■感想など■

2011年12月26日

【ボクキミ】9

■■【9】■■

 この日を境に、哉汰はウィッチのパートナーとして、ユウと頻繁にキス……否、魔力補給をするようになっていった。
 回数が多いということは、ケガレの発生と活動がそれほどまで活発化している……ということなのだろうが、それだけでもないのではないかと、哉汰などは思ったりもする。
 つまりそれは、“ユウが快楽に流されているのではないか?”という推測からだ。
 その証拠に、最初は小鳥同士が啄ばむような、ほんの少し触れるだけのキスだったのが、段々と唇同士が密着する時間が長くなり、最近では舌を互いの口腔内に挿入する、いわゆるフレンチ・キス(ディープ・キス)の様相を呈してきているのだ。
 ユウは本来の姿は男かもしれないが、見た目は色気たっぷりの“むちむち美人”なのだ。
 それに身を寄せるとすごく良い匂いもするし、実際、キス自体もとても気持ちが良く、哉汰にもその時は「男としているのだ」という感覚が全く無くなっていた。
 だから唾液同士が“くちゅくちゅ”と交じり合うフレンチ・キスも全然平気になっていたのだが、そもそも、そこまで深くキスする必要があるのかと疑問に思わなくもない哉汰であった。
 ユウが言うには、唾液に含まれる『ディフェンシン』という抗微生物ペプチド(抗菌性物質)が、哉汰の中の魔力を、よりロスが少ない形で効率良く伝える“伝達触媒”となっている……とかなんとかもっともらしい理由を付けてはいるのだが、それが真実かどうかは定かではないのだから。

 とはいえ哉汰も、そうしてユウと何度もキスを繰り返すうちに、その際に受ける快感には時間と場所によってひどくバラつきがある事を知った。
 最もキモチイイと感じたのは、日没前後の一時間、いわゆる『逢魔が刻』と呼ばれるごく短い時間であり、思えば一番最初に商店街の外れの路地裏でキスしたのも、日没直前の夕方であった。
 それを踏まえて考えると、二回目は深夜の1時過ぎだったために、それほど快感を得られなかったのではないかと推測することも出来た。

 だから二人は、それからは自然と、魔力補給は出来る限り『逢魔が刻』に行うようになっていったのだった。
 そして場所も当初はまちまちではあったが、暗黙の了解か、そのうちに二人が初めてキスをした、あの商店街の路地裏をどちらともなく選ぶようになっていたのだった。

 ──それは奇しくもまるで、交際を禁止された恋人達が、人目を忍んで逢瀬を重ねているかのようだった。

 もちろん二人にその自覚はまるで無かったが。

§         §         §


 そして、哉汰がウィッチ・ユウのパートナーとなって一ヶ月が過ぎ、やがて暦は10月になっていた。

 季節は秋を迎え、息は少し白くなり、深く吸い込めば冷たく清んだ空気が肺腑を満たす。生地の厚い冬用の学生服を着ていても体の芯まで冷えて、この時間になるとそろそろ内側から温めてくれる、何かあったかいものが欲しくなってくる。
 日没まであと少し。

