■感想など■

2012年09月08日

【ボクキミ】ユウ12

■■【12】■■

 毎日毎日、いろんな男達に抱かれていると、何が良くて何がいけないのか、なぜこんな事をしているのかしなくてはいけないのか、しなくてはいけないようになってしまったのか、その理由も境目も、どんどん曖昧になってゆく。
 放課後や学校の無い日は朝から呼び出された。何人もの男達に、何度も何度も膣内に射精されて精液を“吸収”し、微々たる魔力を蓄えると、その魔力を回復・飛翔・再変身・衣服再構成などの“基本的”な魔術行使に使って哉汰の元へと訪れる。そこで莫大な魔力を蓄え、優也に戻り“全て”をリセットすると、最後には「彼」に全てを“上書き”されるようにして抱かれて“体を適正化”された。
 ただし、帰宅して優也へと戻る前には必ず、ケガレ対策のためのアンカー設置や『函(パンドラ)』の展開用に、いつでも起動出来る状態にまで術式を織り込んで無意識域にストックセットしておく事も忘れなかった。それはユウとしての、ウィッチとしての最後に残った矜持だったのかもしれない。
 その上で、平日の翌朝には必ず学校に行く。

 毎日が、その繰り返しだ。

 哉汰とは、学校ではもうほとんど話が出来なくなっていた。毎日、深夜まで体を酷使し、気力・体力を使い果たしていたから、学校にいる時だけが唯一心身を休められた。そのため、教室では授業中でも机に突っ伏して寝ている事が多くなり、よくぼんやりとしてしまい、事情を知らない高階以外の教師や、心配そうな哉汰に注意される事も一度や二度ではなかった。
 やがて「彼」から学校にいる時にも呼び出され、ケータイに「命令」が届くようになると、優也にはとうとう心休める場所が、夜に訪れる哉汰の家以外、無くなってしまった。
 挙動不審を、よく哉汰に指摘された。
 「命令」はいつ届くかわからなかったから、ケータイばかり気にして、会話をしてても心ここに有らずになり、彼に怒られた事もある。そして「彼」に呼び出されては、学校で他の男に「貸し出される」ようになってからは、学校でも家に帰ってからも休みなど無かった。
 膣内に射精された精液は“リセット”しなくても時間と共に魔術的に分解・吸収され、やがてはその姿を全て消してしまう。だが、すぐにというわけではない。若干のタイムラグがあるのだ。
 そのため複数の人間が立て続けにユウの膣を使う場合は、前の男の精液溜まりの中にペニスを浸す不快感を訴える者もいる関係上、必然的にコンドームを使用する場合もあった。
 用意するのは男達だったが、コンドームは常に優也が持っていることを強制された。
 『ポケットに“自分に使われるための避妊具”を忍ばせる男子高校生』という現実は、優也の心をそれだけで疲弊させ、傷付け、ヤスリで削るように磨耗させていった。
 用意されるコンドームは一箱12個入りの汎用極薄タイプだった。それでも、用意された分は、一日で1箱使い切ってしまうこともザラだった。もちろん、ゴムが嫌いで、前の男の精液溜まりの中にペニスを浸すことに不快感を感じない男もいたから、個数=人数ではない。
 実際、「ウィッチとヤれる」というだけで、校内でも数十人がすぐに集まった。

 その「予約」は、主に学校の裏サイトを介して行われていた。

 コントロールしていたのは「彼」とそのウィッチ・マニア仲間達だった。
 もちろん、一日に相手出来る人数には限りがあり、休み時間のインスタントセックスと授業をサボらせてのセックスでは、予約の難しさも料金も差があった。
 とにかく巨大な乳房である。ネットならともかく、リアルでは誰も見た事も無いほどの、途方もないサイズのおっぱいなのだ。その噂だけが先行していた感もあった。
 一目その乳房を見たいと願う男達で「予約」が一杯になるくらいだったのだ。
 そのため「予約」はおよそ2週間先までびっしりと埋まっていた。

