■感想など■

2012年10月06日

【ボクキミ】ユウ16

■■【16】■■

 12月20日、火曜日。

 ──この日から、ユウは優也に戻ることをやめてしまった。

 「彼」のモノである限り、哉汰には絶対に手を出さないし、真実を伝える事もしない。
 ウルフに対しては、今まで通り接し自分から詳細を報告しない限り、彼らに察知されるような事はしない。
 そう、「彼」は約束してくれた。
 自分が側にいて哉汰に危険が及ぶよりも、離れる事で逆に護れるのではないかと結論付けたのだった。
 馬鹿で愚かな考えだった。
 正常な状態であったなら、ユウもきっとそう思っていただろう。
 だが、悲しいかな、ユウはもう普通ではなかった。正常ではなかった。
 たとえ「彼」のモノであり続けたとしても、それで哉汰に絶対に手を出さないという保証は無いし、それどころか哉汰に何かあれば彼を監視しているウルフに異常を悟られる最大の要因になり得るのだ……という事にさえ、もう考え至らなくなっていたのだった。

 変身はユウとモデル姿との再変身のみとなり、魔力温存も兼ねて、服は魔力による物質再構成を極力避け、「彼」が用意してくれたものを身に着けるようになった。
 それは取りも直さず、『「彼」の好みの服を身に着ける』ということであり、『「彼」好みのオンナになる』という事と同義であった。

 偽りの声。

 偽りの姿。

 優也にとってウィッチ・ユウとはそういう認識のはずだった。
 だがそれは今や逆転し、かつて自分が外見年齢14歳の17歳の男であり、男子高校生であり、北沢哉汰の親友だったことこそが、どこか遠い、不確かで幻のような記憶になろうとしていた。

§         §         §


 その日の午前中は「彼」の用意した部屋へと案内された。
 そこには、普通の女性が必要とするものが全てが揃っていて、そしてそれは優也が、ウィッチ・ユウが今まで必要としなかった品の数々でもあった。
 様々な服や下着や靴やバッグや化粧道具。
 「彼」が選んだ、「彼」の好みのコスメ達。
 服は扇状的でセクシャルなものばかりで、下着も布地が極端に少なく精緻なレースで彩られた、着心地よりも男の目を楽しませる事を至上としたものばかりだった。
 そしてバッグや化粧道具は、ひとめで高級品だとわかるものが多く、ユウ(優也)でも知っているブランドのものがゴロゴロしていた。

 ──「彼」が自分(ユウ)のために揃えたのだろうか?

 そう思ったものの、部屋の調度品まで全て揃える意味がわからず、服や下着や靴など、決まったサイズでないと使えないもの以外は、既に誰かが以前使用していたか、誰かが使用するために以前から揃えられていたと考えるのが妥当だろうと思われた。

 では、それは誰のため?

 いずれ「彼」は話してくれるのだろうか。
 そう思ってはみたものの、「彼」と自分の立場を思えば、そんな甘い関係などではないし、それを望んでもいないのだから聞く必要も無いのだと、そこで強引に思考を断ち切った。
 部屋の調度品は、20代から30代の女性が好みそうな、落ち着いた色合いのもので占められていた。華美ではなく、それでいて地味な印象が先に立つ事もない。「シック」という言葉がぴったりくるような、上品なものばかりだった。設えたクローゼットの外観も上品だったが、だからこそ、中に納められた扇状的でセクシャルな服や、布地が極端に少なく精緻なレースで彩られた“男の目を楽しませるための下着”とは印象が剥離している気がしてならなかった。
 壁には、大きな姿見まであった。
 ユウは素裸になり、「彼」に指示され選んだ服をベッドに並べ、やたらと肌触りの良い太股まである白いシルクのストッキングを履き、レースが細かくて上品で可愛らしい白いガーターベルトで留めた。そして、パンティを履かないまま姿見の前に立ち、全身を映してみる。
 ウィッチ・ユウの姿で、魔女コスではない自分を鏡で見たのは初めてだったが、特に何の感動も無かった。
 心は、少しも動かなかった。
 鏡の向こうから自分を見詰める下着を身に着けていないオンナは、

 目が死んでいた。

 表情が無く、そこに心が一片も無い。
 ピンク色だった髪は、静脈血のようにドス黒い赤になっていた。
『きたない……』
 首や胸元、おっぱい、下腹、太股の内側にいくつも散った痣や歯形傷やキスマークは、まだ消えていない。優也に戻らない限りリセットされず、それはずっとそこに有り続けるだろう。
 剃ったように陰毛の一本も無い綺麗なあそこは、大陰唇から小陰唇が少しはみ出していた。
 真っ白なストッキングとガーターベルトが美しくて可愛くて上品だからこそ、それに包まれた自分の体が、男達によって散々好き勝手に弄ばれた、何の価値も無い、ただの汚物のように見えた。

