■感想など■

2012年07月01日

[LIPS]『Piece.05』「二人の明日」〜ようこそここへ〜

■■ Scene.02 ■「ティファ」■■

 腕の中に、確かな温もりを感じていた。

 いのち。

 私の……私が生み出した……大切な命……。
 紺のジャケットに青ラインのシャツ。そしてクリーム色のパンツでドアの側に佇(たたず)む青年。
 この人が、私の旦那様。
 夫。
 愛した……愛する……人。
 この命の……パパ。
 あなたに出会えて良かった。
 あなたと愛し合えて……良かった。
 私の視線を受けて、優しく微笑んでくれる彼と、腕の中のこの子が……今の、私の全て。
 そう思う。

「どうしたの?」
 おっぱいを一生懸命吸っている赤ちゃんの産着を、指で整えてあげながら、私は、じい……と赤ちゃんを見つめるマリンに微笑んだ。
「……かわいい……」
 にこっ……と笑って、おっぱいに添えられた赤ちゃんの手を、ぷにぷにする。
「ありがとう」
 マリンに、にっこりと笑ってあげる。
「ね、赤ちゃんにおっぱいあげるのって、どんな気分?」
 暑かったのか、サマーセーターを脱ぎながらユフィが聞いた。
「あなた……シエラさんの時にも聞いてなかった?」
「あ、うん……でも、やっぱり聞きたい。一人一人違うのかなって」
 おっぱいをあげる気持ち……ね。
 う〜ん……。
「答えになるかわかんないけど……そうね……。分娩室で、赤ちゃんを見て……胸に抱いて……その時はまだ、ぼお……っとしてて……。でも、最初におっぱいをあげた時、やっと思ったの。……ああ……私の赤ちゃんだ……って……」
「気持ちよかった?」
「気持ちいいかどうかはともかくとして……そうね…………うん……気持ちよかったのかな。もちろん、えっちな気分で……じゃないわよ。何て言ったらいいのかな……。こればかりは……『産んでみなければわからない』わ」
「やっぱり最後はそれ? シエラと同じ事言ってる」
 ユフィがサマーセーターの袖口を弄りながら、上目使いに私を睨んだ。
 睨まれても……困るんだけどなぁ……。

 ぷふ……

 赤ちゃんが、ようやく満足したように唇を乳首から離した。
 口元の涎を、布で拭ってあげる。
 むにむにと口元を動かして、赤ちゃんは幸せそうに、満足そうに目を細めた。
 ……ように見えた。
「……っぷ……」
 赤ちゃんの背中を優しく叩いて、げっぷを確かめる。
 そうしてゆっくりと寝かせると、私はタオルをおっぱいに当て、残乳をしぼった。
「何してるの?」
 マリンが不思議そうに見る。
「うん……よくわかんないけど、お医者様がこうした方がいいって。病気にならないようにするためだって」
「ふうん……なんか、ティファがすると乳搾りみたい……」
 ユフィが、にやにやと笑いながら言った。
「変な事言わないでよ。クラウドも笑わないで」
 声を出さずに肩を震わせて笑うクラウドを、ちょっとキツく睨む。
 失礼ね……もう!
「ね、一つ聞いていい?」
「なあに?」
「赤ちゃん出来ると、おっぱいって大きくなるよね?」
「うん…………そうだけど……」
 私はユフィに答えながら、洗面器で脱脂綿を濡らし、乳房と乳首を丹念に拭いた。
「ティファって今…………何カップ?」
 ……何を言うかと思ったら……。
「前は確か、95のG……だったよね?」
「悪かったわね。“うしちち”で」
「誰もそんな事言ってないじゃない。やだなぁ」
 うそ。目が笑ってるわよ?
「あのね……」
 私はクラウドをちらっと見てから、ユフィにそっと耳打ちした。
「うそっ……」
 そんなに驚かなくてもいいじゃない……。
「そんなで、よく入るブラがあったね。そのまま膨らんだらどうなるんだろ……」
 ……私の胸は風船?!
 そんな事あるわけないじゃないの。
 やあね。
「あれ? そういえばティファの乳首……」
 ユフィが私の胸を見て、今更のように声を上げた。
 やっぱり……分かっちゃうかな……。ユフィって何度か見てるもんね。
「あ……うん……なんかね、ちょっとおっきくなっちゃったみたいなの……」
「クラウドのせい?」
 ええっ?
 あの人はそんなに強く……じゃなくて!
「違うわよ、ばか」
 軽くぶつ真似をする。
 ユフィはぺろっと舌を出して、首を竦めた。
 ほら、クラウドが困ってるじゃないの。
「色も何だか黒くなってるね」
 これ以上何か言われる前に……と慌てて胸をしまう私に、ユフィは尚も言う。
 もう……人が気にしてる事を……。
「黒くなってるわけじゃないわ。ちょっと濃くなってるだけよ」
「黒くなってんじゃん。ぽつぽつもおっきくなってるし」
 でも私の主張を、しれっ……と躱(かわ)した。
「失礼ね〜」
 ぷう……と拗ねる真似をして、ユフィを睨む。
 この子ってば……本当に遠慮ってものを知らないんだから……。
 だいたいね、もうすぐ貴女だってそうなるのよ?
「赤ちゃんを産むと、大抵の女の人は、そうなるものなのよ」
 今まで黙ってたシエラさんが、上手にリンゴを剥(む)きながら、ユフィをたしなめる。
 う〜ん。
 さすが年長者。
 ……って言うと嫌な顔するから口にはしない。
「じゃあシエラって真っ黒?」
 あ…………。
 その時、シエラさんのこめかみが「ぴくくっ!」と反応したのを、私は見逃さなかった。
「お……俺、バレット達呼んでくるよ」
 クラウドが慌てて出て行く。


