■感想など■

2011年06月05日

[LIPS]『Piece.04』「二人の睦」〜愛しあうということ〜

■■【3】■■

「……手……洗う……」
 彼女の両手は、挽肉とサラダオイルにまみれている。今はその両手を、外科手術直前の医師のように、肘で曲げて指先を天に向けていた。
 手をついて、買い換えたばかりのシステムキッチンを無駄に汚すのは嫌だったし、クラウドにしがみついて、彼のお気に入りのスーツを汚すのも嫌だった。
 だから今まで、彼に「上」から「下」から体をなぶられても、愛しい人の首に噛り付く事をしなかったのだ。
 もちろん、彼はまさしくそれを狙っていたのだが……。
「いいよ」
 彼の言葉に、ティファは彼の左手が差し込まれたヒップを、少し後に突き出したまま、蛇口のレバーを捻って石鹸を手に取った。

くちっ……くちち……

「ひあっ! ……うう……」
 のろのろとした動きで手を洗い始めたティファを、再び激しい快楽の波が襲う。ざわざわと体を震わせるようにして這い上がってくる波に、ティファは啼き、そして喘いだ。
 彼が左手の中指を根元まで差し入れ、中でくにくにと動かしざらざらとした粘膜を刺激しているのである。
「うご……か……さないれぇ……」
 舌が口の中を跳ね、目に涙がいっぱいに溜まる。舌たらずな拒否の声はか細く、がくがくと膝が震えて、今にも床に崩れ落ちてしまいそうだ。
「こっちも奇麗にしなくちゃな」
 そんな彼女の耳を、楽しげな彼の声が叩いた。
「…………?…………」

 ちゅるっ……と指が抜かれ、ふ……と、彼が離れる気配がした。
「はあっ……」
 どこか惜しくもありながら、彼の指から解放された安堵に、ティファは小さく息を付いた。
 その瞬間のことだ。
 その感覚が「そこ」から、頭のてっぺんまでを刺し貫いたのは。

ぺちゃっ……ぷちゅ……

「あ!? ……あああっ! …………あーー!!!……」
 尻を分けられていた。
 彼の両手の親指が、半ば強引に尻の狭間に押し込まれている。そしてその指が尻を割り、その中に、彼が…………。

ぶちゅ……ちゅうう…………

「くあっ……ああっ……や……やぁ!……」
 彼が、鼻先を突っ込んでいるのだ。

ぷちゅっ……ちゅるっ……ちゅちち……

 そして舌を伸ばして、『蜜口』だけをちろちろと嘗める。

 ……たまらなかった。

「だめ……だめぇ…………」
 もどかしくてもどかしくて、でも、自分から脚を大きく開くのは、あまりにもはしたないと思った。だから爪先立ちになりながら尻をよじり、少しだけ嫌がってみせたのだ。
「何がダメなんだ?」
 彼の声が、直接彼女の『花』を震わせる。
「ふぁっ…………だめ……なのぉ……」
 甘い、少し鼻にかかった声は、すっかり彼にすがり、甘えて、さらなる快楽を請う淫らな音色だった。
「ダメなんかじゃない。俺は今、ティが食べたいんだ」
「晩ご飯…………ハンバーグ……」
「後でね」
「そんなぁ……もう……いぢわる……」

ちゅぷぷぷ……

 そして今度も予告無く、『彼』が押し入って来た。
 熱くて硬い、彼の彼女への想いそのものが凝固したかのような激情が。
「ひあっ! ああ……あ……あ〜〜〜……」
 ぬめるような情欲の蜜をまぶされた艶声は、キッチンいっぱいに響く。
「アーシェが起きちゃうぞ」
「だって……だって……」
 後ろから尻を抱かれ、キッチンに肘をついたまま、ティファは啼いた。刺し貫かれているのに、肌を露出しているのは下半身だけなのだ。いつもと違う場所、いつもと違う状態。それが、一種背徳的なまでの異様な興奮状態を作り出している事を、ティファは否定出来なかった。

ぱた……ぱたたたっ……

 滴りの音は、床に伝い落ちた彼女の『蜜』の音だ。
 はしたない程大量の『蜜』が、彼女の『花』から染み出していた。肘をついた両手は、埋まれ出た赤子のように、固く握り締められている。両目をぎゅっと瞑り、口を開けたまま、彼女はゆっくりと首を振った。
「だめっ……だめっ…………」
「いいの」
「だめっ……」
「いいんだってば。ほら……」

ぱちゅっ! ……ぱちゅんっ!……

 彼はぬるぬるとゆっくり挿入させていたモノを、不意に激しく押し入れ始めた。
 ティファを、啼かせようというのだ。
 ティファが懇願のままに紡ぐ艶声で、天上の美歌を奏でようというのである。
「あんんっ! ……うっ……うう〜……」
 腰から這い上がる「波」は、ティファの背中を伝い、脳を溶かしてしまおうと、熱く澱んだまま首筋にわだかまる。
 ぬるぬると引き出され、そしてまた差し込まれる彼の「激情」に、気を抜けばすぐにでも意識を持って行かれそうだった。

じゅっぷ、じゅっぷ、じゅっぷ……

 リズミカルな責めは、彼女の好むスピードと繊細な動きを保っている。
「だ…………だめ…………」
 声は既に弱々しく、その言葉に意思は宿っていないようだった。
「しょうがないな。わかったよ。やめる」
「……え……?」

ちゅるっ……

 彼は残念そうに呟くと、呆気ないほど簡単に、彼女から自分を引き抜いた。
「ティがそんなに嫌がるなんて、思わなかったもんな」
 肩を竦め、彼は唇の端をちょっと上げて笑った。
「そんな…………」
 ティファは彼を背中越しに仰ぎ見て、信じられないとでも言うかのように首を振る。その瞳はすぐさま、今度は悔しさに満ちて、その可憐な唇を噛み締めたまま彼を睨んだ。
 彼のこの行為が、彼の「いぢわる」なのは明白だ。彼は、彼女が自分から求めるまで、決して再び愛してくれはしないだろう。
 ティファは泣きそうな目で彼のモノを見た。まだ、びくびくと逞しく起立したまま、彼女の『蜜』に塗れ光っている。請えば、すぐにでも彼は再び彼女を「食べて」くれるだろう……。
「あ……う……」
 がくがくと震える両脚を、精一杯開いて、ティファは彼を見上げた。

 彼には勝てない。

 それが、こんなにも甘美な想いを胸に満ちさせるとは、再会した頃には思いもしなかった。
 けれど、後悔はしていない。
 それはまた、彼も感じているだろう想いだ……と、今では心から確信出来るからだ。
「食べ残したら……だめ……」
 ぷう……と少しふくれながら、鼻を鳴らして、彼に抗議する。
 彼が嬉しそうに、再び彼女のまるい尻に両手をかけるのを、彼女は目を瞑って迎えた。

 ……ストライフ家の夕食が始まるのは、もう少し……後の事になりそうだった……。


         −おわり−

■■[LIPS]『Piece.04』「二人の睦」〜愛しあうということ〜■■
■■〜スウィート・キッチン〜■■

「2011/05/30 01:00」投下開始
「2011/06/05 01:00」完了
この記事へのコメント
クラウドのいじわるっぷりがまたなんとも…。
彼女も料理もおいしくいただきたいですw
Posted by 通りすがり at 2011年06月06日 18:44
>通りすがりさん
 実に一ヶ月間放置すみませんでした。
 ティファも料理も極上です。
 いやもうそんなのは言わずもがなですが!w
Posted by 推力 at 2011年07月13日 00:48
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