 学校で「客」の相手をするようになってからは、休み時間など、人があまり来ない男子便所で、立て続けに4人を相手にした事もある。体育館裏で見張りを立てた「彼」に、そこで7人も相手させられた事もある。
 何人もの精液を膣に注がれ、太股までどろどろにしても、優也に戻れば全てがリセットされる。だが魔力を温存するために回復魔法を最低限にしたため、どうしても疲労感は川底の汚泥のように心と体に溜まっていった。
 疲れきり、ふらふらになりながら体育館裏から出たところを哉汰に見られていた時は、恐怖で顔がひきつるのをなんとか我慢した。心臓が止まるかと思った。哉汰には「ウルフからの連絡や他のウィッチとの魔法交信、時には使い魔から魔法具や魔石を受け取るのに、人の目のある場所で行うわけにはいかない」ともっともらしく説明したが、どこまで信じてくれたかわからない。
 でも、哉汰の瞳からは「お前を信じてる」という彼の気持ちが伝わってきて、泣き出してしまうのを堪えるのにはひどく苦労した。

 ユウから優也へ戻るためには、少なくない魔力を消費する。
 そのため、一日に出来る変身は、毎晩必ず、哉汰から純度の高く良質で濃い魔力を十分に受けられる事が前提になっていた。
 優也←→ユウの変身は、一日に4回が限度だった。
 ユウ←→モデル姿(またはその他の姿)の再変身であれば、8回程度だろうか。
 他にもアンカー(識対素体に対して魔力を込め霊的マーキングを施した術式端子)設置・『函(パンドラ)』展開・魔法行使(回復・飛翔etc…)の使用頻度によってもその限度回数は上下するため、その回数は単なる目安でしかなかった。
 学校で4回呼び出され、そのたびに変身していたら優也に戻れなくなって、そのまま早退した事もある。その時は夜に哉汰の部屋へ行くまでに、「彼」からまた「命令」されて、深夜まで2人の男に抱かれていた。学校の4回で9人を相手にし、夜に2人に抱かれ、そして哉汰の部屋に行った後で「彼」にも抱かれた。結局その日は12人の男に抱かれた事になるが、それでも決して多いわけではなかった。

 11月中頃を過ぎた頃から、それまでの活発化がまるで嘘のように、ケガレの発生やそれに影響された者達の起こす様々な事件・事故が少なくなった事も、魔力残量をそこまで神経質に考えないようになった一因だったかもしれない。それは油断と言えば油断であり、真美に知れれば叱責されるに等しい失敗だったが、今のユウの頭には、もうそこまで想い至る余地も余裕も無かった。
 それでもたまにケガレとの闘いに赴く時もあって、そんな時は決まって哉汰以外の男に抱かれた直後である事が多かった。その時には膣内の精液がまだ吸収され切っていない事もあり、時には男達に注がれた精液を股間から滴らせながら闘った事も有った。
 そしてケガレの消散に全ての魔力を使い切り、精神的・肉体的疲労の回復も出来ないまま、哉汰の所へと向かうのだ。

 ──それでもユウは願う。

 この世界に存在するだろう、「神」と呼ばれる存在に願う。
 哉汰にだけは、害が及びませんように、と。

 北沢哉汰という少年が、そこまでユウの心を捕らえて離さないのはなぜなのか。
 彼でないと駄目だと思ってしまったのはなぜなのか。
 それは今となっては、当のユウ自身にもわからなかった。
 ただ、その顔とか声とか話し方とか笑顔とか、並んで歩いた時の身長差とか歩幅とか、ちょっとした癖とか手の大きさとか、視線の動き方とか性格とか、とにかくあらゆる全てでユウにとっての「この人じゃないと駄目」が作られているのは確かだった。
 その上で、キスは気持ち良かったし、おっぱいを揉まれたり吸われたり嘗められたりはもっともっと気持ち良かったし、彼の陰茎を嘗めてしゃぶって吸っていると死にそうなくらい幸せで、噎せかえるような濃い匂いの中、精液を口内で溜めて嚥下した時の少し引っかかるような喉越しや食道を下りていって胃の腑に到達した時の、何度体験しても鮮烈で強烈な快感は、他に比べようが無いほどの幸福感と充足感と充実感と達成感と占有感を与えてくれたから、これはもう哉汰を唯一無二の「運命の相手」「真実のパートナー」と認識しても仕方なかった。
 彼と日々を過ごして、何か特別な事があったわけではない。
 「特別」なら他にいくらでもあった。
 自分自身が既に「特別」で「特殊」だったし、ケガレなんていう超常現象と当たり前に付き合っている者が普通であるはずもなかった。

