■感想など■

2012年06月14日

【ボクキミ】47

■■【47】■■


 変身を解いて男に戻らないウィッチ・ユウ……優也。

 そこにどんな理由があるのか。
 好きに身体を嬲らせ、男達が柔らかな乳房を、とろとろに濡れた膣を思うまま楽しむに任せている。
 そして自らもそこから生み出される爛れた快楽に身を任せ、楽しみ、悦び、埋没していた。少なくとも哉汰には、そう、見えた。
 乳房を揺らし、腰をくねらせ、尻を振る。
 吸われ、噛まれ、抓られて刻まれた内出血が、変色して黒っぽく濁ってゆく白い肌。
 男恨を嬉しそうにしゃぶり、膣内に出された精液に身を震わせる。
 画像に写り込むユウの姿は、女でいることを、心から楽しんでいるようにしか見えなかった。

 もう、男である自分を捨てたのか。

 過去の自分を捨てたのか。

 信じたくはない。
 だがそうさせたのは、自分かもしれないと、哉汰は思う。
 ユウをこの地獄に追いやり、突き落とし、汚濁にまみれさせたのは、他ならぬ自分なのかもしれないのだと。
 だとするならば、それが自分に都合の良い想像だと自覚しながらも思わずにいられない。
 ユウはあえて自分をそんな境遇に置くことで、己を追い詰め、責めて続けているのではないか、と。

 もういい。
 もういいんだ。

 そう言いたかった。
 そう、言ってやりたかった。
 何を護ろうとしているのかわからない。でもそれは、本当に自分の全てを犠牲にしてまでも護らなければいけないものなのか。
 もう、声は届かないかもしれない。
 哉汰の心に黒いシミが落ちる。
「いや……」
 諦めるものか。
 ウィッチでも完全ではない。変身を解かずに女で居続ける事が、優也にとって良いことだとは絶対に思わないし、いくら男に戻れば身体的ダメージはクリアされるとはいえ、一度病んでしまった精神まで、元に戻るとは思えないのだ。
 あの虚ろな目を見れば、今のユウがいかに危険な状態にあるかわかる。心が壊れる一歩手前……いや、もう壊れてしまっているのかもしれないのだ。
 それに哉汰は誓った。
 誰かに、ではない。
 自分に誓ったのだ。
 ユウを救うと、他ならぬ自分に誓ったのだ。
 この誓いだけは、今度こそ裏切るわけにはいかなかった。

§         §         §


 大晦日のページには、年越しパーティでも行っているかのような画像が多数あった。
 どこかのホテルの、催事ホールのような雰囲気だ。
 上品な壁紙の前には、フォーマルスーツを着た給仕達が姿勢正しく並んでいる。
 手前には真っ白なクロスが掛けられたテーブルが整然と並び、その上には和洋問わず様々な料理が、繊細かつ豪華な美しい様相を見せている。
 談笑しているのは皆、相応の地位にありそうな、身なりの立派な男達だった。青年から中年、壮年、中には老人に差し掛かった者もいる。
 その中に、他の女性に混じってウィッチ・ユウがいた。
 いつもの魔女っ娘コスではないが、あの髪型で、手には肘までの黒いレースの手袋、両脚は太股までの黒いストッキングに赤のピンヒールという姿だ。
 ただ、他が無い。
 ビスチェ風のコスも、フレアミニスカートさえも無い。

 ──全くの素裸だった。

 前方に張り出し激しい自己主張をする、内出血で斑に汚れた二つの巨大なLカップの肉塊も、陰毛の一本も無い、色の濃くなった小陰唇が少しはみ出した陰部も、全て晒している。
 他の女達も同様だった。
 服を着ている女は一人もいなかった。
 だが全て美しく、スタイルの良い女達だった。
 給仕をしているのか、手にはグラスの載ったトレイを持っている。
 男達の側でじっと佇んでいる女性もいた。
 皆、揃って一様に、まるで張り付けたような笑顔を浮かべ、そして男達は、一様に鼻から上を覆い隠す仮面を被っている。
 哉汰は一瞬で理解した。
 「ああ、“そういう集まり”なのか」と。
 つまり男達は地位も名誉も、時には妻子もある男達であり、この会場は秘密を共有し、金にあかして楽しむ場なのだ。
 何を楽しむのか。

 秘密の談笑、豪華な料理、そして美しい女だ。

 セレブリティの秘密クラブ。
 漫画やアニメや小説や映画などでは何度も見知ったシチュエーションだったが、実際にこういう事が現実の日本で行われているというのは想定外だった。
『あるんだな、こんな世界って』
 魔女(ウィッチ)が実在し、ケガレという人間の脅威が実際に存在する世界で抱くような感想ではないのかもしれないが。

 画像はやがて、シャンパングラスやワイングラスを手に持ち、着席した男達とキスしているユウと女性達が写っていた。
 飲み物を、男達に口移しに飲ませているらしい。
 リンクのあった映像ファイルには、一口だけ口に含むとグラスをテーブルに置き、右手を男の頬に添え、左手はナプキンを持って着衣にこぼれないよう顎に添え、口付けている女が写っている。
 ユウも当然のごとく、他の女性と同様にしていた。
 そして男に口移しに酒を飲ませながら、前傾して垂れた巨大な乳房を揉まれ、大きめの乳首を摘まれ、扱かれ、引っ張られて弄ばれている。それはまるで、乳牛の乳搾りのような情景だった。
 その前傾した姿勢のユウの尻を後ろから接写した画像では、濡れ光る陰唇が充血して花開き、太股まで膣液やバルトリン腺液がたっぷりと滴(したた)り落ちていた。
 それは、キスしながら乳を弄られ、すっかり“出来上がって”しまったユウの姿だった。
 雄との性交を待ち望む、ただの雌の姿だった。
 そしてこの会場では、気に入った女がいれば、誰でも自由に連れ出して好きにしていいらしい。
 その先の画像では、アルコールが回ったらしく、全身を綺麗なピンクに染めたユウが、一人の紳士に腰を抱かれながら会場を後にする姿があった。
 口移しで酒を飲ませれば、どうしても少量は嚥下(えんか)してしまう。そのため酔いが回り、足元がおぼつかなくなった女達を、男達は支えるようにしながら次々に連れ出していたのだ。

 その次も、そしてその次の画像にも、男に会場を連れ出されるユウが写っている。
 セックスそのものの様子が画像に無くても、哉汰にはわかる。
 男達が、連れ出したユウを必ず抱いたのだろうことを。
 そして回数にして14回、ユウは会場を後にしていた。
 全て別の男だ。
 太っている者、痩せている者。
 背の高い者、低い者。
 紳士然としている者、下品さが滲み出ている者。
 実に様々な男達が、ユウを抱いたようだった。
 最後にあった画像は、精液の入った使用済みコンドームが整然と並べられた高そうな銀製のトレイを持ち、ユウがへらへらと笑っているものだった。
 こういう社交場では、やはり他の男が射精した膣内への挿入は嫌悪されるのだろう。必ず避妊具の装着が義務づけられてるようだった。そのコンドームは全て同じ製品であり、それはこの会場でそれ用に用意されたものだと想像出来た。
 そして使用済みコンドームは、全部で18個だった。
 つまり、少なくとも14人に抱かれ、18回は膣に男を迎えたのだ。
 ユウにはそれが、とても幸せで誇らしい事なのだと、思わされているらしかった。
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/55597735

この記事へのトラックバック

★足跡代わりにポチッとしてってくださいな★