」
「でしょ?」
「……ああ」
 深く息を吐き、冷たい手すりに両肘をついて、彼は地上を見やった。巨星に抉られたこの星の傷が、彼の心にさえも、辛い痛みとなって澱んでいる。
「答えは……時が出してくれるわ」
 彼に向き直り、囁くように言葉を紡いだ。吐息がかすかに白いのが、夜気の冷たさを知らせてくれる。
「時?」
「そう」
 ふ……と彼女が、彼の広い肩を、後ろから包むように抱いた。
「私達は、星に良かれと思ってあいつと……セフィロスと闘った訳じゃないわ。自分達のためよ。自分達が、何もしないままこの世界から消えるのが嫌だったから……自分達の大事な人達が、ただ何もしないまま消されるのを見ているのが……辛いと思ったから……。星を救ったのは……結果としてそうなっただけ。でもそれが星にとって良い事なのか……悪い事なのかは……今出せる答えじゃない気がするの」
「…………ティファ…………」
 彼女−ティファの唇が、彼女の温もりと共に、彼の後れ毛へと優しく押し当てられる。
「だけどこれだけは言える。私達のした事は、無駄じゃないわ」
「………………ああ」
 クラウドはティファの言葉を、一つ一つ噛み締めるように心に刻んでいった。彼女はいつも、彼に力をくれる。彼女の言葉の一つ一つが、力となって体に満ちるのだ。
 クラウドは手すりから身を起こし、彼女と向き合った。そっと、そのすっきりとした頤に指を添えて、俯いた彼女の顔を上げさせると、彼女の瞳は潤み、きらきらと濡れて……光っていた。
 その揺らめきに、彼は微かな動揺を隠せない。
「…………どうした?」
 彼の言葉に、彼女はふるふると首を振り、それから、ふ……と長い睫を伏せた。
「……ん……」
 ごく当たり前のように、彼はその、瑞々しく、甘い唇を、ちろ……と優しく嘗める。
「はふ……」
 長い口付けの後、ふう……と息を付いて、彼女はその柔らかな頬を彼の胸に預けた。
 どきんどきん……と、恥かしいほどに高鳴る鼓動を抑えられない。

『恋に恋する、恋に夢見る少女のようだ』

 自分の事を、彼女は少し自嘲を込めて思う。
「ね……」
 甘く、蠱惑的な香りが、彼女の声には纏いついている。
 その意味を、彼は理解した。なぜなら、彼もまた、同じ想いだったからである……。
「部屋に……来て……」
 彼の胸に頬を擦りつけながら、ふうっ……と紡ぎ出された彼女の吐息は、甘く……そして……狂おしい程に熱く震えていた……。


 ハイウィンドには、メンバー一人につき一室、個室が与えられていた。だが、12ある個室は、今では殆どが空室である。仲間達を、彼らが希望する地へと送り届ける旅は、もうすぐ最期を迎えようとしているのだ。
 後は、ニブルヘイムへとその進路を向けるのみである。

「私が……してあげる……」
 部屋に彼を迎え入れてすぐ、彼女は自分に歩み寄ろうとする彼を押し留めた。
 彼を立たせたまま、彼女は何をするつもりだろうか……。
「ティ……」
「じっとしてて……」
 ねだるように、請うように彼を見つめ、赤く染まった頬を彼の目から避けるように、彼女は彼の首筋にキスをした。そして、彼女の手は……。
「!……」
 クラウドは、股間をさわっ……と撫でた彼女の右手に思わず身を引いてしまった。
「ティファ……」
 彼女から彼を求める事は、彼にしてみれば、ひどく意外な事だった。それにもまして、これから彼女がしようとする事を、彼は理解してしまったのだ。だからこそ、彼は戸惑いを隠せない。
「いいの……してあげたいの………………したいの」
 彼女は精一杯微笑んで、彼を見つめた。

