■感想など■

2012年06月07日

【ボクキミ】45

■■【45】■■

 哉汰はカナケンとの会話を適当に切り上げると、再び個室に戻ってパソコンを復帰させた。
 ブラウザの、12月22日の木曜日のページを開く。
 哉汰はこの日、このネットカフェでユウと出会っている。
 出会って、いたのだ。
 しかし、あの時はそれに気付かなかった。
 否、気付けなかった。

 だが確かに、ここにユウはいた。

 22日の映像には「便所女」が狭いネットカフェの個室で、ホスト風のチャラい男と密やかに濃密なセックスをしている様が写っている。
 それは、机の上のモニター横にカメラを置いて、そこから撮影しているような映像の中での出来事だった。
 少し薄暗く、隠し撮りのような雰囲気だ。
 狭い個室に入り、チャラ男はすぐにソファに座った。この時から既にカメラは回っており、撮影は男本人以外の第三者によって用意周到に組まれたものだという可能性を示唆させた。
 続いて入ってきた「便所女」は“ものすごい”恰好をしていた。
 長い黒髪、黒いサングラス、真っ赤なチョーカー。
 そこまではいつもの姿だった。
 だが、身に着けている服が凄い。
 上はヘソ丸出しの、乳首が薄く透けたミニキャミソール。
 下はビキニボトム並に短くカットされたジーンズ。
 格好だけで男を挑発し、興奮させるのが目的なのだとわかる姿だ。
 男が手にした、高そうな女物の長い皮のコートが無ければ、街を歩けないような恰好だった。
 「便所女」は、扉を閉めると何の躊躇いもの無くすぐにジーンズを脱ぎ、陰毛の無い下半身を晒した。
 下着は身に着けていなかった。
 それはまるで、たった10ドルで男に抱かれるようなスラムの娼婦を思わせる、前戯もろくにしない「即席セックス」に慣れた仕草だった。
 きっと彼女は今まで、こうして何度も“手軽な女”を演じてきたのだろう。
 男はソファを限界ギリギリまで引き、「便所女」は、そのままソファに腰掛けた男の膝に尻を乗せ、同様に慣れた仕草で多い被さっていった。

 こもったような息遣い。

 くちゅくちゅとした粘液質な水音。

 二人は、恋人同士のような、唾液を交わし混ぜ合うディープキスを何度も何度も繰り返していた。
 男の手はもどかしそうにキャミソールを託し上げ、こぼれ出て重たげに揺れ動く白いLカップの巨大椰子の実乳房を鷲掴みにして、何かに追い立てられるかのように乱暴に揉み上げている。少し大きめの乳首を探り当てると、それを指で捏ね、摘み、野卑に引っ張って捻り上げた。
 5分もしないうちに男が「便所女」の耳元で何か言い、口元を涎で濡らした「便所女」は、髪を掻き揚げながら少しふらつきながらソファの上で男の体を跨いだ。画像には、男の足に押し広げられるようにして大きく開いた「便所女」の尻が白く浮かび上がっている。白い尻は、豊かで脂がのり、それでいて引き締まっていて、それが照明を受けて艶やかに光って見えた。
 開いた脚の間、ふくよかな尻肉の間では濃い色の陰唇がぱっくりと開いて、すっかり濡れた性器が準備万端といった体(てい)で覗いている。
 男がもどがしげにズボンを下ろして黒光りする男恨を屹立させると、「便所女」は股の間で男恨の根本を右手指に挟み、入り口に固定して、それを味わうようにゆっくりと腰を下ろした。

 やはりそこには、ほんの少しの躊躇いも戸惑いも、何も無かった。

 そうすることが当たり前なのだとでも言うような所作だった。
 膣孔に亀頭をくぐらせ、ぶるっと身を震わせると、「便所女」は嬉しそうに腰をくねくねと揺すりながら“ぬぬっ”と、ゆっくり落としてゆく。すぐに男恨が根本まで膣孔に飲み込まれ、「便所女」の白い尻が男の太股で潰れた。