 ──『逢魔が刻』だ。

 学校の帰りにユウから連絡を受け、商店街のうらびれたゲーセンで時間を潰した哉汰は、人目が途切れる頃合を見計らって商店街の外れの、沈みかけた太陽の光が遮られて薄暗い路地裏へと入っていった。
『ユウは……と。……まだか』
 路地裏の、いつもの待ち合わせ場所に辿り着くと、哉汰は壁に背中を預けて息を吐いた。ここは通りからも店舗の窓からも上手く死角になっている場所だったが、念のために壁の凹みへと身を沈める。
 いつもならユウが先に来ていて、あのチョーカーの宝石の力で周囲から二人の姿を隠してくれる。そのためこうして身を隠す必要は無いのだが。
 前回と前々回の魔力補給は、夜中に哉汰の部屋で行った。
 そのせいか、この場所でのキスは数日ぶりだった。
「う……」
 あの痺れるような快感を思い出すと、恥ずかしいが股間のものが自然と硬くなる。
 パンツとズボンを内側から強く押し上げて痛いくらいだ。
 まるでこれからエッチでもするみたいな様子だが、豊満で色気のカタマリみたいな大人の女性の姿をしたユウとは、当然ではあるがキス以上にはなっていない。
 少なくとも哉汰には、その気は全く無かったし、おそらくユウ自身にも無いだろうと、彼は思っている。
 キスを終えてしまえば、ユウはすぐにでも見た目14歳の男の姿に自ら戻るのだから、そう考えるのが自然だろう。
 というより二人とも“そういう雰囲気”になるのを、お互いに避けている感じだった。
 だがその分、哉汰もユウも知ってか知らずか、自覚が無いまま、魔力補給のための行為そのものを、よりディープなものへと少しずつ移行し始めていた。そして同時に、行為(魔力供給)へと至るまでの“新たな工程(方法)”を模索さえ、し始めていたのである。

 エッチはしない。

 あくまで目的は魔力供給。

 それさえ守れば、後は大丈夫。

 哉汰もユウもそんな風に思っていた。
 何が「大丈夫」なのか、二人ともがわからないままに。
「カナちゃんっ!」
 路地裏に入ってから数分も経たたないうちに、いつものように上空から声が聞こえ、すぐに特異なシルエットが降りてきた。
 全体的にほっそりとしているのに、胸だけがかなり大きい。肩幅はそんなに広くないので、どこかアンバランスに見えた。
 コツンッと、パールホワイトのピンヒールがコンクリートの上に降り立つ。
 フリルスカートがふんわりと広がり、その下のむっちりとした太腿と、付け根を包むベビーピンクのTバックが覗く。
 そうして、ほにゃほにゃとした笑顔が明るく輝くのだ。
 それは、見ているこちらが恥ずかしくなりそうなほど無邪気で無警戒で、ひどく開けっぴろげな笑顔だった。
「カナちゃん言うな」
「待った?」
 哉汰の言葉を軽く聞き流して、色気過剰の癒し系ウィッチが駆け寄ってくる。たわわな巨大おっぱいが“ゆっさゆっさ”“ぼゆんぼゆん”とビスチェからはみ出しそうになりながら(というか、またしても時々ピンクの乳首が飛び出してるように見えた)盛大に跳ね回り、哉汰はその光景に軽い威圧感を感じて思わず軽く眉を顰めた。
「……走るなよ」
「あ、ごめんね」
「……いや、いいけど」
 この冷たい空気の中でも、ユウは変わらず布地が少ないコスチュームだが、体に付加(エンチャント)されてた基礎魔法で体温は一定に保持され、暑くも寒くもならないのだという。便利なものだ。
「ね。さっそくだけど、いい? 実は今さっきの闘いで、魔力がもうほとんど無いんだ」
「あ、ああ……」
 期待にその白い頬を美しく赤らめ、満面の笑みで哉汰を誘うユウは、まるで愛する夫の帰宅を喜ぶ若い新妻のようだった。いそいそとその重たげな巨大おっぱいを揺らしながら哉汰の前に歩み寄り、馴れた感じで戸惑う素振りもなく跪く。
 そうして胸の前で握った手を合わせて目を瞑り、顔を上げた。見ようによってはフェラチオを請う姿に見えなくも無いが、アダルトビデオをそんなに見慣れていない哉汰には、そこまでの想像は無かった。
 哉汰は小さく息を吐くと、痛いくらいに勃起した股間のものを意識しながら、少し腰を引いてユウのぽってりとした柔らかそうな唇に顔を寄せる。
 いい匂いだった。
 甘い匂いだ。
 体臭なのか口臭なのか、はたまたそれ以外の何かなのかはわからない。
 でも、それだけで頭がくらくらしそうだった。