 汚れた髪。

 汚れた体。

 汚れた魂。

 汚れた心。

 もう、哉汰の元へは帰れない自分には、これ以上ふさわしい姿は無いような気がした。

 そしてユウは姿見の前で、モデル姿──いや「便所女」の姿に再変身した。
 目を瞑り、イメージし、目を開ける。
 それだけで再変身は終わる。
 胸元まであるふわふわとしたピンクの髪は、背中の中くらいまであるストレートの長い黒髪になって“ふぁさっ”と柔らかく垂れ、体表面に残ったセックスの残滓……乾燥した体液成分や臭分子、繁殖した細菌類は全て分解され、綺麗に払拭されて、まっさらな体となった。だが、肌に刻まれた痣や歯形傷やキスマークは消えない。こればかりは、優也に戻って形態変化変身しなければ無理だった。
 目元を隠すサングラスは、イメージによる形状構成で作成したものではなく「彼」が用意したものだ。いかにも高そうな品だったが、クローゼットの引き出しに何十個もあったから、別に壊しても喪失(な)くしても盗られても構わないに違いない。
 服は、クローゼットの中にあるものでも比較的おとなしめのものを選んだ。
 黒のキャミソールと濃いダークブラウンの皮のミニスカートに、上には同じ色の皮のジャケットを着た。靴はヒールの低いパンプスを選び、「彼」の指定通りブラもパンティも身に着けなかった。
 今日はこれから、昼間から、指定された場所で「デート」の予定だった。
 相手は「彼」ではない。
 もちろん哉汰であるはずもない。
 そして単なる「デート」で済むはずもない事も、ユウには十分よくわかっていた。

§         §         §


 “その女”は、たった今まで誰もいなかったはずの繁華街の片隅に、突然“魔法のように”姿を現した。
 何人かの通行人は気付いたようだったが、いづれも、繁華街とはいえ昼間の往来にそぐわない破廉恥な女の格好に気を取られ、その異常性に気付く事もなく通り過ぎていった。


 待ち合わせ場所まで、ユウは魔石の力を借り、識域外偏向魔法によって人々に認識されないようにして移動した。
 移動手段は、徒歩と電車だった。
 今までそうしていたように、空を高速で飛行したり姿を完全に消したりしても良かったが、哉汰の魔力供給を受けられない──“哉汰の所へ赴く事を想うだけで胸が締め付けられるような感覚に陥ってしまうようになった”今は、いざという時のために、出来るだけ魔力は温存しておくべきだと思ったのだ。
 オンナとして「彼」に染められ、「彼」を受け入れ、「彼」に“愛される”事を甘受してしまった自分は、もう哉汰の顔さえもまともに見られないだろうという自覚があったから。

 だが、人に認識されていないと知りながらも、大勢の人の前でこの姿を晒しながら移動するのは怖かった。

 とはいえ、今さら、この破廉恥な格好を見られる事に恐怖を感じているわけではない。
 最大の懸念は、仲間のウィッチの存在だった。
 基本的にただの人間で構成されているウルフには、念入りに練られたウィッチの魔力障壁を感知したり、ましてや無効化する事は、余程周到に準備された魔術領域内でしか出来ないが、同じウィッチとなればそうはいかないからだ。
 元来、ウィッチ同士の交流というものは、余程の事がない限り、単なる友人のような気軽さでは行われないものだ。担当する地区も可能な限り近接しないように配されているし、一年に2回ほど行われる定例会合でしか顔を合わせない事もザラだった。ウィッチ・マミとウィッチ・ユウのように、一人前になる前のウィッチがベテランとコンビを組む事もあるが、その場合も地区や期間など、細かい取り決めはウルフが行うようになっているのが普通だった(真美の場合は、その立場からかなりの我侭をウルフに通したらしい)。もちろん、大規模なケガレ討伐や共闘などの際には複数のウィッチが一時的に同一地区へ集まる事もあるが、誰がどこの担当で、変身前はどんな姿か、学生か主婦か就労者か、年齢はいくつか、などの実生活情報は互いに明かさないのが当然だった。それは主にサーヴァントへの警戒と対策のためでもあったが、大部分はウィッチ自身のメンタル面への配慮があってこそだと言われている。
 今現在、どんなウィッチがどこでどんな活動をしているか、ユウ自身もそれを知らない状況で、いきなり他のウィッチに存在を認識されて今のユウの状況を知られるのは、とても恐ろしい事だった。半径20メートル以内まで近付いた場合、魔力障壁を張っている限り、こちらが認識していなくても他のウィッチには感知されてしまう可能性があるからだ。そのため、魔力障壁は可能な限り短く、そして素早く解除する必要があった。
 それが徒歩と電車ともなれは、魔力障壁の展開は長く、そしてそれを解くタイミングも余程用心しなくてはならない。
 ユウが「大勢の人の前でこの姿を晒しながら移動するのは怖い」と思うのは、ある意味において当然の事だった。