『愛しているから、してあげたい』

 その想いは、抑えられなかった。

ジ……

 ファスナーが下ろされ、そしてティファは床に両膝を着いて、クラウドのズボンの中にその指を差し入れた……。
『もう……こんな……』
 クラウドのモノは、固く張り詰め、そして、熱かった。脈打ち、その命の流れを彼女に示している。固いそれを、下着の中で摘まみ、引き出すと、先端からとろりとした『蜜』が染み出しているのが見えた。
「はあ……」
 思わず吐息が漏れる。今から、この固いモノで愛してもらうのだ。そのために、これから私が愛する……。
 躊躇いなど、とうに無かった。
「ん……」
 唇を近づけると、つん……とした刺激臭が鼻孔を打った。
「ティ……」
 彼の声と共に、「彼」がひくん……と弾けるようにして震えた。クラウドのモノは、先端に皮が集まり、捩れて、その隙間からわずかに、赤く艶やかな亀頭か覗いている。
 いわゆる「仮性包茎」という、先天的な性器形状であった。異常ではないものの、珍しい形状と言える。

ちゅ……

 ティファは「彼」の先端にキスして、唇を離す間際、ちろっ……と舌で嘗めた。
 少し塩気がある。
『クラウドの……おしっこ……』
 汚いなどとは、少しも思わなかった。
「じゃあ……剥くね」
 わざわざ口に出して、彼を仰ぎ見た。
 そうするのは、いつもはあまり表情を出さない彼の顔が、その時−えっちの時ばかりは微かな羞恥が垣間見えると、知ったからだ。

ち……ちゅ……

 左手の中指と親指でしっかりと固定し、右手の親指と人差し指で、そろそろと皮を根元の方へと引き下げてゆく。
「う……」
 彼のうめく声が愛しい。
「だめよ、まだだめ……カマンして……………………ほら……剥けた……」
 亀頭の、張り出した所に、皮を引っかけて止める。すっかり剥き上がったモノは、艶やかに光り、先端からつう……と粘液を滴らせて震えた。
「ふふっ……汚れが溜まってるよ」
 亀頭周辺には、白っぽくてぺとぺとしたものが、こびり付いていた。ティファは、その臭いに、こくん……と喉を鳴らす。
「きれいに……してあげる……ね……」
 どきどきと高鳴る胸を意識しながら、「彼」にそっと舌を這わせた。

りゅ……

 先端の白く濁った、糊状の粘液をすくい、舌の上にのせる。そのまま、その白い汚物を、こそぐようにして嘗め取っていき、彼女は全てを飲み下した。
『……苦い……』
 その味に、彼女の美しい眉が顰められた。塩辛いような、苦いような、変な味がする。
 だが、彼女はその味でさえ、楽しみ、そしていとおしんでいる。

 ねりゅっ……

 舌を平べったく広げ、亀頭をまんべんなく嘗め上げる。嫌悪感など、カケラも無かった。
「ふっ……うっ……」
 ティファが与える刺激に、クラウドの尻が引けるのを、彼女は、後を追うようにして舌を伸ばした。そして彼の腰を左手で捕まえる。
「ん〜〜〜〜」
 ちゅばっ……と音がする程、先端を強く吸い込み、その部分の全てを味わおうと、舌をからめた。
「ほら……きれいになった……」
 ちろ……と唇を舌で嘗め、湿らせると、ティファは跪いた姿のまま、クラウドを仰ぎ見る。
「ティ……ティファ……俺……」
 切なげな表情でティファを見下ろすクラウドは、モノを握り、聖母の微笑みで自分を見詰める彼女に、たまらない想いを告白した。

 その瞬間を、彼女は愛している。

 クラウドを切なくさせ、自分を求めさせるこの瞬間を、彼女は心から愛し、楽しんでいるのだ。
「愛しい人に征服される幸せ」と供に、「愛しい人を征服する幸せ」をも、彼女は手に入れているのである。