 …………逃げたわね。


         §         §         §

「クラウドも、これでパパかぁ……」
 シエラさんに平謝りに謝り、ようやく許してもらってリンゴをぱくつくユフィは、私の腕の中で眠る赤ちゃんを見つめながら、感慨深そうに言った。
 言いながら、リンゴを口一杯に頬張って噛み砕き、身体全体で呑み込む。
「アタシも赤ちゃん欲しいなぁ……」
 ユフィは、もう一つリンゴを摘み上げて、誰とも無しに口にした。
「あら? ユフィちゃん、『いい人』いないの?」
 2つ目のリンゴを剥き終えて、ティッシュでナイフを拭きながらシエラさんが目を細める。
「うーん……ちょっとねー……」
「ヴィンセントなんて、どう?」
 私は何の気なしに、軽く言った。
 だって、旅の間、ユフィとヴィンセントって仲良かったもの。
 そりゃ、歳の差もあるけど……。良いコンビだと思うんけどな。
「やーだ。あんな経済力も無いヤツ。甲斐性の無い男なんてカンベンってカンジ。大体、あの男にタネなんてあると思う?」
 タ……タネ……。
 すごい事言うのね。
 私は半ば唖然(あぜん)としながら、パールピンクの口紅が取れたのも気にしないでリンゴをぱくつくユフィを見た。
 まあ……貴女はまだ、「色気より食い気」ってコトなのね。
「それにアタシ、まだケッコンなんてしたいとも思わないし……」
「結婚しないのに赤ちゃん欲しいの?」
「ダンナはいらないけど、赤ちゃんは欲しいの」
「………………」
 私とシエラさんは、思わず顔を見合わせてしまった。
 ユフィが赤ちゃん好きってのは、前からなんとなく聞いてたからいいけど、それって初耳。
 私達二人があんまり顔をじぃ……と見るからか、ユフィは居心地悪そうに、体を揺すりながら唇を突き出した。
「だってねー……オトコってめんどくさいデショ?」
「そう…………かしら…………」
「そうよ」
「そう……かなぁ……」
「そうよ」
 なんとなく首を傾げるシエラさんと私を、ユフィは可笑しそうに笑った。
「もう結婚してる人にはわかんないわよ」
 そうなのかなぁ……。
 何だか、「若者にしかわからない」って言われてるみたいで気分がすっきりしないわ。
 (わたしは若いわよ。もちろん)
「う〜ん。まあ、クラウドみたいのなら、いいと思うけど……」

 ……ちょっと待て。

「やーね、冗談に決まってんじゃん」
 私の表情に、ユフィは慌てて言った。
 どうだかっ!
 貴女が、あの人の事好きだったって、私知ってるんだからっ!
「そんなに恐い顔しなくてもいいじゃない〜」
 ユフィが可愛く身をよじる。
 可愛い子ぶってもダメ!
「どうしたんだ?」
 ……と、私のツンツンチョコボ頭が、シドとバレットを連れて部屋に入ってきた。
 途端に、ユフィの顔が明るくなる。
「え〜ん。ティファがいぢめるのぉ!」
 こらソコっ! 腕を絡めるなぁ!!