 ユウは12時20分頃から、既に待ち合わせ場所でイライラとしながら待っていた男と、「便所女」の格好で街を「デート」した。
 いや、「連れ回された」と言った方がいいかもしれない。
 首に真っ赤なチョーカーを巻かれた後、肩を抱かれ、腰を抱かれ、お尻を撫で回されながら繁華街を歩いたのだ。
 髪を撫でられ、背中を撫でられ、腕や、脇腹や、太股も全部撫でられた。反応した体が熱を持ち、敏感になって、触れられるだけで全身が“ぴくん”“ぴくん”と(男から見れば)面白いように震えた。
 公園の雑木林の木陰で、強く抱きしめられながらキスをした。口付けでユウが“とろん”となったところで、男は後ろからミニスカートに手を入れ、お尻の肉に指を捻じ込み、ウズラの卵大のプラスチック製品を既に“とろとろ”になっていた膣へ“ぬるん”“ぬるん”と、次々に2個も押し込んだ。
 学生は冬休みに入ったとはいえ、一般的には平日である昼の公園には家族連れはおらず、いるのはベビーカーを押す若い母親か、ドロップアウトした壮年の老人、またはジョギング中の青年くらいだった。
 その中を、男に腰を抱かれながらユウは歩いた。膣内に押し込められたローターは、ポケットに突っ込んだ男の左手で操作され、強弱も緩急も男の思いのままだった。ユウは不意によろめき、ふらつき、時に男にしがみついたり、腰砕けにしゃがみ込んだり、不審な行動を繰り返した。
 それは、公衆便所の個室でローターを引き抜かれて尻を抱かれ、インスタント・セックスで膣内に射精されるまで続き、そしてローターは精液がいっぱいに溜まった膣に再び押し込められた。
 その後、落ちてこないようにと、布地が少なく高そうなシルクのパンティを履かされると、公園の出口まで連れて行かれ、ユウはローターのコントローラーと一緒に別の男へと引き渡された。

 公園を出た後、ユウは膣内に精液の存在を強く感じながら、2人目の男とファミレスに入った。
 時刻は2時を過ぎていて、少し遅い昼食を摂るのだと男は言ったが、ユウにはどうでも良かった。
 ファミレスでは店内の奥まった場所にある二人掛けのソファに、店員からは背中しか見えないように並んで座り、ユウは窓側に押しやられた。男はローターのコントローラーを隠し持った右手でユウの肩を抱き、「イチャイチャと戯れ合う頭の悪そうなバカップル」を演じながら、左手をユウの股間やおっぱいに伸ばした。
 平日の昼間ではあるものの、近くのショッピングモールに客を取られがちな店内には、数えるほどしか人影は無く、店員もシフト調整のためかフロア担当は2人しかいなかった。
 男はその店内で、メモリをMAXにしながらユウのスカートに手を入れ、あそこを指で嬲り、キャミソールの裾から大胆に手を入れて巨大な椰子の実おっぱいを、まるでもぎ取ろうとでもするかのように、何度も強く握り締めたりした。
 特におっぱいは、何度も何度も揉まれ、掴まれ、握られ、抓られた。
 ぱんぱんに膨らんだ乳首も引っ張られ、捻られ、抓られ、おっぱいに押し込まれた。
 男はあそこよりも、おっぱいの方が好きなようだった。
 左のおっぱいは特に重点的に、念入りに可愛がられた。
 ユウはメニューを開いて、一心に料理を選んでいる風を装っていたが、その頬は火照ったように赤らんで、注文を取りに来た店員がニヤニヤと笑み崩れるのを見て、既に何もかもが周知なのだと知った。
 乳首を引っ張られながらも懸命に頼んだランチメニューはカルボナーラだったが、パンティに突っ込まれた手でクリトリスを弄られながらでは、咀嚼すらもままならず、結局、料理をほとんど残したユウは、先にランチを全て平らげていた男に命令されてトイレに立った。
 そして、思った通り、トイレで後から入ってきた男に抱かれた。
 「食後の一服」ならぬ「食後の一発」──インスタント・セックスだった。
 蓋をした洋式便器に両手をつくと、すぐにスカートを捲り上げられ、クロッチ部分が乾きかけた精液でねとねとになったパンティを無造作に引き下ろされて、ローターを引き抜かれた。
 挿入して滅茶苦茶に突かれ、2分くらいで中に出された。
 1人めの精液は既に吸収されていて、2人目の男の精液だけがたっぷりと膣内に満ちた。