 哉汰は、ただただ「普通」だった。

 普通に日々生きてる普通の人だった。
 そして、そんな普通のことの中に幸せや笑いや喜びを見出している。
 そんな人だった。
 だから大事だった。
 大切だった。
 大切にしようと思った。
 そして彼を護りたかった。
 彼を護る事は普通じゃない自分の中の「普通」を護ることと同じだったから。

 そしてユウは常に、哉汰と一緒に、全てのものと闘っているつもりだったのだ。
 ケガレだけでなく、二人を取り巻く全ての悪意と闘っているつもりだったのだ。

 負けるもんか

 負けるもんか

 その言葉をずっと呟きながら。

§         §         §


 だが、ユウが実際にしている事は、安っぽい風俗嬢や街角の売春婦やデリヘル嬢がしていることと、なんら変わらなかった。
 いや。
 むしろ風俗嬢や売春婦ですら、客には許さない事が多いと言われる行為さえ、ごく簡単にさせてしまっているユウは、彼女達以下かもしれなかった。
 それはアジア特定地域から、外貨獲得と称して売春のために、うじゃうじゃと大挙して押し寄せてくる最下層の整形職業娼婦達にも等しいと言えた。信じられないほど安い金額で簡単に男と寝る女達。客が望めば何でもする女達。そんな、屑のような女達以下かもしれなかった。
 その金も、封筒に入れられて学校の机の中や鞄に入れられていたのは最初の頃だけで、最近は支払われる事も無くなり(決して優也は望んでいないし、むしろ無くなった事で気が楽になった部分もあったのだが)「彼」によってタダで男達に「貸し出されてしまっている」のが現状だった。
 それは“性欲を処理するためだけに存在するシリコン製の人工膣”にも等しい扱いだった。

 命令されればどこにでも出掛けていった。

 誰とでもキスをした。

 首やおっぱいにキスマークをたくさん付けられた。

 小便するような気軽さで膣内に射精された。

 顔にもかけられた。

 ローターやバイブなどの道具も使われた。

 アナルも好きに弄られた。

 陰毛は生やす事を禁じられた。

 尿も飲んだ。

 目の前で排尿もした。

 薬で無理矢理脱糞させられた。

 体中に傷を付けられた。

 体中に落書きされた。

 おっぱいやお尻を手酷く叩かれて腫れ上がった。

 乳首を血が滲むまで噛まれた。

 陰唇や肛門をマジックで黒々と塗られた。

 酒を無理矢理飲まされて夜の道路に放置された。

 本来、ユウの体にはあらゆる薬物を無効化する力がエンチャント(魔力付加)されているはずなのに、アルコールも利尿剤も下剤も良く効いた。
 男達にさせられる行為がエスカレートするにつれて、哉汰の元へと訪れ、行う行為もキスや乳愛撫、それに手淫(手コキ)やパイズリやフェラチオなど、セックス以外は何でも(さすがに素股などの膣挿入を喚起させるような行為は自粛したが)するようになっていった。これは、哉汰がセックスを求めないため、それ以外をユウが求めたと言っても良い状態だった。
 だが、そうすればするほど哉汰とセックスしたくてしたくてたまらなくなり、苦しさはいや増した。
 そしてその苦しさを忘れようとするかのように「彼」の囁く「愛」という甘い毒を、言葉とは裏腹に心と体が少しずつ受け入れいった。
 それは負の連鎖。


 ──「堕落」への着実な歩みであった。


この記事へのコメント
蒸せかえる→噎せかえる
自己犠牲ってイヤな言葉ですね・・・
Posted by 青玉 at 2012年09月08日 00:56
 修正しました。

 ユウは結局、現実から逃げてるか、自分に酔ってるか、自分を肯定する理由を求めてるだけだと思います。
 つまり、弱いんですね。
 その出自と、形態変化型というところでメンヘラ気味だからかも。
Posted by 推力 at 2012年09月10日 09:21
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