         §         §         §

「おめーは、まだそんな事言ってんのか」
 シドはユフィの「願い」を聞いて、「しょうがねぇな」と言いたげに口を歪めた。
「でもねー……ちょっと考えちゃうのよ」
 私の方をチロッ……と見て、ユフィは意味ありげな表情を見せる。
 こら。何が言いたい?
「こんなデッカイのが出てくるんだよねー……何だかガバガバになりそ……」
 ガバ……
「ユフィ!」
 思わず声を上げてしまう。
 しまった!……と思った時には遅かった。

 ふ……ふぎゃあああああ……!!

「何よぉ……ちょっと思っただけじゃない〜」
 バレットに拳骨の洗礼を受けたユフィは、頭を抱えて情けない声を上げた。
 当然よ!
 でも私は、ユフィを見ている余裕なんて無かった。
 火が点いたみたいに泣き出した赤ちゃんを、慌てて揺するのに一生懸命だったから。
「ごめんなさいっ……ごめんなさいね〜私が悪かったわ〜」
 よしよし。
 お願い、泣き止んで〜……。
 村で、ずっと子守りしてたってのに、どうして自分の子供だと、こんなにもオロオロしちゃうんだろう……。
 その時、私が困ってるっていうのに、ずっと思案顔で何かを考えていたシエラさんが、ポツリ……と言った。
「確かに……すぐ後はしばらくユルくなるわね……」
 その言葉に、クラウドが目を見開く。
「そ……そうなのか?」
 そこっ! 反応しないようにっ!
「クラウドっ!」
 私は、シエラさんに聞き返したクラウドを「ぎっ!」と睨んだ。

 ふぎゃあああああああーーーーー!!

 うわあん!
「ごめんなさいっごめんなさいっごめんなさいっごめんなさいっごめんなさい〜!!」
 お願い泣き止んで〜!
 ……と、私が半泣きで赤ちゃんをあやしていると、やたらとゴツくて黒い手が、私の手から赤ちゃんを掬(すく)い上げた。
「どれ、ちょっと貸してみろ」
 短く刈り込まれた黒髪に、ちょっとだけ白いものが混じっていた。
 この人……もうそんなのが出るような歳だっけ……?
 苦労……してるのかな?
「バレット……あ……うん、気を付けてね」
「ばーか。誰に言ってんだ」
 バレットは軽く毒づくと、赤ちゃんを馴れた手付きで抱き上げて、小さく揺すりながら、どこかの歌を唄い始めた。

 歌?

 バレットって歌……唄えたの?
 普段のバレットからは想像も出来ないくらいの、繊細で、奇麗なメロディ……。
 太くてちょっとしゃがれた声が、何だか物悲しく流れた。
 結局、彼が唄い終えるまで、私達は誰も口をきかなかった。
 ううん。
 きけなかった。
「………………」
 みんな……歌に惹き込まれていたから。