 ファミレスの駐車場で、ユウは再びローターのコントローラーと一緒に3人目の男に引き渡され、スポーツカータイプの車の助手席にふらふらしながら乗り込んだ。
 もう、自分が何をしているのか、どこにいるのか、相手が誰なのか、何もわからなくなっていた。
 3人目の男は、車を走らせながら手を伸ばしてユウのおっぱいを弄んだ。ファミレスでは左のおっぱいが重点的に弄ばれたが、今度は右のおっぱいだった。
 キャミソールを捲り上げ、おっぱいをすっかり露出すると、男は“もにゅもにゅ”と長いこと揉み続け、硬く尖った乳首を摘んで“ぎゅうう”と強く抓ったりした。
 ローターは常にMAXで、ユウは何度も何度も昇りつめ、オルガスムスで脳を焼かれながら、それがどうしようもなく未練たらしい行為とは知りながら、音を奪われた声で哉汰の名前を呼び続けていた。
 男が車を停めたのは、1人目の男に連れて行かれた場所とは違う公園だった。
 ユウは知らないことだったが、そこは、いつか哉汰が「彼」に付き合わされてウィッチ探しをした、街の東部を流れる比較的大きな河の上流にある水門付近の森林公園だった。そこでユウは、哉汰がいるすぐ近くのバンの中で、「彼」に“愛の言葉”を耳元で囁かれながら激しく抱かれ、立て続けに2回も中出しされていたのだが、それもユウ自身は知らない事だった。
 その林の中の遊歩道は季節がら人影は全く無く、男はユウを連れ歩きながら好きな時にユウの尻を抱いた。道端の柵に、太い木の幹に、東屋のベンチに、有無を言わせず両手を付かせ、スカートを捲り上げてローターを抜くと、すぐに挿入して膣内を楽しんだ。だが射精はせず、1分も腰を振ると“ぬるん”と抜く。そして再びローターを押し込むと、ペニスを嘗めて綺麗にさせてから立たせ、腰を抱いて歩き出す。
 その繰り返しだった。
 だから、近くの住居から注意深く見れば、二人が何をしているか全部知られてしまうほど木がまばらにしか隠していない階段で再び男に尻を抱かれた時、ユウは泣きじゃくり、声を封じられたまま『中に出して!』と何度も懇願したのだった。
 そして射精された。
 我慢し続けた分だけ、たまらない快感があった。
 だからユウは、たっぷりと膣に射精してもらえたお礼に、男のペニスをいつも以上丁寧に嘗めしゃぶり、尿道に残った精液までも啜って「お掃除」した後、彼が構えたカメラのレンズに向かって、嬉しそうに微笑んだのだった。

 車の男には、近くの駅のロータリーで降ろされた。
 そこには既に別の男が待っていて、ユウは陶然としたままふらふらと歩き、気が付いたら暗い通路にいて、男に尻を抱かれていた。
 今まで自分の膣内にあった、自分の体温に温まったローターを口内で転がしながら、自分の膣液と男の精液の味を舌に感じ、溜まった唾液を嚥下した。
 ユウにはもう、今が何時なのか、ここがどこなのか、相手がどんな格好をしているのか、そもそも男の顔がどんなだったか、全くわからなかった。
 どうでも良かった。
 だから男に「20数えたら服を捲り上げてオッパイ出せ」と言われた時も、何も思わず、何も考えず、ただ頷いた。
 そして実行した。
 駅構内で無表情のまま人波に目をやり、ただぼんやりと佇みながら、心の中で20数えた。
 そして数え終わるとキャミソールを首元まで捲り上げ、その見事に実った巨大乳房を道歩く人々の目に晒した。
 首や胸元、おっぱい、下腹、にはいくつも痣や歯形傷やキスマークが散っていて、特におっぱいは薄汚く、まるで汚物をぶら下げているような印象だった。
 驚き、蔑み、好奇、怒り、嫌悪……様々な視線が、ユウとそのおっぱいに注がれた。
 駅警備員や警察が来る前に、男が素早く駆け寄り、コートを羽織らせてその場を離れるまで、ユウは大勢の人々に「穢れた自分」を見られ、軽蔑的で侮蔑的な視線を注がれる事に身を震わせ──


 ──ずっと、被虐的な快感を感じ、あそこを濡らしていた。
この記事へのコメント
久しぶりの更新お疲れ様です。
いやあ、やっぱりこれがないと生きてる実感がなくて今週は厭に永く感じられましたよ。
租借→咀嚼(2回目
Posted by 青玉 at 2012年10月06日 20:30
 見落としていました。
 修正しました。
 ありがとうございます。
Posted by 推力 at 2012年11月03日 21:45
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