 くすくすくす……

 ティファはちょっといぢわるに、笑った。
「じゃあ、いっぱい出してね? ティファのお口に、いっぱい出してね?」
 そうして彼女は、彼を見上げながら、彼のモノをてろてろと嘗めるのだ。
 ティファは普段、自分の事を自分の名前で呼ぶ事は無い。呼ぶ時はそう……こうして、全身で彼を愛する時だけである。その声に、童女のような「甘え」が加わるのだ。
「……」
 ティファは口の中で舌をもごもごとさせて、口の中一杯に唾液を満たした。
「あ〜ん……」
 そうして、わざと声を出して、大きく開いた口を近づける。吐息が彼の『茂み』を揺らし、その熱さは、彼のモノを包み込んだ。

んむ……

 ぱくん……と「彼」を口に含み、たっぷりと満ちた唾液に浸した。
「ふっ……うっ……」
 クラウドは、その気持ち良さに、腰を中心として体が小さく震えるのを感じる。ティファに、「犯されてゆく」のだ。

 熱い……

 ティファの口の中は、たまらなくいやらしい「熱さ」に満ちていた。
「んんっ……ふんん……」
 鼻で息をするために、彼女の可愛らしい鼻孔が広がり、彼の『茂み』をなびかせている。喉の奥まで届いているのでは? と思わせるほど、深く深く、彼のモノを咥え込んでいるのだ。
 彼女は、彼の『精』を口に受ける事に、喜びを見出している。もちろん、『精』そのものは、その臭いも、味も、まだ好きになれない。これからもずっと好きにはなれないのでは?……とさえ、思う。
 けれども、彼の『精』を飲み下すという事は、彼の『命』を体の中に入れる事だとも、思うのだ。それはある意味、『性』として子宮に受けるよりも、より「神聖な」行為ではないか?とも思う。
 この感覚は、彼にはきっと解らないだろう。
 その想いが、かすかだが、ティファを哀しくさせているのもまた、事実である。

ちゅっ……ちゅばっ……

「はっ……うっ……うっ……」
 たっぷりと唾液に浸し、まぶして、口の中で彼のモノを嬲る。そうして彼女は、時折舌でくすぐり、ちゅるちゅるとすするのだ。その度に、彼はちょっとだけうめき、震えて、その気持ち良さを彼女に知らせていた。
「ふうん……」
 そしてそれが嬉しくて、彼女は鼻を鳴らす。
「はっくっ……」
 ビクビクと体が震え、快感が、クラウドの尾底骨から首の後ろまでを駆けぬけて行く。
 彼は、自分の性器を咥え、幸せそうに首を振る愛しい女の髪を指で梳きながら、たまらない想いを抱いていた。普段隠されている体の一部を外気に晒すというのは、ひどく恥かしい事だ。しかもそれが尿を排泄する排泄器官であれば、尚の事だろう。
 それを、口に咥える。
 普通に考えたなら、『汚い』行為に他ならない。
 だが、……いや、だからこそ、そこには積極的に「楽しみたい」、「愛したい」という、彼女の心が見えて、彼をより一層興奮させる事となるのだ。彼女も、それを知っているからこそ、時折彼を上目使いに見上げ、それでも少し恥かしそうに、微笑んでみせるのだろう。
 可愛らしくぷっくりとしたピンク色の唇が、自分の歪な形のモノを咥え込んでいる情景というのは、非現実的な分だけ、彼を陶酔に誘う。そして彼女は、「口に欲しい」と言った。このまま、「出して欲しい」と言ったのだ。その可愛らしい口を自らの体から湧き出す『精』で汚す事に、彼が加虐的とも言える背徳の想いを抱いたとしても、誰が止められようか?
「うっ……い……」

じゅっ……じゅるっ……

 彼女が、すする。
 ちゅるる……とモノを抜き出し、彼女は唾液と彼の『蜜』でねっとりとした「それ」を右手でしごきながら、彼を甘く仰ぎ見た。
「イきそう?」
 小首をかしげて言う彼女に、クラウドはこくこくと肯いてみせた。
『くすっ……かわいい……』
 ティファは、クラウドの切ない表情に、ぞくぞくとする。背筋が震えるのだ。
「じゃあ、出して」
 そうして再び、ぱくりと咥える。今度は、左手で『袋』がある所をなでさすり、右手でこしこしとしごきながら……である。
 たまらなかった。
「うっ……」
 すぐに、波が来た。
 きゅうう……と、『袋』の後ろが熱くなり、腹筋に力が入る。
「はっ……」
 次の瞬間、息を短く吐きながら、クラウドは射精した。