         §         §         §

 やがて歌は、哀しい余韻を残して……終わった。
 赤ちゃんはピタリと泣き止んで、いつの間にかすやすやと寝入ってしまっている。
「ね……それ、何て歌?」
 バレットが唄っている間、ずっと「ぽかん」としていたユフィが、我に返ったように慌てて彼に聞いた。
「ん……?……『ハニー・イン・ザ・レイン』だ。聞いた事あるんじゃねぇか?」
 バレットは私達の、不思議なものでも見るような顔に気付いて、その太い眉を上げ、おどけるように肩を竦める。
「ミッドガルの流行り歌よね」
 シエラさんが興味深そうにバレットを見上げた。
 恋歌……ラブソングね。
 シエラさんって、そういうの好きだから、興味深々って感じでバレットを見てる。
 彼は改めて、みんなからの視線に気がついたみたいで、照れくさそうに顔をしかめた。それでもその瞳がどこか懐かしむような色を見せたのは、私の見間違いじゃ……ないと思う。
「ああ。古い歌だ。もう長い事唄ってなかったからなぁ……。それでも、意外と忘れねぇもんだな。……ほらよ」
 意外なほど繊細な手付きで、バレットが両腕を差し出した。
 私は慎重に、ふにふにと口を動かす赤ちゃんを受け取る。
「おめえさんに、そんな特技があるたぁな……」
「私も……知らなかった」
 シドとマリンが目を丸くしたまま言った。
 私も、同じ意見。
 私がアバランチにいた時なんて、一度もバレットからは歌らしい歌を聞いた事、無い。
「お前が赤ん坊の時にはダイ…………いや……」
 何かを言いかけて、口をつぐむ。
 …………バレット……まだ……マリンちゃんには言ってないのね。
 でも、貴方が何を言いたいか……私にはわかる。
 ううん。
 ここにいる、みんながわかってる。
「赤ん坊の時に唄ったっきりだから、忘れてんだよ」
 わざとぶっきらぼうに言って、マリンの頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
 せっかくお出かけ用に整えた髪をぐちゃぐちゃにされて、マリンは怒ったけど、でも……その目はどこか、すっごく嬉しそうだった。

 そうよね……。

 うん、そうだわ。
 私も唄ってあげよう。
 いっぱいいっぱい、唄ってあげよう。
 いろんな歌を、唄ってあげよう。
 想いはいつまでも、残るものだから……。
「…………」
 私は、不意に景色が滲むのを感じて、慌てて目を拭った。
 やだな、何だか涙が出やすくなってるみたい……。
「なあ、ティファよ」
「え?」
「赤ん坊ってのはな、母親の気持ちを敏感に感じるもんだ。
 母親がイラつけば、赤ん坊は不安になる。
 母親が笑っていれば、赤ん坊はうれしい。
 お前は赤ん坊の前ではいつも笑ってろ。それが母親の仕事だ」
「……うん……」

 ……耳が痛いです。

「でもホント……考えちゃうよ」
 イスに後ろ前逆に座って、ユフィは背もたれに顎を乗せながら落胆したように言った。
「体がそんな風に変わっちゃうなんてなぁ……」

 またその話?
 だいたい、『そんな風に』って……どういうイミよ、もう。

「あきれた。今までそういう事考えずに『赤ちゃん欲しい』って言ってたの?」
「アタシだって考えてたよ。胸がおっきくなるのは嬉しいけどさ、でも……ガバガバになったり、乳首真っ黒になるなんて思わなかったもの」
「だからそれは違うって言ってるでしょう!?」
 声の大きさに気を付けながら、私はユフィを睨んだ。
 このまま変な噂でも立てられたら、たまったもんじゃないわ。
「真っ黒?!」
 ……と、ユフィの言葉に、シドがショックを受けたように私の胸元を直視した。
 ちょっと……。
「やあね。ナニ見てるのよシド」
 ユフィが、ニヤニヤとしながらシドを肘で突ついた。
「あ、そっか、シドってばティファの胸のファンだもんね〜」
 ええっ? そうなの!?
「……まー……なんだ、その、やっぱデカけりゃそれに越したこたぁ……はあうっ!?」
 あ……やっぱり……。
 見ると、シエラさんがシドの袖を引っ張って、「にっこり」と笑っていた。
「ご覧になったの?」
「……あ、いや」
 ウソ! シド?!
「見てたよね〜みんなで。あの時も……ええとあの時も……そうそう、あの時も」
 指折り数えながら、ユフィが数えた数は7回。

 7回?!

