■感想など■

2011年05月25日

[LIPS]『Piece.04』「二人の睦」〜愛しあうということ〜

■■【3】■■

「……やっぱり、してあげる」
「いいよ」
「いい。してあげる」
「いいってば」
「してあげたいの。ね、お願い」
「ティファ」
「…………」
「『してあげる』じゃ、意味が無いんだよ。わかってるだろ?」
「…………」
 今度こそ本当に、彼女は泣き出しそうだった。

 どうすればいい?
 私はどうすればいい?
 最初から、答えてあげればよかったの?
 彼の求めるままに、彼を迎えてあげればよかったの?
 でも、クタクタなのよ。
 休みたいの。
 眠りたいの。
 そんな時にえっちしても、苦痛なだけ。
 そんなえっち、やだ。
 クラウドとのえっちは、気持ち良くなくちゃ……やだ。

「う……ふう……」
「お、おい、ティファ……」
「……う……う……」
「ティファ……」
 突然、ぽろぽろと涙を零し始めた彼女に、彼は驚いて目を見開いた。

 わからなかった。
 どうして彼女が泣くんだ?
 俺が、何か酷いことしたのか?

 彼は混乱した心をムリヤリ抑えつけて、彼女のちょっと汗ばんだおでこにキスをした。
「どうして?」
「…………」
 彼の問いに、彼女はふるふると首を振って答える。
「自分でもわからない……?」
「………………」
 彼女は答える代わりに、彼の目をじっと見つめた。
「……ごめん。ティファは悪くない。悪くないよ」
「でも……でも……」
「ティファが疲れているのを知ってて求めた、俺が悪いんだ」
「でも……」
「『でも』はナシ」
「でも……」
 彼は嘆息して、天を仰ぐように上を見上げた。こうなってしまうと、彼女は「悪い考え」にこもってしまって、被虐の想いで胸をいっぱいにしてしまう。
 いつも、そうなのだ。
「……じゃあさ、眠るまで、俺にティファの秘密を教えてくれよ」
「……秘密……?」
「そう」
 彼は、何を聞こうというのだろう?
 彼女は目をぱちぱちと瞬かせ、小首を傾げて彼を見上げた。その彼女の髪を、彼は優しく撫で続ける。
「ティファの胸、いつから大きくなった?」
「……変なこと……聞くのね。……それが、私の……秘密?」
「だって、今まで教えてくれたこと、無かっただろ?」
「……聞かれなかったもの」
「そうだっけ?」
「そうよ」
「……で、いつ?」
 彼女は視線を宙に泳がせると、唇をちょっと嘗めて目を瞑った。
 あれは、いつの頃だったろう?
 初めてブラを身につけたのは……?
 胸がキツくなって、男達の視線が恥かしくて、背中を丸めるようにして歩くようになったのは……?
 リュウラ姉さんが、『女の子におっぱいがある本当の意味』を教えてくれたのは……いつ?
 そう……。
 あれは……あれは確か……。
「……クラウドが、村を出てから…………かな」
「俺が?」
「うん……あれからしばらくして、ブラがきつくなって……」
「そういえば、あの頃は全然無かったもんな」
 彼は、給水塔で見た、彼女の幼い胸の膨らみを思い出して、小さく笑みを浮かべた。
 今の彼女からは想像も出来ないほど、慎ましやかな胸だった。
 当然といえば当然なのかもしれない。
 あの時彼女は、まだ13歳の、可愛らしい少女だったのだから。
「……あったわよ。全然無かったわけじゃないわ。…………Aカップだったけど」
「今は? 何センチ?」
「…………ご……」
 彼の問いに、彼女は俯いて、ぽしょぽしょと小さな声で呟いた。
「え?」
「……ゅうご……」
「85?」
「……きゅ…………95……」
「……………………」
 彼女の言葉が真実なら、13の時Aカップだったのが、たかだか数年で劇的に成長したことになる。
 一瞬、彼はぽかん……と口を開け、そしてすぐにその口を、笑みの形に歪めた。
 だが、そのわずかな変化を、彼女は見逃さない。
「あっ……呆れてる! ヘンって思ってる!」
「思ってない。思ってないよ」
「……目が笑ってる……」
「で? カップは?」
「……う…………言わなきゃダメ?」
「言ったろ? ティファの秘密を聞きたいって」
「…………G……」
「G?」
「…………うん……」
「A・B・C・D・E・F・Gの、G?」
「……う〜……だから言いたくなかったのよぉ……」
 彼女はぐりぐりと、頭を彼の胸に押し付けると、毛布の中で今だ剥き出しだった両乳房を、抱きしめるようにして隠した。
「……クラウドが悪いんだからね!」
「どうしてだよ」
「……だって……クラウドとまた出会って、そして一緒に旅して……その旅の間にも、2センチも大きくなったんだから」
「それが、俺のせいなのか?」
「リュウラ姉さんが言ってたもの」
「リュウラ……姉さん?」
 口に出してから、ティファは、彼がその名前を知るはずも無い事を思い出した。
 リュウラが、物好きにも山間の小さな寒村でしかないニブルヘイムに嫁入りしてきたのは、彼女が14の時だったからだ。
 そのすぐ後に……彼女は、故郷の村と共に、この世から姿を消してしまったが……。
「その……リュウラさんが、何て?」
「女の子におっぱいがあるのは、好きな人の事で胸をいっぱいにしても、はちきれちゃわないように……って」
「…………はあ?」
「だから、私の胸の中には、クラウドがいっぱい入ってるのよ」
「…………俺……?……」
 彼女は、彼の間の抜けた声に「くすっ」と笑うと、体を伸ばして彼の唇をさがした。