とくっ……とくっ……

 『精』は、激しく、大量にティファの口内に注がれる。
「くうっ……」
 直接喉の奥に当たった『精』に噎せ返りそうになりながらも、ティファは彼のモノから口を離さなかった。
 一生懸命に飲み下す。

こくん……こくん……

『あ……いっぱい……いっぱい……』
 ティファにはそれが嬉しい。
『私の口に感じてくれた』
 その“証”だと思えるのだ。
「ふうん……」
 彼女は夢中になって、先程までの怒張が嘘のようにしんなりと柔らかくなったモノを、ちゅうちゅうとすすり、口内で嘗めた。
 じゅるる……と、尿道管の中に残った『精』までも吸い出すかのように、一心にすする。

ちゅるん……

 ようやく彼のモノから口を離し、ティファはぺたん……と床に尻をつけて座り込んでしまった。ぼおっとした顔が、熱く、はれぼったい。ぽ〜っとしつつ彼を仰ぎ見る彼女の目は、すっかり潤んで、甘い情欲の虜になっている事を彼に感じさせる。
「……………………」
 タンクトップを押し上げ、こりこりと固く張った乳首が、じんじんと甘く疼く。
 ティファは、目の前の彼の両脚にすがり、自らの乳房を押し付けながら、彼を見上げ、そして請う。
 唇をうっすらと開き、その口内に広がった彼の『精』の味を、熱い舌で確かめながら。
「いぢめて……」
 そして甘く……たまらなく甘く……囁く。
 彼女はその言葉が、『呪文』として彼の心を捉えるだろうと、はっきりと自覚しているのである……。


         −おわり−

■■[LIPS]『Piece.04』「二人の睦」〜愛しあうということ〜■■
■■〜Other Time〜■■

「2011/05/16 01:00」投下開始
「2011/05/16 01:00」完了
この記事へのコメント
うおっ、恥垢舐め!

美人でスタイル抜群、強くて凛々しい。
でもそれだけじゃなくて、心は清らかで優しさ、あるいは憂いも秘めている……
いやあ、ティファって本当にいい女ですよね。エアリスとか忘れちゃうくらいに。←

深夜……耳を打つのは、翼に裂かれて後方に流れる、風の悲鳴だけ。
↑こういう描写がたまらなくカッコいいです。憧れます。
Posted by 青玉 at 2011年05月16日 01:33
>うおっ、恥垢舐め!

 そこに反応しますか(笑)。

 私はエアリスも好きで、ユフィも好きで、ただティファは完全に別格で好きなので愛が溢れてしまいます。
 クラティもエアティもユフィティも好きで、つまりはティファ総受け(マテ
 特にクラティ以外ではエアティが好きで、ティファを月、エアリスを太陽に例えて描写してしまいます。

>深夜……耳を打つのは、翼に裂かれて後方に流れる、風の悲鳴だけ。
>↑こういう描写がたまらなくカッコいいです。憧れます。

 どこかに中二的な要素を抱き続けて、自分に陶酔したところがないと出てこないです。
 今となっては、もうこういう表現は出ないかもしれないですね……。
Posted by 推力 at 2011年05月18日 21:46
このSS、10年ぐらい前に読んでずっと探していたので嬉しいです。
Posted by 麺棒 at 2012年04月15日 20:43
 それはそれは……有難いというかなんというか……いえ、有難いんですが。
 逆に言えば、10年くらい同じことをずっとやってるわけで(笑)。
 進歩無いですね私(苦笑)。
Posted by 推力 at 2012年04月16日 08:17
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