■感想など■

2011年06月15日

[LIPS]『Piece.04』「二人の睦」〜愛しあうということ〜

■■【2】■■

「ん………………」
 ちろっと、彼の右の乳首に舌を這わせる。
 それが始まりの合図だった。
 くすぐったそうに身じろぎする彼を、強引に押え付けるようにしてキスの雨を降らせた。
 薄いチョコレート色の乳首をついばみ、決して濃くはない胸の毛を舌で撫でつけ、鎖骨の出っ張りを咥えるようにして唇でなぞった。
 脈動する血管を感じながら首筋にキスをして、こりこりとした左の耳たぶを、カリッと軽く噛んだ。
 恋人の誘いを焦らすようにして躱す乙女のように、彼の唇には触れずに頬をなめた。
 彼女を非難するような彼の瞳は、罰を与えるかのように強引に閉じさせ、その瞼をくすぐるようにキスをした。
「あんっ……」
 ついに我慢できなくなったのか、彼は彼女のバスローブに手を滑り込ませ、柔らかでありながら命の張りに満ちたお尻を、直接ぎゅむ……と両手で掴んだ。けれど、その両手を彼女は、子供の“おいた”を咎める母親の眼差しで彼を睨みつけながら、少し乱暴に払いのけるのだ。
「ダメよ。今日は“私が”クラウドを抱くの」
「俺は何もしちゃダメなのか?」
「クラウドはガマンするんでしょ? だから、じっとしてなくちゃダメ」
 んふ……と目を細めて、彼女は小悪魔の笑みで彼を諭す。既に逞しく立ち上がった彼のモノは、パジャマのズボンの上からでも、はっきりそれとわかるくらいに自己を誇示しているというのに……だ。あまつさえ彼女は、自分の“その部分”で下から押し上げるように、彼のモノを刺激し続けているのだ。彼にとって、彼女の行為は、どんな拷問よりも惨いもののように思えてならなかった。
 彼のもどかしそうな、哀しそうな、切なそうな眼差しに、彼女は満足そうに鼻を鳴らし、一旦体を起こすと、ゆっくりとバスローブの帯を解いた。そうして、獲物を前にしたベヒーモスのように悠然と、ローブの前を開く。
 彼の目は吸い寄せられるようにして、豊かで魅力的な震えに揺れる乳房に止まった。
 ベッドランプの明かりによって、陰影がはっきりとしたコントラストを描き出している。それは、彼女のただでさえ艶めかしい肌を、より一層美しく見せるに十分な効果を持っているのだ。

こくっ……

 彼の喉が鳴る。
 その音は、ティファのプライドを、十分に満足させるに足るものだった。
「彼は、私の体に夢中」
 事実はどうあれ、そう思う事が出来るというのは、彼女にとってひどく大切な事のように思えるのだ。
 彼女はそのまま体を前傾して、わずかに体をくねらせ、乳房を揺らしてみせた。前かがみになって、重力に任せたこの角度の乳房が、一番魅力的に見える事を知っているからこその動きだろう。
 彼は今すぐにでも、その温かに震える肌に舌を這わせ、その頂上で屹立する赤い実を口に含みたいと思った。そこはきっと、小さな部分であるにもかかわらず、熱い「疼き」をもって、彼に彼女の命を伝えてくれるだろう。その時彼は、至福の時を迎える事が出来るに違いないのだ。
「…………」
 無意識に微かに開かれた彼の唇は、母親のおっぱいを請う赤子のそれに近かった。安らぎと温もりを求めて、喘いでいるのだ。ティファはそれがわかるからこそ、わざと彼の両手を押さえたまま、自分の胸の2つの果実を、彼の胸のそれに擦り付けた。
「っ…………」
 股間のモノを、彼女のくにくにとした『花』に刺激されながらの行為だった。彼には、耐えられる限界が、既に見えつつある。
「ダメだよ。ティ……」
「んふ? なぁにが?」
 彼女は悪魔の冷酷さと、邪妖精の悪戯心でそれに答えた。つまり、彼のもどかしさ、切なさを知っていながら、自分の胸を彼の胸板で、たゆん……と弾ませたのだ。たまらなく甘い“重み”が、彼の胸の奥を攻める。抱きしめてその感触を思うさまに味わい、両手で激しいまでに揉みしだいてやりたくなる欲求が、彼のモノを一層硬く屹立させる……。

ぽにゅ……たぷっ……

 バスローブは、まだ彼女の体を半身だけ覆っている。両手はまだ袖の中なのだ。そのバスローブが深い影を作り、彼女の体の前面を薄暗く闇にくらませている。だがそれが、さらに艶めかしいのだ。
 時として、見えないという事は、見える事よりも、淫靡で艶やかなのである。
「……ったく……」
 彼は一度天井を仰ぎ、それから彼女をきつく睨みつけた。
「俺をいぢめて、楽しいか?」
 彼の瞳は厳しかったが、その声には拗ねたような響きがあった。
 ティファはそれに気付いて、ちょっと気取るように顎を上げ、見下ろすようにして彼を見た。
『当たり前じゃない。何言ってるの?』
 ……言葉にはしないが、勝ち気な瞳が、そう雄弁に語っている。そして悔しい事に、彼は彼女の、こんなにも生命に満ちた強い瞳を、心から愛しているのだ。
「きゃ……」
 彼は彼を拘束してた彼女の両手を振りほどくと、いささか乱暴に彼女を抱き寄せた。倒れ込んだ彼女の乳房は、彼の胸に密着して、淫猥に形を変える。その感触は、彼の思い描いた通り、甘く温かで……そして安らかだった。
 んちゅ……と彼女の首筋に口付け、彼女が身じろぎする前に、彼女の体と自分の体を入れ替えた。
「きゃあ、襲われるぅ」
「そうだ。謝ったって、もう許してやらないからな」
 わざとらしく身を縮こまらせ、ばたばたと脚を動かす彼女を押え付けて、彼は、深く凄みの利いた声を彼女の可愛らしい耳朶に囁いた。そして、くすぐったそうに首を竦める彼女の、その赤く染まって熱を持った耳たぶを、カリッ……と甘く噛む。
「うん……いっぱい……いっぱい、いぢめて……」
 その時ティファの甘い瞳は、いつになく、艶やかに濡れて、妖しい光を放っていた……。
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