ちゅう……

 甘い甘いキスで、言葉以外の何かを伝えようとする。ねだるように、癒すように……一生懸命甘えて、唇を嘗め、舌を吸って絡めた。
 やがて、長い、情熱的なキスを終えると、彼女は満足そうに微笑んで、再びころん……と横になる。
「でも、そういう事なら、胸の小さい女性は、誰かを好きじゃないってコトになるんじゃないか?」
「もう……お話よ、お・は・な・し……。ほら……私、ママがいなかった……でしょ?」
 彼がキスに答えてくれた事に、彼女は満たされた充足感で胸がいっぱいになっているのだろう……。そのためか、すでにウトウトとし始めた彼女は、閉じかけた瞼を一生懸命開きながら、彼を見た。
「胸が大きくなってきて……でも、パパになんて相談……出来なくて……誰にも……」
「………………」
「……誰にも……相談……出来なかったから……だから……リュウラ姉さん……」
「……ティファ?」
「……私が…………自分の胸…………キライに…………ならない……よう…………」
「…………」
 言葉が途切れ、続いて安らかな寝息が彼の耳へと届く。
 彼は、「くすっ」とちょっとだけ笑うと、毛布をめくって彼女のひどく豊かな乳房を、もう一度見つめた。
 彼女の呼吸に合わせてふるふると揺れる乳房は、温かさと甘さと優しさとをたっぷりと含んで、わずかな光に艶っぽく輝いているように見える。
「俺が……ね」
 彼女の話を真に受けたわけではないが、そう思うと感動的ですらある大きさだ。

 どれだけの想いを、彼女はこの胸に秘めてきたのだろう?
 どれだけの想いで、彼女は彼を見つめてきたのだろう……?

 彼はもう一度だけ、右と左、両方の乳房に、んちゅ……と口付けると、右手で丁寧に、全部のボタンを掛け直した。
 何だかうまくごまかされたような気もするが、きっとそんな事は、気にする事も無い些細なことなのだろう。
 その証拠に今の彼には、それよりも、心を捉えて離さない想いがあるのだ。
「今度えっちする時、どうやってティファをいぢめてやろうかな?」
 ……という、彼女が聞いたなら、きっと、そのちょっと目尻のたれた眼で、いつもより甘く彼を睨むに違いないという……そんな想いだった。

 彼女を起こさないように、ゆっくりと左手を彼女の頭の下から抜き出して、乱れた髪を撫で付けてやる。
「くう……ん……」
 甘えたような声を漏らし、彼女が身を摺り寄せてきた。
 彼女の匂いに包まれ、彼女の温もりを感じる幸せを、もうずいぶん自覚していなかったような気がするのは、気のせいばかりでは、無いだろう。
 痛いほどに猛り、硬質を増した股間のモノから無理矢理に意識を引き剥がし、彼は、彼女の頬に愛情を込めて軽いキスをする。

 この柔らかさを護るために、俺は生きているのだ。

 そう……思いながら。


         −おわり−

■■[LIPS]『Piece.04』「二人の睦」〜愛しあうということ〜■■
■■〜睦言の夜〜■■

「2011/05/18 01:00」投下開始
「2011/05/25 01:00」完了
この記事へのコメント
あっまww
なにこれあっまwww
砂糖吐いたwwwww

完結お疲れ様でした
Posted by 青玉 at 2011年05月25日 08:55
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