 どういう事?!
 クラウドの顔を見ると、彼ってば『さりげなく』窓の外を見てた。
 バレットを見ると、彼も『さりげなく』マリンに話しかけてる。
 ………………。
 ……ユフィ……それ、後でキチンと教えてね。
「あなた? ちょっとお話があるんですけれど……」
「な……なななな……なんでぃテメエ……オレ様ぁ別に……」
 言葉とは逆に、シドの顔に汗が一滴……。
 私、知〜らない。
「あとで、ゆっくりお話しましょうね?」
「ば……バーロォ! オレ様ぁ……」
「ね?」
 シエラさんは、あくまで優し気に「にっこり」と笑っているだけだ。
 でも、シドはぴたり……と言い訳を止めてしまった。
 観念したのかしら。
 シエラさんのこういうとこ、ホントにスゴイって思う。
 見習わなくちゃなぁ……。
「ティファ、今シエラを見て『すごいなぁ』って思ったデショ」
 ユフィ? どうして?
「どうしてわかったの!?」
「わかるよ。でも、見習おうって思っちゃダメだよ。あの二人はあの二人。クラウドとティファは違うんだから」
 クラウドも何だかホッとした顔で、妙に力強く「ウンウン」と肯いてる。
「それは……そうね」
 私はちょっとだけ肩を竦めて、私を見るシエラさんに笑いかけた。

         §         §         §

 持ってきた花を生けた小さな花瓶をテーブルの上に飾りながら、ユフィが私を振り返った。
「そう言えばお祝いの品って、無いの?」
「……? どういう事?」
「クラウドって今、神羅……ええと、今は『聖樹』だっけ? あそこの治安維持部門統括デショ?」
「ああ」
「だったらケット……リーブから、お祝いとかあってもいいんじゃない? 直接の上司なんだからさぁ。あの人も意外とケチなんだなぁ」
 私はクラウドと顔を見合わせて、どちらからともなく吹き出してしまった。
「なに? なんで笑うの?」
 仲間外れにされて、ユフィは唇をとがらせてしまう。
 そうよ、あの時ユフィはいなかったんだもの。知らなくて当然よね。
「実はな、もう貰ってんだとよ」
「どこに?」
 シドの言葉に、きょろきょろと部屋を見回す。
 でも、この部屋にはそれらしい物なんて無い。
 当たり前よね。
「来る途中、こいつらの家に寄っただろ?」
「うん」
「それだ」
「へ?」
 ユフィの頭の上に疑問符の群れが浮かんだ。
 顎に手を当て、腕組みをして、かくん……と首を傾ける。
 くすくす……その癖……変わんないわね。
「どれ?」
「家だよ。あの家が、リーブからの祝い品なんだとよ」
「ええーーーっ!? だってあれ……ええっ? そうなの?」
 ユフィの叫びに、マリンが慌てて唇に指を立てた。
「……ごめん…………ねえ、そうなの?」
「そうよ。もう半年も前にもらってたんだって。知らないのはユフィだけ」
 可愛らしい鼻をツンとひくつかせて、マリンはユフィにいたずらっぽく笑った。
「そんなぁ……」
 ユフィの視線が、自分の持ってきた包み紙に向けられる。
 あ……この子……。
「でもねユフィ。私達は、お祝いしてくれる、その気持ちだけで嬉しいの」
「でも……」
「来て」
 赤ちゃんを左手で抱いたまま、右腕を広げる。
 ユフィは戸惑いながら、私の側に来て、ベッドに腰掛けた。
「祝福してちょうだい」
 赤ちゃんを抱いたまま、ユフィの頭を引き寄せてその頬にキスした。
 ぎこちなく、私の頬にキスが返される。
「お……おめでとう……」
 照れからなのか、馴れていないからなのか、ユフィの顔が……真っ赤。
 ウータイに、キスの習慣は無いものね。
「ありがとう。ユフィ」
「へ……へへへ……」
 ぽりぽりと頭を掻く彼女は、あの頃と変わらない、輝くような微笑みを見せてくれた。
 うん。
 それでこそユフィよ。
 バレットも、クラウドも、シドとシエラさん、マリンも……
 みんな、そう思ってるわ。
この記事へのコメント
ユファ→ユフィ ですよね?
さあ、何センチの何カップなのか僕にも教えてくれないかい?
Posted by 青玉 at 2012年07月01日 00:55
 修正しました。

 ああああ……それにしても何て間違い……はっ!? ということは、公開当時もユファだったわけで……どうして誰も突っ込んでくれなかったのでしょう…(責任転嫁)。

 妊娠して出産すると、2〜3カップはアップするといいますし……まあ、御想像にお任せします、と(笑)。
Posted by 推力 at 2012年07月01日 02:28
乳絞り→乳搾り
Posted by 青玉 at 2012年07月02日 00:00
 修正しました。
 m(_ _)m
Posted by 推力 at 2012年07月02日 02:32
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