 荒い息遣い。

 粘液質な水音。

 挿入を果たした男恨の熱さや硬さを味わうように、根本まで咥え込んだまま腰を揺すり、尻を震わせ、男の唇を積極的に味わう「便所女」に、あの優しげでほにゃほにゃとしたウィッチ・ユウの癒し系なイメージはまるで無い。
 男は両手を「便所女」の尻に当てて、カメラにその内側が写りやすいように尻肉を分けてみせる。あそこに挿し込まれた男恨は垂れ落ちた愛液で玉袋までぬるぬるに濡れ、「便所女」の尻の穴は時折呼吸をするかのように“きゅっきゅっ”と窄まって、まるで指で触れたイソギンチャクでも見ているようだった。
 なるべく音を立てないようにか、それともただ単に男恨の感触を楽しんでいるのか、「便所女」はじれったいほどの動きで尻を上下させる。膣から白っぽい粘液をまつわりつかせた男恨が抜き出され、再びゆっくりと飲み込まれてゆく。男恨を扱き、中身を絞り出そうとでもするかのような動きだった。
 膣液の分泌が十分となったのか、それとも自分でしているその動きに自分で焦れたのか、やがてその動きも速度を増し、白い尻の中へ吸い込まれる怒張がぬめぬめとした光を増す。
 哉汰のヘッドフォンからは、ソファが軋む音に混じって、ぶちゅっぶちゅっぶちゅっと、水で濡らした雑巾を入れたバケツに木の棒を突っ込んでかき回してるような音と荒い息遣いがした。
 「便所女」は超重量級な乳房を揉まれながら情熱的なキスを繰り返し、たっぷりと濡れた膣で男の男恨をしごいて射精を促している。
 時を置かず、男はあっという間に射精し、「便所女」に何か囁いた。
 「便所女」は頷くと、尻を上げて膣から男恨を抜き、そのままソファから降りて、半立ちになったそれを咥えたようだった。
 「便所女」の姿をしたユウは、射精した男の、精液と自分の膣液に濡れた男恨に対して当たり前のように、躊躇いもなく「お掃除フェラ」をしている。
 つまりはそれほどまでに“仕込まれた”という事なのだろう。
 いったい何人の、何本の陰茎をこうして掃除させられてきたのか。
 一通り“掃除”が済んだのか、それと同時に用は済んだとばかりに、男は「便所女」を面倒臭そうに押し退け、立ち上がると、ズボンを引き上げながら個室を出ていった。
 机に首から下の隠れたユウは……「便所女」はしばらくの間、おそらく床に座ったまま、ぼんやりと男の出ていった扉を見ていた。

 何を思っているのか。

 何を考えているのか。

 カメラに背中を向けているため、それを推し量ることも出来ない。
 だが、やがて気怠げにのろのろとソファによじ登ると、机の上のティッシュを数枚取って、股間から垂れ落ちてくるのだろう、男の精液を拭った。そしてそれを不貞腐れたような所作でゴミ箱に落とすと、荒い息のまま髪を掻き揚げてぐったりと身を沈めた。
 剥き出しの、人の頭ほどもある超重量級Lカップおっぱいが、呼吸に合わせて“ゆらゆら”と重たげに揺れる。充血して濃く赤く勃起していた乳首も、少しずつ鎮まってきたようだった。
 刻まれたキスマークや変色した歯形などで薄汚く彩られた乳房に指を這わせながら、「便所女」はサングラスの下で何を思っているのか。
 映像には、開いた天井からケータイが見えた。
 そういえばこの時、オタク風の、いかにもな風体をした赤ら顔のデブが、改造してシャッター音が出ないようにしたケータイで、まだ「便所女」がいるだろうスペース内を何度も撮影していたのだった。
 画像は、そこで終わっていた。
「……あ?」
 哉汰は、自分の目から涙がこぼれていることに気付き、そして、まだ流れる涙があったことに驚いた。

 23日の金曜日も、ユウは「便所女」姿で男に抱かれていた。
 あられもない格好で淫らな行為を、いつ誰かに見られるかもしれない場所で“楽しんで”いた。

 24日の土曜日はクリスマスイブで、恋人達が愛を語らい、街中がお祭り気分で浮かれていた。
 そんな中、その日付の中のユウは、どことも知れない部屋の中で、魔女っ子コスのまま男に抱かれていた。
 楽しい。
 嬉しい。
 気持ち良い。
 そんな雰囲気が伝わってくるような表情だった。
 大勢の男が一緒だった。
 7人はいた。
 乱交だ。
 背景にテレビが写り込んでいる。
 男達はテレビゲームを楽しみながらユウを抱いているようだった。
 人妻のような、完熟した色気を纏う身体。たわわに実った重々しく揺れ動くLカップ乳房。むちむちと脂ののった、豊かでいて引き締まった魅力的な尻。
 そんなグラマラスな身体を抱きながら、男達はテレビゲームにも興じている。
 もう何度も抱いて飽きた。
 画像は全て、そんな雰囲気さえある、退廃的な空気に満ちていた。
 記憶が確かなら、この日は、哉汰がカナケンに協力を頼んだ日のはずだ。
 そして例のサイト『クロウ=アイズ(黒烏の目)』に手掛かりを見つけたのだ。
 あの妙な書き込みでは「ウィッチを捕まえた」とあった。
 ではこの男達の誰かがあの書き込みをしたのか?
 その真相は、ページを見ているだけの哉汰には、わからなかった。
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