ちゅ……

 触れ合った瞬間、とろけるような甘美な波が「二人の」全身を駈け巡る。
 小さな“小鳥のキス”は、すぐに何度も繰り返された。

ちゅ……ちゅちゅ……ちゅ……ちゅ……ちゅ……

「はふっ……ぁん……」
 ユウが“ぶるるっ”と身震いし、その両手が「我慢出来ない」とでも言いたげに哉汰の頬に添えられた。
 甘ったるい香りの熱い吐息が哉汰の頬を撫で、前髪を揺らす。もう“スイッチ”が入ったらしい。夢中で哉汰の唇を吸い、ピンクの舌が『早く開けて』とでも言うかのように哉汰の薄い唇を何度もノックした。
『うぅ……』
 にゅるにゅると香しい唾液のまぶされた甘い舌が哉汰の薄い唇を何度もなぞり、キスしたまま軽く噛まれる。田舎の純朴な高校男子にはひどく刺激の強い、淫媚な大人のキスの始まりだった。
「ふはっ」
 耐えられなくなって哉汰が口を開くと、すかさず哉汰を逃がすまいとするかのようにユウの両手が哉汰の首に回され、ロックされる。

 ──ガチの本気(マジ)キスだった。

 “ぬるん”とあたたかい舌が口腔内に入り込み、哉汰の舌を誘う。ユウの唾液の甘さと芳香が口腔内に満ち、頭の芯が痺れた。
 おずおずと舌を伸ばすと、途端にユウは嬉しそうにそれを“ちゅう”と吸い込み、ちゅるちゅると舐めしゃぶった。
『うぅぅ〜〜〜……』
 哉汰の勃起したアレがびくびくと震える。ものすごい快美感だった。キスだけでここまで気持ち良くなるのかと、いつも『逢魔が刻』の魔力供給では思ってしまう。少しでも気を抜いたら、またはちょとでもソコに触れられたら、それだけで一気に射精してしまいそうだった。だからズボンのポケットに手を入れてアレを押さえる事もしなかった。
 いや、出来なかった。
 したら本当にすぐにでも爆発してしまいそうだったから。
「んっ……んっ……んっ……」
 ぷるっとしたユウの唇が、誘い出した哉汰の舌をしごくようにして啜り、唾液を味わって嚥下する。“こくこく”と喉が鳴り、抱き締めた哉汰の胸に巨大椰子の実おっぱいを“もみゅもみゅ”と押し付け、揺すり、擦り付ける。たわわ過ぎるヴォリュームたっぷりの柔肉は二人の間で“むにゅむにゅ”と淫猥にカタチを変えた。そしてその感触がまた、哉汰のあそこを更にガチガチに硬くする。
「ぷあっ……」
「あんっ」
 5分ほども互いを貪りあっただろうか。ようやく解放された哉汰は、それでもまだ未練たらたらなユウの肩に両手を置いて大きく息を吐く。
 唇も舌も、全てを吸われ、食べられてしまうかと思った。
この記事へのコメント
毎週のこの時間がどれほど待ち遠しいことか……!
キスしかしてないのにすごくエロくて、『ふたりだけの秘密』っていうのがこんなにそそるとは思いもしませんでした。
Posted by 青玉 at 2011年12月26日 00:18
>この時間がどれほど待ち遠しいことか……!

 めちゃくちゃ嬉しいです!
 ありがとうございます!
 モチベーション上がりますね!
Posted by 推力 at 2011年12月26日 15:25
褒めてからの

誤字報告

熱く→暑く
Posted by 青玉 at 2011年12月26日 21:15
 修正しました。
Posted by 推力 at 2011年12月31日 09:44
明けましておめでとうございます。
今年も心と体に気を付けてお過ごしください。
Posted by 青玉 at 2012年01月01日 00:39
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