■感想など■

2012年09月25日

[LIPS]『Piece.04』「二人の睦」〜愛しあうということ〜

■■【2】■■

 男は、彼女の白い首筋にキスし、嘗め、可愛らしい耳たぶを口に含んで揺らした。
 女の両方の耳は、既にたっぷりと彼の唾液に濡れ、食べ尽くされてしまった後だとわかる。
 であるにも関わらず、女は耳を甘く噛まれるその度に愉悦に眉を顰め、今は自由な左の乳をたぷたぷと揺らした。
 男が、女のヴォリュームのある髪を高く結い上げたままにして、その美しいストレートヘアを愛でる事をしなかったのは、紅く染まった耳やほっそりとした首筋を、唇と舌と歯で自由に愛撫しやすいようにしておきたかったからに違いない。
 女自身の汗と男の唾液に濡れ光る首筋は、すっかり鮮やかな赤味が差して、女の恍惚とした表情に花を添えている。
 切ない。
 苦しい。
 哀しい。
 嬉しい。
 様々な表情が、女の顔に一瞬ごとに浮かんでは消える。

くうっ……

 女が肩をすくめ、身を固くしていっぱいに開かれた両脚をわずかに閉じた。
 男の左手の指が、何度目かの“遊び”のために、とろとろと濡れて開ききった『蜜口』にぬるりと入り込んだのだ。

 遊ばれている。

 それは違えようも無い事実だった。
 ぬるぬると太いものが入ってきた。
 もちろんそれは指だ
 しかも一本ではない。
 二本。
 おそらく人差し指と中指。
 その二本が、何の抵抗も無くぬるりと奥まで入ってくる。
 無遠慮な動きだ。

ひうっ……

 息を吸い込んだ。

はあっ……

 熱いかたまりとなって吐息が散った。
 声は出していない。
 指が動く。
 『胎内』で、ぐにぐにと動いている。
 イヤになるくらいハッキリとわかった。
 もう、何度こうされたかもわからない。
 けれど、感覚は鈍くなるどころかますます敏感になってゆく。
 男の指がどんなふうにこりこりとした複雑な襞を撫で上げるのか。
 どんなふうに中で踊り、どんな風に溢れる『蜜』を掻き出すのか。
 それすらも、ハッキリと知覚することができた。

……ゃはっ……

 しゃくりあげるように息を吸い込んだ。
 男の右手が、右乳の乳首を潰れるほど強く摘んだのだ。
 乳首に走った甘い痛みが、膣内に挿し入れられた二本の指を思いきり締め付けろと女のとろけた脳に命令を出した。
 女の体は、すぐにそうした。
 つもりだった。
 だが男の指はその動きを制限される事はなかった。
 すっかり広がり、緩み、ぬるぬるとした『蜜』を垂れ流し続けるその場所は、痺れたように弛緩してしまっていたからだ。
 だから女の脳を裏切った。
 男は、易々と更に奥深くまで侵入を果たし、そして女が最も弱い部分……つまり女が最も悦ぶ部分を集中して責めた。
 軽く押し、撫で、擦りあげ、そして包皮から顔を出して剥き出しになったクリトリスを親指が少し強めに撫でた。
 たっぷりと溢れたぬめりが潤滑油となり、痛みの数倍の強烈な快楽が女の脊髄を駆け登った。

ぐうっ……

 くぐもった声が女の喉を割り、女は男の裸の胸から背中を離して前屈みに体を倒した。
 男の手に包まれていない左乳が、重力に引かれて紡錘形に垂れ揺れる。
 女の乳房が、最も豊かに見える状態だった。
 その乳房が、女がびくびくと体を震わせるたびにゆらゆらと揺れる。
 女の顔は、愉悦を越えて痴呆じみてさえいた。
 忘我の顔だった。
 我を忘れている。
 何もかも忘れ、ただ今の快楽を甘受している。
 そう見えた。
 半開きの口元からは、透明な唾液が垂れ、顎の先から糸を引いて落ちた。
 涎だった。
 忘我の顔で涎を垂らし、びくびくと体を震わせながら涙を流している。
 達したのだと、見える。
 何度……いや、十数回目かのオルガスムスだった。
 脳を焼く、強烈なオルガスムスが立て続けに与えられている。

 狂う。

 いや、すでに狂っているのかもしれない。
 脳が焼き切れるかと思われる、拷問とまで思える快感を強制的に与えられているにも関わらず、女は男の愛撫を拒まないからだ。
 拒むという思考そのものが、女の脳から抜け落ちてしまったとしか思えない。

 女は欲しいのだ。

 ただ男が欲しいのだ。
 男そのものに、体の奥深くまで入って来て欲しいのだ。
 指などではなく、熱く、固く、彼の激情そのものとまで思えるような肉の剣(つるぎ)で、自分の体を裂いて欲しいのだ。
 貫いて欲しいのだ。
 それが叶えられねば、女は済まない。
 この時を終える事は出来ない。

 そう、頑(かたく)ななまでに思い続けているのだった。


         −おわり−

■■[LIPS]『Piece.04』「二人の睦」〜愛しあうということ〜■■
■■〜闇に潜んで〜■■

「2012/09/20 00:00」投下開始
「2012/09/25 00:00」完了
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/58233497

この記事へのトラックバック

★足跡代わりにポチッとしてってくださいな★